一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ミルク』

2010-01-19 | キネマ
アメリカでゲイであることを公表して初めて政治の公職についたハーヴェイ・ミルク氏の実話を映画化したもの。


主演のショーン・ペンが熱演。ゲイらしい仕草を下品にならずに徹底的に演じています。派手な身振りは分かりやすいのですが、小さな身のこなしまで、相当約作りに時間をかけたのではないかと思います。
市議会の議事堂の階段を登る歩き方などは見事です。

シナリオもきちんとしていて、単なるヒーローとして取り上げるのでなく、ミルクの政治家としての駆け引きの上手さや、私生活での「男性」問題などにもふれながら、主人公を魅力ある人物に描いています。


サンフランシスコの市制委員(市議会議員のようなもののようです)に当選したのが1977年(最初の立候補が1973年)ですから、アメリカでもゲイが市民権を得たのは比較的最近なんですね。
当時、「家族を守る」ことを主張するキリスト教原理主義的な一派が各州のゲイ差別禁止条例を廃案にしようとマスコミなどを通じて強烈なキャンペーンを行い、それに立ち向かうミルクたちゲイの運動家との攻防がクライマックスになるのですが、アメリカでは周期的にキリスト教を名乗る排他的な価値観を持つ集団の運動が起きるようですね。
(この条例案は、カリフォルニア州では、元州知事だったロナルド・レーガンも反対だという場面がありましたが、ロナルド・レーガンの政治的ポジションってそんな感じだったんでしょうか。それとも、法案自体が一般市民にも相当過激と思われていたのでしょうか。)



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