一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

おしゃべりなエレベーターの悩み

2005-11-29 | よしなしごと

最近のエレベーターにはいろんなサービスがついています。

中に液晶パネルがあって、時刻や天気予報は当然として、株価や為替速報、Bloombergのニュース速報まで流れていたりします。

また階数案内を日本語と英語でしてくれるのもあれば、中がちょっと混んでいて入るのに躊躇していると「あと2,3人乗れます」などと言ってくれるものまであります。
これは開扉時間と重量から計算するのでしょうが、そこで実際に乗り込むのは1人くらいのことが多いですね。やはり、自分が乗った途端に重量オーバー、というのはいやですから。

そういうおしゃべりなエレベーターに乗ったときのこと、「ドアが閉まります」という日本語のアナウンスの後に

"Doors are closing."

 と英語でアナウンスが流れました。

「へぇ。両開きだから"doors"って複数形なんだ」と妙に納得していたところ、数日後別のビルのエレベーターでは

"Door is closing."

 と言うではありませんか。 一体どちらが正しいんでしょうか?

後者は冠詞がついていないので文法的には正しくないのでしょうが、自分のドアが閉まることを言うエレベーターのセリフとしては 

"A door is closing." というのもちょっと間が抜けてるし

"The door is closing." というのもよそよそしいし 

"This door is closing." というのでは、どこかに隠し扉があるのか?と疑われてしまいそう

なので、なかなか難しいところです。

最初のエレベーターはこの辺を悩んだから複数形にしたのでしょうか?

正しい英語はなんだろう、と謎は深まるばかり。
留学帰りの連中も見解が分かれてます。


で、ひとつの仮説を立てて見ました。

アメリカではそもそもエレベーターがしゃべったりしないので、それを前提とした適切な冠詞や指示代名詞の用法なんてものはなく、これは日本のエレベーター特有の悩みなのではないか


過剰な能力を持ってしまった鉄腕アトムの悩み(古!)とちょっと共通するところがあるかもしれません。
そうだとするとエレベーター業界のお茶の水博士も罪作りなことをするものです。

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「砂と霧の家」

2005-11-29 | キネマ
原作の小説もアメリカでベストセラーだった、という謳い文句と、ジェニファー・コネリーとベン・キングスレーの競演ということで、「砂と霧の家」を借りました。


ジェニファー・コネリーは父親から相続した家に住んでいるものの、税金の滞納から家を競売にかけられてしまいます。
その家を、ベン・キングスレーが落札します。彼は一方でイラクで裕福な生活をしていたものの革命で亡命を余儀なくされ、アメリカに渡ってからも残った資産で表向きは贅沢なホテル暮らしをしながら肉体労働の掛け持ちで生活を支えています。彼はこの家でホテル住まいですさんだ家族の絆を取り戻すと共に、転売する事で利益を得ようとします。
ところが、競売手続きにミスがあったことが判明します。しかし一度競落された物件は飼い主の合意がないと返してもらえないので、ジェニファーはベンに掛け合いますが、ベンはうんと言おうとしません。

そこで、この家を巡る2人の争いが始まり、悲劇的な結末を迎えてしまう、という話です。


確かに2人の演技はうまいです。
脚本も良く出来ています。
おまけに「24」シーズン4のテロリストの首領の妻と息子の役をした俳優がそのままベン・キングスレーの妻と息子役という内輪受けのネタまであります。

なので、なかなか見ごたえのある映画です。

でも、amazonのレビューを見ると「悪い人はどこにもいないのに皆不幸になってしまう」というようなことを書かれている人がいましたが、どう考えてもジェニファー・コネリー役の女が悪いと思います。

父親から相続した唯一の自分のよりどころとなる家にこだわる気持ちはわからなくもないけど、ベン・キングスレー役の男は別に何も悪い事はしていないのですから、そんなにしつこくからむ必要はないわけです。

しかも、ジェニファーはデキてしまった副保安官の暴走をある意味ずるく利用して、それが悲劇の原因になるわけです。

それに比べてベン・キングスレー役の男は頑固ですが立派です。
決してこんな目に遭う必要はないわけです。


なんか「家を取り上げられた無職の白人と人種的偏見を持つ田舎の副保安官が、家を取返そうとして、真面目に働く移民に因縁をつけて寄ってたかってひどい目にあわせている」という感じがしてしまいました。

それだけ、ベン・キングスレーの演技が上手い、という事かもしれません。







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