昭和25年7月1日から施行された
新国籍法では、重国籍者に対して、
20歳から22歳に達するまでに、
いずれかの国籍を選択することを
課しています。
(国籍の選択)
第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
2 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法 の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。
第十五条 法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条第一項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる。
2 前項に規定する催告は、これを受けるべき者の所在を知ることができないときその他書面によつてすることができないやむを得ない事情があるときは、催告すべき事項を官報に掲載してすることができる。この場合における催告は、官報に掲載された日の翌日に到達したものとみなす。
3 前二項の規定による催告を受けた者は、催告を受けた日から一月以内に日本の国籍の選択をしなければ、その期間が経過した時に日本の国籍を失う。ただし、その者が天災その他その責めに帰することができない事由によつてその期間内に日本の国籍の選択をすることができない場合において、その選択をすることができるに至つた時から二週間以内にこれをしたときは、この限りでない。
国籍の選択の宣言をすることは、
条文上は義務規定ですから、
重国籍者は、必ずいずれかの国籍の選択し、
外国国籍を放棄する旨の宣言を
しなけければなりません。
ところが、この新国籍法が施行されてから、
数万人以上にも及ぶ重国籍者が
この選択の宣言を行っていなかったのです。
それも、我が国の国際化によって、
重国籍者数は増える一方であり、
政府が新国籍法で望んでいた、
重国籍者を原則として認めないという
方針に著しく反する状況が、
事実上放置され続けて来たのでした。
法文上は、住所の分からない重国籍者を
官報に掲載して、法務大臣による
国籍の選択の催告をし、その上で、
戸籍を抹消してしまうことも可能ですが、
そんなことをすれば、大問題になります。
それは、単なる重国籍者だけならともかく、
既に外国籍を離脱し、海外に住み続けている
重国籍者だった日本人もいるのです。
このような方々に、一方的に
日本国籍を剥奪してしまえば、
無国籍者になってしまいます。
そこで、法務省が考え出した奇策が、
重国籍者が宣言した、しないに関わらず、
国籍を選択した者として、日本政府が、
一方的に認めてしまうという策です。
これを「みなし国籍選択者」として、
1984年12月31日以前に重国籍者と
なったと推定される者、すべてに
適用することにしたのでした。
*国籍法及び戸籍法の一部を改正する法律
(昭和59年法律第45号)附則第3条
(国籍の選択に関する経過措置)
この国籍選択宣言には、外国の国籍を
放棄する旨の宣言も含まれています。
ところが、ほとんどの重国籍者は、
重国籍者のまま、何も変わらない状態が、
今現在も続いています。
それはなぜなのでしょうか?(以下、次回)
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新国籍法では、重国籍者に対して、
20歳から22歳に達するまでに、
いずれかの国籍を選択することを
課しています。
(国籍の選択)
第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
2 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法 の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。
第十五条 法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条第一項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる。
2 前項に規定する催告は、これを受けるべき者の所在を知ることができないときその他書面によつてすることができないやむを得ない事情があるときは、催告すべき事項を官報に掲載してすることができる。この場合における催告は、官報に掲載された日の翌日に到達したものとみなす。
3 前二項の規定による催告を受けた者は、催告を受けた日から一月以内に日本の国籍の選択をしなければ、その期間が経過した時に日本の国籍を失う。ただし、その者が天災その他その責めに帰することができない事由によつてその期間内に日本の国籍の選択をすることができない場合において、その選択をすることができるに至つた時から二週間以内にこれをしたときは、この限りでない。
国籍の選択の宣言をすることは、
条文上は義務規定ですから、
重国籍者は、必ずいずれかの国籍の選択し、
外国国籍を放棄する旨の宣言を
しなけければなりません。
ところが、この新国籍法が施行されてから、
数万人以上にも及ぶ重国籍者が
この選択の宣言を行っていなかったのです。
それも、我が国の国際化によって、
重国籍者数は増える一方であり、
政府が新国籍法で望んでいた、
重国籍者を原則として認めないという
方針に著しく反する状況が、
事実上放置され続けて来たのでした。
法文上は、住所の分からない重国籍者を
官報に掲載して、法務大臣による
国籍の選択の催告をし、その上で、
戸籍を抹消してしまうことも可能ですが、
そんなことをすれば、大問題になります。
それは、単なる重国籍者だけならともかく、
既に外国籍を離脱し、海外に住み続けている
重国籍者だった日本人もいるのです。
このような方々に、一方的に
日本国籍を剥奪してしまえば、
無国籍者になってしまいます。
そこで、法務省が考え出した奇策が、
重国籍者が宣言した、しないに関わらず、
国籍を選択した者として、日本政府が、
一方的に認めてしまうという策です。
これを「みなし国籍選択者」として、
1984年12月31日以前に重国籍者と
なったと推定される者、すべてに
適用することにしたのでした。
*国籍法及び戸籍法の一部を改正する法律
(昭和59年法律第45号)附則第3条
(国籍の選択に関する経過措置)
この国籍選択宣言には、外国の国籍を
放棄する旨の宣言も含まれています。
ところが、ほとんどの重国籍者は、
重国籍者のまま、何も変わらない状態が、
今現在も続いています。
それはなぜなのでしょうか?(以下、次回)
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