一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『タンパク質の一生』

2008-09-11 | 乱読日記
普段は読まないジャンルですが、どこかの書評を見て衝動買いしたもの

人間の細胞のさまざまな物質の発生・成長から物質の運搬、また毀損した物質の修復から分解までに働くタンパク質の機能をわかりやすく解説しています。

最初は高校の生物や科学のおさらいのような感じで細胞の中の各物質のやくわりとタンパク質についての基本からはいっていて、高校の化学で挫折した僕のような人間でも全編わかりやすく書いてあります。

印象に残ったのは、タンパク質の合成から分解などのプロセスにおいて「アバウトに作って、慎重にチェックする」というしくみが共通していること。
合成(製造)過程では多少の品質の不具合は無視して作ることに専念するが、それが機能しようというときには、二重三重のメカニズムでチェックされて、正しいタンパク質しか使われません。
使われなかったり役目を終えたタンパク質は分解されアミノ酸プールとして再利用されるので、無駄もありません。

鳥井信治郎の「やってみなはれ」とか新規事業への取り組みなどとも共通点があるかと、すぐ下世話な話を思い出してしまうのが僕の悪いところですが・・・


最後に豆知識。
最近コラーゲン入り健康食品が流行ですが、それらは消化器官を通じてアミノ酸へと分解された後に栄養素として再利用されるのでコラーゲンのまま吸収されることはありえない。
原料となるアミノ酸を増やす効果はあるかもしれないがそれらを取ったからと言ってコラーゲン繊維の合成が当然に増えるというわけではないそうです。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする