一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

ラムズフェルドの「知恵の泉」

2005-07-08 | ネタ

昔、竹下登が首相のころ「言語明瞭意味不明」と言われた事がありましたが、アメリカのラムズフェルド国防長官も意味不明瞭な発言で有名、という話です。

 ラムズフェルドの「意味不明な名調子」ともいえる発言を集めて詩として読み取った"Pieces of Intelligence: The Existential Poetry of Donald H. Rumsfield"という本があります。
こちらのコラムに抜粋があります。
※また、こちらでは音声で聞けます。

なかなかの名調子が多いのですが、その中で"Evasion Haiku"(「誤魔化しで一句」?)と名付けられたのがこれ

I'm working my way
Over to figuring out
How I won't answer.

 俳句風に意訳すると

鳴かずして
いかにすますや
ほととぎす

というのはどうでしょうか?


 いちばん有名なのは、イラクがアルカイダを支援していることについての確証がないことについての質問に答えたものを題材にした"The Unknown"というフレーズです。
 

As we know,
There are known knowns.
There are things we know we know.
We also know
There are known unknowns
That is to say
We know there are some things
We do not know.
But there are also unknown unknowns,
The ones we don't know we don't know.


あたりまえだが、われわれは、
世の中に知られていると知られていること、
既知のこととして知っているものがあることを知っている。
またわれわれは、
未知のこととして知られているものがあることも知っている。
つまり、われわれは、
世の中にわれわれの知らないことがあることも知っている。
しかしそれは同時に、
世の中には未知であること自体を知られていないもの、
すなわち、
われわれが知らないことすら知らないものがあるということなのだ

「まだ誰も知らない証拠があるかもしれないじゃないか」ということを、ここまで理屈っぽく言えるのはひとつの才能でしょう。

正しいかどうかはさておき、発言内容もよく読むと(皮肉たっぷりですし、肝心なことは何も言っていませんが)理屈は通っています。

しかも、朗読を聞くと[nou]の音が韻を踏んで、催眠効果のようなひびきがあります。

ここまで来ると、たしかに芸術の域に達しているかもしれませんね。


「頭の回転が早くて性格が悪い手強い奴」、という典型的なヒール・キャラですね。
傲岸不遜な態度やルックスもプラスになってます。

政治家だったら人気は出ないでしょうが、「ぼんぼん」キャラのブッシュ・ジュニアを頭にいただく「帝国」の閣僚としては必須の人材ではないかと思います。


小泉内閣でいうと、以前の福田官房長官などは、いい味出していると思いました。
今はときたま不規則発言をする町村外務大臣くらいでしょうが、あまりアクが強いという感じでもないですね。

その分、首相が全部自分で引き受けることになるので、いろんな発言が飛び出してくるのでしょうか・・・

 

Pieces of Intelligence: The Existential Poetry of Donald H. Rumsfield




コメント (2)
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