[HRPニュースファイル434]被災地からこそ訴える原発推進の根拠
現在、鹿児島3区では、九州電力川内原発の再稼働を最大の争点とした補欠選挙(28日投開票)が行われており、幸福実現党の松沢力候補(30)のみが原発の即時再稼働、原発の積極的推進を掲げて戦っています。 (10/17 読売「衆院鹿児島3区補選 4氏舌戦スタート」)
原発立地県からも再稼働を求める強い声が出ているにもかかわらず、政府は19日、2030年代に原発ゼロの具体化に向けた年内までの工程表を呈示しました。(10/19 日経「原発立地自治体と来月から協議 政府、脱原発巡り工程表」)
また、民主党の細野政調会長は最近のテレビ番組においてあらためて「マニフェストに原発ゼロを明記したい」旨の発言をしています。
しかし、もはや「死に体」となった民主党政権が今から20年後の未来を語ったところで、何ら説得力も実行力もないのは明らかであり、これらの動きは所詮、左翼票獲得に向けた「選挙対策としての原発ゼロ政策」以外の何ものでもありません。
実際、原発ゼロを実現した場合、これまで我々幸福実現党が指摘して来た通り、大幅な節電や電気料金の高騰で、国内産業の空洞化、大量の失業者を招き、増税と共に更なる不況の深刻化を生み、自殺者の増大を招きます。
さらに中国により東シナ海・南シナ海の安全な航路が脅かされている状況下では、直近の原子力に代わる代替エネルギーとしての火力発電も、輸入原油への依存度が高くなる点で、シーレーンが日本のウィークポイント(中国の攻撃ポイント)となります。
今年7月の脱原発集会では、作家の大江健三郎氏や芸能人の坂本龍一氏ら売国言論人が集まり、 「たかが電気でなぜ命を危険にさらすのか」という趣旨の発言をして話題になりました。
しかし、実際に東日本大震災において、数週間から長い地域で数か月も電気のない不便な生活を強いられた被災地の人にとっては、その無責任極まりない発言は、怒り心頭で受けとられただけでなく、民主党や左翼が好きな言い方になぞらえれば、立派な「人権侵害」にあたると思います。
寒冷地において、節電強要や停電になれば、冬場に凍死者が出ることを分かっていないのでしょう。 「停電や節電こそが命を奪う」のです。
「たかが電気」というのは寒冷地を知らない人間の勝手な言い分です。
実際、北海道の高橋はるみ知事は、冬の電力不足が暖房、道路の融雪に及ぼす影響を挙げ、「(電力は)まさに命の問題だ」と政府に電力の安定供給を強く求めています。(10/11 産経「冬の電力安定策、高橋道知事が枝野経産相に要望」)
原発ゼロの根拠は、こうした現実を無視した情緒的かつポピュリズム的な議論がありますが、その出発点・根拠となった昨年震災での原発事故について、被災地からこそ、ここで改めて異論を訴えたいと思います。
それは、昨年の東日本大震災で被災した原発は全部で5つあり、福島第一原発以外の4つ(青森の東北電力東通原発、宮城の同女川原発、東京電力福島第二原発、日本原子力発電東海第二原発)は、大きな事故にならなかった事実です。
特に、宮城県の沿岸部・女川(おながわ)町にある東北電力・女川原発は、福島第一原発より震源地に近い120km北方に位置し、同程度以上の津波(約13mと言われる)を受けましたが、即座に自動停止、冷温停止を成功、放射線の異常な漏れはありませんでした。
しかも、女川町自体は壊滅的な被害を受け避難場所すら少ない状況下だったため、原発施設そのものに避難者を受け入れ、数百名が避難。その後も3か月程度避難所として開放していました。
福島第一と女川原発のこうした被害程度の違いは、女川原発が当初建設時から津波想定を15mとし、数々の安全対策を怠らずに行ってきたことにあることが分かっています。
つまり、「原発は一律に危険」なのではなく、同じ震災を受けても、「安全対策を強固にしていたら原発は危険ではない」ということです。
これは自動車事故が一件でも起きたら「自動車は危険だ、製造をやめるべき」と唱えることがナンセンスであることと同様に、原発も福島第一の事故があったからもう一律廃止すべきだというのではあまりにも情緒的・非科学的で道理に合いません。
あくまで、安全性を高める努力をし続ければ、不測の事態でも対応できることが証明されたのです。
実際、女川原発の被害の少なさは、震災後に視察に入ったIAEA(国際原子力機関)の調査団も大変驚き、「安全システムもすべて健全に機能した」「女川で得たデータは世界中の原発の安全性向上に役立てたい」と語りました。(8/10 産経「『驚くほど損傷少ない』女川原発のIAEA調査」)
まさに日本の原発技術は世界最先端の安全性を実現しうることを示しています。
現在、日本のエネルギー自給率はわずか4%です。原発ゼロの場合の将来的代替候補の自然エネルギーは、コストが高すぎてまだ現実味はありません。
ヨーロッパで脱原発を華々しく掲げたドイツでは、電気代高騰が問題になり、国民の不満がピークに達しています。これは日本でも7月から始まった太陽光発電等の買い取り制度が元凶です。(10/20 時事「電気代高騰が総選挙争点に=脱原発のドイツ−国民に不満、不公平感も」)
化石燃料への依存を少なくし、エネルギー自給率を高め、日本経済の衰退を防ぐために、安全性への不断の技術開発を伴った原発の推進こそ、責任ある政治家が判断すべき重要な選択です。
そして、更なる技術開発を後押しし、「放射線除去」の開発にもっと本腰を入れれば、革新的な除去装置が実用化できる可能性がありますし、今後数十年というスパンで考えれば「放射線そのものの無害化」も課題として研究を進めていくべきです。
政府は、女川原発をはじめとして津波にも耐えた世界最先端の技術を正しく分析し、未来を見据えた今後の原発推進政策を進めるべきです。
それこそ昨年の震災を教訓として生かす道ですし、被災地からこそ本当に訴えたいことです。 (文責・宮城第4区支部長 村上 善昭)
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