【幸福の科学大学問題】宗教を理解しない下村文科相は道徳教育を語れるのか?
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文部科学省は10月末、2015年4月に開学を目指していた幸福の科学大学の設置を「不認可」とした。その理由として、霊言の科学的合理性が立証できていないという点を挙げた。しかしこれは、文科省が取り組んでいる道徳教育の推進の流れと明らかに矛盾する。
中央教育審議会が10月21日に道徳教育を教科化するよう答申した際に、下村博文・文部科学相は、「道徳教育は、国や民族、時代を超えて万人に不可欠なもの」と述べている。道徳教育の教科化は、相次ぐいじめ自殺などへの対策であり、安倍政権の教育改革の根幹である。
しかし、「人を傷つけたり、殺したりしてはいけない」といった道徳の原点をたどれば、宗教に行き着く。道徳は善悪の基準を教えるが、宗教はなぜそれが善なのか、といった理由を説く。宗教の教えには「神仏」の視点が反映されているからこそ、人間のあるべき姿を説けるのだ。
そして、キリスト教やイスラム教などの世界宗教は「霊言」から始まった。霊言を否定するならば、神の言葉を受け取った預言者の起こした宗教を否定することにもつながる。宗教を尊重する心がなければ、道徳教育は「学校で問題を起こさない」程度のルールに過ぎず、「なぜ正しく生きなければいけないか」という導きにはなりえない。
さらに下村氏は、日本の教育の「グローバル化」を目指し、日本から海外に行く留学生を2020年には現在の倍の12万人に増やす目標を掲げている。学生が海外に出て行けば、さまざまな宗教を信じる人との出会いがあるが、その際に宗教的教養がなければ、彼らを理解し、真の国際人になることはできないだろう。
下村氏個人の道徳的信条にも疑問がある。幸福の科学では文科省が幸福の科学大学の不認可を発表した直後の10月31日、下村氏の守護霊霊言「スピリチュアル・エキスパートによる文部科学大臣の『大学設置審査』検証」が収録された。ここで下村氏の守護霊は、沖縄知事選での公明党の組織票と、幸福の科学大学の不認可を「バーターにした」ことを示唆した。
守護霊の霊言では、本人が語らない本音に迫ることができる。政治的な駆け引きによって自分に都合の悪い大学の設置を認めないというなら、非道徳的だ。
宗教を理解できない下村氏はいったい、どのような道徳教育を推進するというのか。文科相としての適正に疑問が残る。(晴)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『スピリチュアル・エキスパートによる文部科学大臣の「大学設置審査」検証 (上)』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1333
幸福の科学出版 『大学設置審議会インサイド・レポート』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1332