日本がメコン川流域へ6000億円のODA 中国包囲網の形成を進めよ
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21日に東京都内で行われる、日本・メコン地域諸国首脳会議でまとめる「東京戦略2012」の内容が、同日付けの各紙の報道でわかった。対象となる事業総額はこれまでで最大の2兆3000億円で、2013年からの3年間では6000億円の政府開発援助(ODA)を打ち出す。
メコン諸国とは、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムの5カ国。以下は、各紙が報じた主な内容である。
・港湾や道路、発電所、高速鉄道事業などのインフラ事業の例としては、インドシナ半島を横断する国際幹線道路「東西経済回廊」の改良事業がある。これにより南シナ海からインド洋に抜ける物流の改善が期待できる。
・感染症対策では、15年までにエイズは2万人、結核は1.6万人、マラリアは5.5万人の死者を削減する数値目標を掲げる。
・北朝鮮の弾道ミサイル発射を「強く非難」することも明記する。
日本政府はこれらの支援を通じて、経済成長を続けるメコン地域のインフラ事業を取り込み、日系企業の投資や進出の呼び水にする考えだ。
最近、日本は、メコン地域の開発に積極的な姿勢を打ち出している。だが、この地域に対して、すでにアメリカは2009年7月時点で、クリントン国務長官が、メコン川流域の大規模なインフラ整備などの援助を約束。「ASEANとより深く強力な関係を築く」と述べている。一連の日本の動きは、アメリカに追随した動きと言えるだろう。
一方、メコン地域の開発については、中国も積極的に関与しており、メコン川に橋を架けたり、道路を整備するなどしてきた。だが、昨年9月、ミャンマーが、中国と共同開発してきた水力発電施設の開発を中止するなど、最近では、ラオスやベトナムなども含めた国々が中国との関係を見直す、「中国離れ」を進めている。
ある専門家は、この動きを「東南アジアの国々が、中国共産党政権が長く持たないと考えている裏返し」と説明する。
今回の日本の動きは歓迎すべきであり、今後ともアメリカと歩調を合わせて、「中国包囲網」をつくっていくべきである。それは、東南アジアの人々の生活の向上にも、日本の経済的利益にもつながる。もう一段踏み込んで言えば、それは中国に独裁政権の限界を突きつけることであり、中国の民主化のきっかけとなれば、中国の人々の真の幸福にもつながるはずだ。(居)
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