一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

皇族という存在自体の難しさ

2005-11-04 | 余計なひとこと

三笠宮寛仁さま、女性天皇容認に疑問…会報にエッセー
(2005年11月 3日 (木) 03:00 読売新聞)

「政治問題で口出し出来ないのですが、会報は市販されておらず“身内”の小冊子と理解し『プライヴェート』に語るという体裁を取ります」と断って「女帝問題」を論じられている。

寛仁さまはまず、「万世一系、一二五代の天子様の皇統が貴重な理由は、神話の時代の初代・神武天皇から連綿として一度の例外も無く、『男系』で続いて来ているという厳然たる事実」と強調。〈1〉皇籍離脱した元皇族の皇統復帰〈2〉女性皇族(内親王)に元皇族(男系)から養子を取れるようにし、その方に皇位継承権を与える〈3〉廃絶になった秩父宮や高松宮の祭祀(さいし)を元皇族に継承してもらい、宮家を再興する――などの方法を挙げられている。

「陛下や皇太子様は、御自分達の家系の事ですから御自身で、発言される事はお出来になりません」とし、「国民一人一人が、我が国を形成する『民草』の一員として、二六六五年の歴史と伝統に対しきちんと意見を持ち発言をして戴(いただ)かなければ、いつの日か、『天皇』はいらないという議論に迄(まで)発展するでしょう」

天皇や皇族は憲法上、政治的な権能を有しておらず、有識者会議はその意見聴取をしていない。

いろんな論点がありそうですが、僕の思ったことをランダムに

<皇族が「プライベートに語る」こと>

皇族は皇室典範によって国から経済的にサポートされていて、そのかわりに公務があったりするわけですが、今回のような自分の子供の処遇(または宮家の存続)にかかわることについてまで一切発言しないのも、一人の人間としてはつらいんだろうな、と思います。

しかし一方で、皇族(特に天皇)のプライベートな意見、というものが政治的には影響力を持つことから、一定の自制も必要だと思います。

そういう意味では「象徴天皇」という制度はまだ制度以降に生まれた世代への代替わりの経験がないので、まだ宮家自体も慣れていないのかもしれません。


<主張に冷静さを欠くこと>

これはとても気になったのですが、

「万世一系、一二五代の天子様の皇統が貴重な理由は、神話の時代の初代・神武天皇から連綿として一度の例外も無く、『男系』で続いて来ているという厳然たる事実」

というあたりは、勉強不足の右寄りの人の発言のようで、説得力がありません。
女帝は推古天皇をはじめとして例がありますし、神武天皇まで持ち出すのはさすがにどうかな・・・と。

確かに男系を維持するための方策としては、なるほど、と思うこともありますが、そもそもの前提がこれでは賛同も得られないと思います。

皇室の取り巻きの学友なのか教育係なのかアドバイザーなのか知りませんが、ちょっと取り巻きに思慮の欠ける人がいるような感じがします。


<結局どちらの視点なのか>

一方で自分の親族まで皇位継承者に入れようという提案をしながら「民草」の心得をとく、というのは、ちょっと利益相反風な感じがします。


<不満・あせりの気持ちもわからなくはない>

天皇や皇族は憲法上、政治的な権能を有しておらず、有識者会議はその意見聴取をしていない。

とあるように、自分達の運命が自分以外によって決められてしまうことへの不満・あせりは理解できます。

ただ、それを自分に与えられた役割として受け入れることというのが職責上求められているわけですし、皇族の不用意な発言(たとえそれが事実でなくとも)が天皇を錦の御旗にする一部勢力の伸張に力を貸したという歴史があるわけですから、もう少し婉曲でかつ建設的な言いかたがあったようにも思えます。


敗戦後に昭和天皇が人間宣言をしたわけですが、ここになって初めて皇族の人間としての悩みや意見がクローズアップされたわけです。


皇族の発言が歴史的には常に「君側の奸」に利用されてきた、というリスクを認識した上で、どこまで「公人」としてのしばりをいれるかは、制度設計上もなかなか難しいと思います。

*******************

tamezoさんからのコメントで「女性天皇」と「女系天皇」の違いを指摘いただきましたので追記。

確かに上の2つの違いは不勉強にも知りませんでした。

女系天皇とは「その天皇自身の性別に関わらず、母方から皇室の血統を受け継ぐ天皇を指す言葉」で、「男系」というのは「天皇の父方を遡っていくと天皇にたどり着く」ということだそうです。

となると明治天皇に遡れば「男系」の維持は可能なんですね。その意味で三笠宮さまは「宮家の復興」に言及されていたわけですね。やっとわかりました。

「女性天皇」だけでなく「男系」を維持するかどうかの議論がメインだったのですね。

コメント (2)
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狂言と「アメリカン・プロレス」

2005-11-04 | よしなしごと
元彌 奇跡の勝利で衝撃デビュー

昨日の予想 に反し、勝っちゃいましたねw

実際の試合を観戦したり、ビデオを見たことはないのですが、試合の詳報を見ると
アメリカン・プロレス(格闘技でなくエンターテインメントに特化したプロレス)に近い感じなんですね。
(HGとか「インリン様」が選手として出場してるし・・・)

これはこれでけっこう面白いですね。特にニッチだけどディープなファンがつきそうですね。登場人物次第では僕もファンになるかもw


どうせなら元彌君も「和泉」の名を捨てて「「和泉流」とか「大蔵流」とか「伝統芸能」になってしまう前の、猿楽から発生した狂言の原点に戻る」と大きく出てくれればもっと物議をかもしたかもしれませんね。



PS ふと思ったんですけど、「アメリカン・プロレス」って言っても、もともとプロレスはアメリカが本家だったのでは・・・?
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