一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

非行でなく愚行であることが問題

2006-07-15 | 余計なひとこと

熊谷農高で爆発、5人やけど コールドスプレーに着火か
(2006年 7月14日 (金) 20:03 朝日新聞)

14日午前10時40分ごろ、埼玉県熊谷市大原3丁目の県立熊谷農業高校のバスケットボール部の部室で爆発があり、16歳の2年生の男子生徒5人が病院に運ばれ、入院した。いずれも顔や腕にやけどを負い重傷。生徒は「暑かったので、室内でコールドスプレーをまいた」と話しているという。(中略)

熊谷署の調べでは、生徒が、筋肉痛などに使うコールドスプレー6本を部室内でまいた後、一人がたばこを吸うためライターで火をつけたところ、爆発したらしい。

同高によると、当時は進路指導の待ち時間で、5人はバスケットボール部員ではなかったという。爆発後、学校から「理科の実験中にガスボンベが爆発した」と119番通報があったという。

つっこみどころは下線部のあたりなのですが、部室でタバコを吸っているとか、学校の事なかれ主義(または事実確認のいいかげんさ)はさておき、物理・化学の基礎的な知識の習熟が期待されるであろう農業高校の生徒が、コールドスプレーがなぜ冷たく感じるか(=気化熱)すら知らないというところがとても心配です。

これがタバコを吸わずに引火しない代わりに肺に吸い込んで、集団で倒れたりしたら「テロか!」などともっと大騒ぎになったかもしれませんね。


学校も生活指導の前に、基礎教育をきちんとやる必要がありますね。
逆に生徒も学校の勉強も少しは役に立つどころか、基礎的なことを知らないと命にかかわるということが身にしみたことと思います。



ひょっとすると世の中にはコールドスプレーを部屋に撒いている人が結構いるのかもしれませんから、メーカーは早速スプレー缶に注意書きを印刷しないと訴えられる可能性があるかもしれませんw(←笑い事ではないか)

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フランスは自らのツケを払っただけなのではないか

2006-07-14 | よしなしごと

今朝(13日)各テレビ局で(NHKですら)ジダンの記者会見を取り上げていました。

会見の内容はフランス在住の猫屋さんのblogをご参照ください。
そこでBBCが読唇術の専門家を使って分析した、という話があり、BBC Newsを見たところ、ジダンの記者会見の記事の中に以下の囲み記事がありました。

WHAT WAS SAID?
BBC Radio Five Live asked a deaf lip reader to read Materazzi's words phonetically to an Italian translator: She deciphered the insult as being "you're the son of a terrorist whore"
-----------------------
The BBC's Ten O'Clock News called in experts to study the television footage who said: Materazzi told Zidane to "calm down" before accusing him of being a "liar" and wished "an ugly death to you and your family". This was followed by "Go f*** yourself"

(この2つを、それぞれいつ言ったのかはわかりませんが、後者は下品ではありますが差別的ではないようにも思いますけどねぇ)

確かに移民2世としてマルセイユで生まれ育ったジダンは、昔から人種(移民)差別に曝されていて、非常にセンシティブになっている、ということはあると思います。


でもそもそもジダンをそういう風にしたのは、フランス人自身ではないでしょうか。


コップを溢れさせた最後の一滴がマテラッティの言葉だとしても、だからといって責任をすべて彼に押し付けたり、「イタリア人は汚い」(これも差別じゃないのかな?)というのはおかしいと思います。

結局フランス人は、自分たちが移民を差別してきた歴史のツケを、ワールドカップの決勝でのエースの退場とそれをきっかけとする敗退という形で払っただけではないでしょうか。


確かにジダン個人に対しては共感すべき部分もあると思います。
本人は退場(による非難)のリスクをとったわけですから。

しかし、もしこれを「差別問題」とするのであれば、国際問題でもサッカー界の問題でもなく、一義的にはフランス国内の問題なんじゃないかと思えてきました。




PS
これはジダンだからここまでの問題になったので、たとえばイランの選手がイスラム教を侮辱されたりテロリスト呼ばわりされて暴力を振るったら、欧州のマスコミは「やっぱりなぁ」なんて論調になってたのではないかなどと思います。

また、日本選手も実はプレイ中にけっこうひどいことを言われてたんだけど、中田以外は言葉がわからなかっただけだったりして・・・



******************
(TBさせていただいたところへのコメントをしながら考えた事を追記)

マテラッティの発言の差別性を強調してジダン(またはフランス)の正統性を強調するというのは、構造的には(フランスが批判した)ブッシュ政権のイラクに対する大量破壊兵器疑惑を理由とした武力行使のロジックに似ているようにも思えます。

または、ジダンが被害者であることを強調するスタンスは、靖国問題(≒「日本も戦争被害者」というロジック)と通じるものもあるような・・・

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ちょっとショックな話

2006-07-13 | よしなしごと

マイクロソフト、ウィンドウズ98のサポート打ち切り
(2006年 7月12日 (水) 22:35 朝日新聞)  

米マイクロソフト(MS)は11日(日本時間12日)、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ98」と「ウィンドウズMe」について、インターネットを通じて無償で提供してきたウイルス対策などの製品サポートを打ち切った。「発売当時とはインターネット環境が大きく変わり、機能的に安全を十分に担保できなくなったため」(MS日本法人広報)という。  

「98」は98年6月、「Me」は00年12月の発売。当初設定のサポート期間を終えた後も延長していた。MSは現在の「98」と「Me」のユーザー数を公表していないが、「全ウィンドウズユーザーの大半は次世代OSに移行している」という。  

現在販売されている家庭向けの「XP」も、来年初めに次世代の「ビスタ」が発売されるのにあわせ、09年初めにサポートを終える予定だ。

実は私はまだWindows98のデスクトップPCを使ってるのでちょっとショックです。
xpのノートPCもあるのですが、キーボードの使いやすさはやはりデスクトップが勝るので、今でもよく使ってます(このエントリ作成にも使ってます)。

メモリーの負荷を減らすために常駐ソフトの削除とか設定変更をしていたらフォントが一部飛んでしまって、たまに文字化けしたり、というおちゃめなところもあるのですが、かえって愛着がわいています。

サポートがなくなっても、今や既にウイルスにも見放された感のあるWindows98ですし、メールソフトはoutlookを使ってないし、さらにブラウザもIEを使わなければウイルスソフトでそこそこ大丈夫でしょうから、まだ暫くは細々と使っていこうと思います。


PCの前に自転車を買わなくちゃいけないし・・・

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手を出したもの負け

2006-07-13 | まつりごと

ジダンの頭突き問題は依然として盛り上がっているようて、FIFAの事情聴取や国内の同情論(こちら参照、マテラッティの過去のファウルの映像は見ものではあります)もあります。

しかし、侮辱行為があったとしても、それが文化的無理解(過失)によるものか故意によるものかはわかりませんし、結局は客観的な部分で判断するしかなく、「手(頭)を出した方が負け」なわけです。

たとえば将来タイがWCに出場してその中に僧侶の選手がいた場合、ペナルティで倒した相手に擬似的な信頼の情を示すために頭を撫でたりする行為は、仏教国タイにおいては大いなる侮辱になるわけですが、国別・文化別・宗教別に「この人にこうしたらファウル」というのでは試合の進行ができなくなってしまいます。


一方で日本では北朝鮮のミサイル発射問題に関連しての敵地先制攻撃が議論になっています。


 「先制でない」と反論 安倍氏、敵基地攻撃能力で
(2006年 7月12日 (水) 19:09 共同通信)

安倍晋三官房長官は12日午後の記者会見で、北朝鮮のミサイル発射を受けた敵基地攻撃能力保有の検討に対し、韓国などが反発していることについて「先制攻撃論に立って議論しているかのような批判があるが全く当たらない。何もない空中を棒でたたいているような感じを受ける」と強く反論した。

安倍氏は敵基地攻撃について「他の手段がない場合に限り、ミサイルなどの基地をたたくことは自衛権の範囲に含まれる」と従来の政府見解を説明。敵基地攻撃が許されるのは「(日本に対する武力)攻撃がなされた場合を条件としている」とし、「現実問題として(敵ミサイルが)着弾し、被害発生後の可能性が高くなる」と指摘した。

その上で「日米が共同対処していく上で攻撃能力を持つべきかどうか常に研究する必要はある」と重ねて強調した。

何を持って「日本に対する武力攻撃」「他の手段がない」とするのか、という判断は難しいとんじゃないでしょうか。
また、軍事問題の戦術的なものはわかりませんが、素人考えでは、敵基地攻撃というのも航空機で空爆しにいくというのは第三国の領空を通過しないで可能かとか即応性があるのか、じゃあ攻撃型空母や弾道ミサイルを持つというのは国際世論上も(そもそも憲法上も)無理だろうと思うので、どこまで現実的なのかとも思います。

また、国際ルール上は「先に手を出した方が悪い」ですから、先制攻撃というのもないと思います。
アメリカですら一応「予防的先制攻撃」なる理論を主張し国際世論を味方につける手続きを形なりには踏もうとしてました(もっともLe Mondeに「それじゃ真珠湾攻撃と同じ」と揶揄されたそうですが(こちら参照))
なので、たとえば北朝鮮(なり他国)が核弾頭を積んだ弾道ミサイルを日本に向けて発射するとういう確証があるとしても、先制攻撃は、国際世論を無視してのそれこそ退場覚悟の行為になるわけです(イスラエルはそうやって年中戦争してますね)。
そして、大概において退場覚悟の行為はその時点の自己評価は「英雄的行為」でも周囲や歴史的評価は「愚行」というものがほとんどなのではないでしょうか。

また反撃としての対基地攻撃にしても、国際世論を味方につけなければ得策ではないと思います(逆にミサイルを打ち込まれても我慢していろとまでは言われないと思いますし)。


となると、結局、国際世論をどう味方につけるかが大事なわけですから、せっかく北朝鮮が自ら悪者になっている中で、安全保障上の懸念を強く示す意味があるとしても「対基地攻撃」発言は逆効果のように思います。

作戦計画だけ内部で用意しておけばいいと思うんですけどね(計画を立てると実行したくなっちゃうという統制のレベルだとしたらそっちのほうが問題w)

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日本的な紛争解決の変質に関する一考察

2006-07-12 | ネタ

紛争を処理する裁判制度の中には、「調停」という当事者の合意によって紛争解決をめざすための制度があります。
また訴訟(という本来裁判所が白黒つける制度)の中でも裁判所から当事者の和解を勧告されることがよくあります。

双方ともホンネでは自分の主張に100%は理がない(争いになるくらいですからそういうことは多い)と思っていて、しかも要求のずれもあまり大きくない事案では、議論の中で双方が要求ラインを譲歩して、まあこれくらいで仕方がないかな、という線で和解するわけです。


これはわが国の「和を以って尊しとなす」伝統なのか、訴訟による弁護士費用や時間のロスを考えた経済合理的な判断なのか(アメリカの和解はこれが多いですね)、裁判所が事件処理の迅速化の要求のもとに判決に至る前に和解を積極的に勧告するためなのか、いろんな要因があると思いますが、日本の司法制度のひとつの特徴かもしれません(諸外国と数字で比較した訳でないので無責任なコメントです)


ところが、そういう線が見えてきて迎えた裁判期日に、こちらは和解を成立させようと思って出かけたところ、相手がいきなり「こんなんじゃ合意できない、判決をもらうまで争う!」と気が変わってしまうこともたまにあります(オーナー企業とか個人に多いですね)

これは司法による解決(「訴えてやる!」)がより一般的になり(これは司法改革による弁護士の増員による競争激化も影響すると思います)、その結果、司法への期待と現実のギャップを消化できないまま司法手続きに訴える人が増えるにつれ、増えてくるかもくるかもしれません。

そうすると、上のような翻意も頻繁に起こるようになるかもしれません



そこで、



今後は上のような土壇場での予想外のアクションを




示談(ジダン)の頭突き




と名づけたらいいのではないか、とふと思ったりしました。

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自発的な戦争とか「男の子の国」の崩壊とか

2006-07-11 | 乱読日記

決勝戦観戦の寝不足もあり、所用にかこつけ早めに退社した帰りに、昨日の『紅一点論』での、「男の子の国のチームが、『寄らば大樹の陰』的な体質」をもつという指摘でふと思い出した漫画を購入。

思い出したのはこのシーン

 
原作:矢作俊彦 作画:大友克洋による『気分はもう戦争』

もう20年以上も前に立ち読みしただけなので、この決め台詞のところしか覚えておらず、また、当時は大友克洋がストーリーも書いていると思ってました。 

矢作俊彦は一部では非常に人気の高い作家のようですが、私はNAVIに連載していた頃の『スズキさんの休息と遍歴』くらいでしか触れることがなく、全共闘世代の人だなぁ、という印象しか持っていませんでした。
ただ、この作品は全共闘色はなく(主人公が昭和30年生まれという設定なので、あえてそうしたのでしょうか)僕がずっと大友克洋の単独作品だと思いこんでいたわけです。

この話は「正義の戦い」どころか好きで戦争に行くというアナーキーな話を、ディテールへのこだわりとスピード感のあるストーリー展開でが読ませる作品で、大友克洋の細密かつ表情豊かな絵がそれに迫力を加えています。

当時(1983年)の日本は冷戦+日米安保体制の下でかえって国際情勢が安定していて、日本も居場所がはっきりしていて、テロやテポドンの危険も現実化していなかったわけで、かなりインパクトがありました。
それが20年以上経っても刊行されつづけている(56刷!)所以でしょう。


******************


そんな昔の話を思い出していたら、もっと昔に遡ると、民間人が自発的に戦争を仕掛けているというハチャメチャな話があったことに気づきました。

本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』 です。

最後のほうでは主人公が子分を集めて原油をめぐってアメリカの財閥と戦争をしてしまいます(民間機に爆弾を積んで手落としで空爆するとかw)。

何の後ろ盾もない民間人の戦争、しかも相手はアメリカ得意の「正義を実現するために武力行使をする謎の財団」とくれば、斎藤美菜子の仮説への有力な例外といえるか・・・?と思ったのですが、

Wikipediaによると

本宮自身は既にストーリーを出し切ってかなり早い段階で終わらせようとしていたのだが、当時人気絶頂だったためジャンプ編集部に終わらせることを許されず、無理矢理続きを描かされていたという(原稿の最後に「完」と書いたのに、当時の担当編集者だった西村繁男が勝手に修正液をかけてその部分を消した、といったこともあったとか)。
そのため、1995年に出た文庫版(注:上のリンク先です)では本宮の「読み返す気になれない」と言う意向で後半は収録されることはなかった。

ということは、作者が意図して書いたというよりはやけくそだったというところが実際なのかもしれません。そうなると、斎藤説への反証としてはちょっと弱いかな・・・
(カットされた部分の細かいあらすじについてはこちらを参照。なかなか壮絶です。)


ところで、本宮ひろ志は、その後『俺の空』『サラリーマン金太郎』とヒット作を飛ばします。
しかし僕は『俺の空』の最初の頃を(その当時としては)きわどいシーン目当てに読んでいたのですが、それでも段々ストーリーがワンパターン(いつも、主人公は勝手なことをするものの、主人公自身が大財閥の一族だったり、「お前の男気にほれた」と有力なスポンサーが現れたりして、結局やりたい放題、結果オーライのハッピーエンドになる)に飽きてしまいました。
 (『サラリーマン金太郎』も似たような展開なんでしょうか)

しかしこのような男の成功パターンは、今度は逆に、斎藤美菜子の言う「現代のシンデレラ文化の国=女の子の国」」(=王子様に見初められてハッピーエンド)と同じ構造なんですよね。
結局、本宮ひろ志も斎藤美奈子の網から逃れられなかったということでしょうかw

※余談ですが、少女漫画家であった現本宮夫人が本宮ひろ志のアシスタントとして参加するのがちょうどこの頃であることを考えると、彼女は「女の子の顔を書く」以上の貢献をしたのかもしれませんね。

------------------------

ただ、上の後期本宮マンガの主人公のように、スポンサー(とか権力者の寵愛)を獲得することはビジネスの世界でもひとつのノウハウなわけです(「爺殺し」なる言葉もあるくらいで)。

特に年功序列の時代(「ゴマすり」などの比較的低レベルのノウハウが通じた?)と違い、成果主義の現在のビジネスシーンにおいては、自分のすることが常に他人から評価されることは重要になってい(ると言われて)ます。
そして、雑誌やビジネス本などで書かれている「ウケるプレゼン」とは「可愛く見えるしぐさ」と同じノウハウを違う側面から表現したものにほかなりませんよね。


とすると、バブル崩壊は日本の「男の子の国=モモタロウの国」(=斎藤美奈子曰く、男の子が無邪気に敵と戦う世界)文化をも崩壊させ、「女の子の国=シンデレラの国を流布させた、といえるかもしれません。

で、そのときの「男の子」の役は、お金持ちで鬼退治の大好きな海の向こうの某国が引き受けた、ということか・・・



・・・マンガをめぐる昔話だったはずが、話がとっ散らかってしまいました。

収拾がつかなくなってしまいましたので、今日はこの辺で。


**********************


PS 『気分は・・・』を買いに行った本屋で見かけて一緒に買ったのが吾妻ひでお『失踪日記』の続編の『うつうつひでお日記』
これは今日は読まずにとっておきます^^


※『失踪日記』については以前のエントリで取り上げてますので興味のある方はごらんください。
吾妻ひでお『失踪日記』(前編) または宮澤賢治「眼にて云ふ」
吾妻ひでお『失踪日記』(後編)




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イタリア優勝

2006-07-10 | よしなしごと
PK戦になった瞬間に1994年アメリカ大会でのR.バッジョの失敗を思い出したのですが(アナウンサーも言ってました)、5人きちんと決めました。

最初怪しいPKでフランスが先制したときは、このまま守りを固めて1-0のつまらない試合になるのかなと思ったのですが、さすがピルロというドンピシャのCKで同点にして、面白い展開になりました。

フランスはリベリとマルーダがホントによく動いてましたが、イタリアの固いディフェンス(特にカンナバーロ!)を崩せず、イタリアもCK時のマークが甘いうちに追加点を採る事が出来ませんでした。

後半の最後から延長戦にかけては、双方疲労で沈滞した展開。特にフランスはジダン、アンリとも動きがとまってました。

戦術的には動けなくなった時点でジダンを交代させたほうが良かったのかもしれませんが、監督もできなかったんでしょうね。

ジダンは現役最後が赤紙、というのも歴史に残るかもしれません。

疲労で動けなくなった苛立ちもあったでしょうし、その前の決定的なヘディング・シュートがGKの正面に行ったのがよほど悔しかったのか、精神的に余裕がなくなってたんでしょう。そこにマテラッティに何か言われたのでしょうけど、頭突きは軽率でしたね。


結局決勝トーナメントはほぼ皆勤でしたが、見ごたえのある大会だったと思います。



イタリアも優勝は24年ぶりということですので、日本も焦らずに強化するしかないですね。
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斎藤美奈子『紅一点論』または地球防衛における公的資金の投入について

2006-07-09 | 乱読日記

斎藤美奈子お得意の鋭い切り口を綿密なリサーチを背景に軽快な語り口で一刀両断する本です。

今回は、アニメ・特撮ものはすべて「紅一点」つまり女性のヒロインが1人しかいないというところをきっかけに、少年アニメ・少女アニメに共通する構造に迫ります。

斎藤美奈子作品は、『妊娠小説』『実録 男性誌探訪』などとフェミニズム風な切り口が多いのですが、私自身は彼女の持ち味はその語り口にあり、世の中の一見気づかない固定化された価値観を脱構築するプロセスが読み物としてとても面白く、男性にも楽しめると思います。(そういえば上の2冊はblogはじめる前に読んだのでエントリにはしてないですね) ※未読ですが、話題になった『文章読本さん江』も読んでみたいです。

さて、本書はアニメなどにおける「紅一点」を明らかにした後で、紅一点のヒロイン=「一人だけ選ばれて男性社会の仲間に入れてもらえた特別な女性」について、どこが特別なのか、誰に選ばれたのか、ひいては子供向けの物語世界にも男社会・女社会があるのか、という風に議論を展開していきます。

そこから先は私が説明するよりも作者の語り口を楽しんでいただければと思います。

ではなぜとりあげたのかというと、少年向けアニメを分析した以下のくだり

・・・隊長などと呼ばれるチームのリーダー(『ウルトラマン』におけるムラマツキャップ、『ウルトラセブン』ならキリヤマ隊長)はたかだか分隊長にすぎず、上には必ず参謀だの司令官だのと呼ばれる偉いさんがひかえている。われらがチームは、巨大な参謀機構の末端組織にすぎないのだ。
 人類を危機から救うという使命を負っているのだから当たり前だと思うかもしれないが、ヒーローのチームがヒモつき=親方日の丸(親方国連旗か)でなければならない理由はない。イギリスのテレビシリーズ『サンダーバード』の国際救助隊は、金持ち一家による完全な自主独立の組織である。また、映画『スター・ウォーズ』におけるルーク・スカイウォーカー以下のチームも、自発的な(しかも非均質な)集団だった。公的な組織だけあって、最先端の設備を備えた立派な作戦本部を有しているのは強みだが、われらが男の子の国のチームが、『寄らば大樹の陰』的な体質であることは注目に値しよう。

言われてみると確かにそうですね。
他にも『チャーリーズ・エンジェル』のチャーリーとか『ミッション・インポシブル』、TVでは『特攻野郎Aチーム』、アニメでも『Mr.インクレディブル』、ひいては『チーム★アメリカ/ワールドポリス』まで、組織の母体は正体不明ですよね。『スーパーマン』に到っては完全なボランティアです。
「親方日の丸」なのはイギリス製の007くらいですね。

一方で日本は確かに官営が多い。時代劇でも『水戸黄門』『遠山の金さん』『暴れん坊将軍』、正義の味方はけっこう官製のものが多いですね。
アニメでも『ガンダム』も組織の一員だし。
例外は『鞍馬天狗』と『月光仮面』くらいでしょうかw。


これは、特に第二次世界大戦後の慈善事業的なものを公的セクターが支えてきた日本と、ロックフェラー財団やフォード財団などの私的財団が援助をしてきた風土の違いなのかもしれません。

NPOの活動についても、日本のNPOは7割が介護関係で、活動費を国の補助金に依存している(逆に補助金が出ないところではNPOも成り立たない?)のに対し、欧米では、活動資金は慈善財団からの寄付によるところが多いそうです。
(このへんの「ボランティア」やNPOをめぐる問題にも国の特性があるのかもしれませんが、それは考えがまとまったら後日)


確かに地球や国が侵略されてしまったら困るわけで、「地球防衛」とか「愛国心」というものは公的な義務とされなくても自発的な行動として発露してもいいわけです。

何が正しい、というわけではないのでしょうが、教育基本法での愛国心を規定する動きとか(法的義務にするようじゃ世も末だと思うのですが)、学校での日の丸・君が代の強制とそれへの反対とか(これは意固地反対する人もどうかと思います)をみると、依然として日本は公的セクターの権威があるしそれに過度といえるくらいに(右も左も)依存/拘っているように思います。

たまにはこういう本でも読んで、頭を柔らかくしたほうがいいと思います。

紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像




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3位決定戦

2006-07-09 | よしなしごと
ドイツはバラックなど主力が故障でベンチ、GKもカーンに有終の美を飾らせる演出をしたうえでもシュヴァインシュタイガーら若手の活躍やカーンの好セーブできっちりと勝利しました。

ポルトガルも(止められはしたものの)C.ロナウドの35mのFKや途中出場のフィーゴが最後に絶妙のクロスで1点返したあたりで見せ場を作りましたが、ミドルシュートの多いドイツへに対するDFの寄せがイタリアほど早くなかったところが失点につながってしまいました。


ドイツのサポーターは決勝進出はのがしたものの満足しているのではないでしょうか。

特に次の大会につながる若手がいっぱいいるのは日本人としては羨ましい限りです。

FWのポドルスキーが21歳、快足オドンコルは22歳
この試合大活躍のMFシュヴァインシュタイガーが21歳
運動量豊富なDFラームが22歳

このへんが先発や交代要員で経験を積んでいるわけですから。


うーん、こうやって見ると「〇〇ジャパン」などと言って代表監督の手腕に期待する以前に、選手層を厚くする対策をとる必要がありますね。
次回南ア大会なら今の高校生、次々回(どこ?)なら中学生レベルですから、決勝リーグ進出でも10年がかりくらいで考えた方がいかもしれません。


PS VIP席にF1のミハエル・シューマッハが来ていたのですが、シートに"RECARO"のロゴが入ってたのには笑えました。
「ゴットリーフ・ダイムラー・スタジアム」だからレカロもスポンサーにはいってるんでしょうか。
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カプサイシン効果

2006-07-08 | よしなしごと

たまにこのブログがどういうキーワードで検索されているかを見ると、結構妙なキーワードで検索する人がいることに気づきます。

そして、そういう妙なキーワードにひっかかってしまうこのブログというのも、なかなか素直に喜べないものがあります。

昨日は

 「動物の性行為動画」

なるキーワードが出現。
こんなのでヒットするのかと自分で試してみたら、Yahooだとなんと16番目に出てきてしまいました。

おそらくこのエントリがヒットしたのだと思いますが・・・(真面目な話なんだけどなぁ)


あとは、以前山拓ネタを書いたために「愛人」とか「変態」などというのにも引っかかってしまう事がありますね。


そして2,3週間に1回くらいの頻度で登場するのが

「肛門 痒み」

このエントリがヒットしたのだと思います(テーマは「痛み」なんですけどね)。
でも、試してみても相当下位にあたるようで、なかなか見つかりません。
そんなところまで検索でチェックしているというあたりが、ご本人の悩みの深さをうかがわせます。
それに、似たような悩みをお持ちの方も多いということなんでしょう。



さて、そういうお悩みの方に朗報を見つけました。

医学都市伝説さんによると、肛門の痒みにはトウガラシに含まれる辛味成分のカプサイシンが有効なようです。
出典は、3年前英国胃腸病学協会雑誌"Gut"に寄せられた論文とのことで、きちんとした医学的な根拠があるようです。

[方法]まず5人の患者に対して事前治療を行い、カプサイシンの主効果と副作用を勘案した適正濃度を決定した。その上で二重盲検手法を用いた主治験を行った。44例の患者をランダムに二群にわけ、半数には0.006%のカプサイシンクリームを患部に塗布し、半数には1%のメンソールクリームをプラセボとして使用した。(中略)

[結果]44例中31例にカプサイシン使用時に自覚症状の軽快が見られ、メンソールには反応しなかった。カプサイシンに反応しなかった例に、メンソールによる軽快は見られなかった。(中略)平均10.9ヶ月の事後経過観察期間において、29例は症状軽快を維持するために、ほぼ連日のカプサイシン使用を必要とした。

[結論]カプサイシン局所療法は新しく、安全できわめて効果的な重症難治性肛門掻痒症への治療である。

ご本人は

オチとしては、外用療法が効くのなら、はじめからトウガラシを食ったらどうよ、という疑問を用意していたのだが、これはかなりの人柱を用意して適正摂取量を決定しないと、あんまり無責任なことは言えないと思うので、ひとまず封印することに。

とおっしゃってます。


ご指摘の通り、私がよく経験するのが、焼肉(と一緒に大量のキムチ)を食べた翌朝の排便時に肛門付近にピリッとした刺激を感じることです。
これに外用(カプサイシンクリームの塗布)と同様の効果があるということでしょうか。

(ご経験のある方はお分かりでしょうが)たしかに痒いなんて言っている場合じゃない、という状態ではあります。

日頃の不摂生もたまには役に立つ、ということでしょうか。


私は一切責任を持ちませんが、試してみたい方はどうぞ^^


PS このエントリを書いたために、更に検索エンジンにかかりやすくなってしまったわけですが、まあ、深くは考えない事にします。
いっそのこと、カルトなブログを目指しますかw

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オヤジギャグの本質

2006-07-07 | 自分のこと

オヤジギャグが「オヤジ」ギャグたる所以は、ギャグのつまらなさ・くだらなさにあるのではなく(つまらないギャグなら若者でも言います)、

「つまらない・絶対ウケないギャグであることを承知しながらも、それを言わないではいられない」

というこらえ性のなさにあると思います。


**************


さて今日は七夕です。



分別ある大人である私としては、



間違っても




「タナボタ」




とか


「織姫と目こぼし」






などという愚にもつかないことは言うまい、と心に固く誓う次第であります。

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若田部昌澄『改革の経済学』

2006-07-06 | 乱読日記

日常ではもっぱら不経済を実践している身としては経済理論となるとはなはだ苦手なのですが、本書はとてもわかりやすい本でした。

筆者はいわゆるリフレ派(デフレを止め、デフレ以前の物価水準に復帰する政策,

もともと本書はリフレ派のbewaadさんご推奨だった(と思います))の若手経済学者(私と同世代なのでもはや中堅ですね^^;)で、デフレから回復基調にある日本経済(本書発行は2005年11月)を成長軌道に乗せるための経済政策について論じた本です。

著者の専攻は経済学史で、現在対立している経済論争をそれぞれの学説の成立した時代背景まで遡ってわかりやすく説明してくれているとともに、著者も共同研究に参加した昭和恐慌の研究からの教訓や、大恐慌におけるFRBの失敗の分析、そして、最近の日本のデフレについてアメリカの経済学者がどのように分析し、何を教訓にしているかなどの事例が豊富に取り上げられています。
※FRBのバーナンキ議長は、大恐慌研究の第一人者であり日本のデフレにも詳しい経済学者として有名だと初めて知りました(本書執筆当時はまだFRB理事)。

ゼロ金利解除が話題に上っている昨今ですが、本書で指摘されている

名目短期金利がゼロだからといってその他の金融政策や財政政策が全て無効になるわけではない(経済政策は複合的なものだ)

出口として「脱デフレ」という明確な目標設定が大事(「ゼロ金利解除」など政策手段をとることを目的にすると道を誤る)

というあたりの指摘は至極最もっともだと思いますので、今後の報道や解説などを見るときに参考にしたいと思います。


PS
作者の語り口は経済学への愛情に溢れ、時には熱く、時には辛辣で読んでいて飽きません。
またスパイスの効いた注釈(著者が楽しんで書いている姿が目に浮かぶようです)を読むだけでも十分に楽しめます。






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こういうときにこういうことを言うのもどうかとは思うのですが

2006-07-05 | 余計なひとこと
朝のエントリが尻切れトンボになってしまいましたが、サッカーの方はミサイル情報に枠取り(選挙の開票速報のように)されながらも緊迫した好ゲームが最後まで続きました。

最後のチャンスと思われたPKでドイツ守備陣の一瞬の隙をついてイタリアの足技が冴えましたね。
ピルロのパスも見事でしたが、ブッフォンも一瞬フリーだったとはいえダイレクトで狭いところをしかもカーブをかけた美しいシュートでした(レーマンの精一杯のジャンが美しさに花を添えました)。


両チームとも運動量が豊富で、多彩な攻撃と固い(積極的な)ディフェンスで攻守の切り替えの早いとても面白い試合でした。

でもボドルスキーは眠れなかっただろうな・・・



さて、ミサイル問題ですが、日本としては(万景峰号はさておき)2国間での経済制裁とか6カ国協議や国連安保理などの枠組みを通して厳しくとがめだてすることになると思います。

これがイスラエルだったら、いきなり発射基地を空爆するところでしょうが、日本としては(というかまともな国は)そういうことはすべきでないと思います。

一方で、最近憲法(特に9条)改正が議論されているようですが(あまり詳しくフォローしてません)、これを機会にそれぞれの改正案(というのがあるんでしたっげ?まだないのかな?)だとしたら何が出来るのか、これが日本領土内に落下した場合にはどうなるのか、という思考実験をしてみるのもいいのではないかと思います。

憲法を変えることで何が出来るのか、じゃあそれは現行憲法ではできないのか、逆に実際には発動しないようなことまで改正して可能にする必要があるのかというあたりを十分に議論してみるほうがいいのではないかと思います。
というのは自衛権の行使とか交戦規定は憲法の条文だけから当然に導き出されるものではなく、十分な議論によって定められるものじゃないか、そして、日本の自衛権の行使については国民の意見はそんなに分かれてはいないんじゃないかと思ってます。

何か今の議論は「憲法を改正して何を出来る(すべき)国になりたいか」でなく「改正すること自体(の是非)」のほうに重きがおかれているような気がしてならないので。
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テポドン2号(?)発射

2006-07-05 | よしなしごと

昨日は早寝をして、ドイツ=イタリア戦を見ていたら、いきなりテロップで

北朝鮮がミサイル発射、日本海に着弾

ハーフタイムのニュースを見ると、3時32分発射、38分日本から600~700km離れた日本海海上に着弾とのことです。

テポドン2号にしては射程距離が短いような感じもしますが。
(距離・方向感については以前のエントリ テポドン2号(その2)の地図をご参照)


同時刻(東部時間7/4、14:38=日本時間7/5、4:38)にスペースシャトル打ち上げがあったので、それに対する示威行動なのかもしれません。


ただ、北朝鮮の意識の大半がアメリカに向いているというのも日本人としては複雑ですね・・・


PS サッカーは双方前がかりながらも決定機をつかめず無得点です。

*************************

(5:11追記)
北朝鮮が2発目のミサイルを発射したそうです。
(まさか打ち落とそうとしたわけじゃないでしょうが)

いやな実況風blogになってしまった・・・



(その他関連エントリ: テポドン2号

コメント (3)
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ワールドカップにおけるアジアのプレゼンス

2006-07-04 | 余計なひとこと

「FIFA公式サイトが韓国サポーター締め出し」の裏側
というニュースがありました。

韓国のサッカーファンが6月24日以降、国際サッカー連盟(FIFA)のオフィシャルサイト「FIFA.com」から締め出されている。サッカーワールドカップ(W杯)で決勝トーナメント進出をかけたスイス戦、2―0で敗退した韓国のサポーターは「誤審で負けた」と大騒ぎ。「500万人が抗議すれば再試合になる」とのうわさがネット上を駆け巡り、サポーターがFIFAのサイトに殺到したからだ。  

韓国からFIFAのサイトへアクセスすると  「Access Denied You don't have permission to access "http;//www.fifa.com/"on this server.」  というメッセージだけが登場し、サイトを利用できなくなっている(29日時点)。  

まあ、確かにスイス戦での2点目のオフサイドは気の毒だったと思うのですが、ファウルの判定はそんなに一方的だったとは思えなかったですし、前回大会での微妙な判定は韓国に有利に働いたことを考えると、あまり目くじら立てるのもねぇ、と言う程度が私の感想です。
ここでは韓国サポーターの「ネチケット」の問題を云々するつもりはないのですが、記事中一番気になったのがつぎの写真












シュートチャンスを逃して悔しがる韓国の寿司職人







写真はAP通信のもののようですが、韓国サポーターを寿司職人で代表させる程度なんですね、アジア文化への理解って・・・

コメント (2)
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