
今日はプールは休み。母も自分も病院行きはなし。スーパーも行かない。
家には一人だけ。
アナログくり子の取っておきの至福の時間。
それは、古い邦画のビデオを見ること。
古いといってもトーキー時代までは遡らず、1950年代、60年代のもの。
特に好きなのは小津安二郎、成瀬巳喜男、溝口健二監督など。
小津作品などは、画面の隅々まで集中して目を通したい。
女優さんのちょっとした表情、仕草。それによる彼女の心の内にどっぷり入り込みたい。
そんな時、風呂場から「おーい、石鹸がないぞー!」などと言われると
一瞬、殺意を覚えます。
やはり、一人の時間が必要です。犯罪者にならない為にも。
今日は成瀬巳喜男監督の“浮雲“を見ました。
原作林芙美子。脚本水木洋子。成瀬監督の代表作で、主演は成瀬作品代表女優の
高峰秀子と名優森雅之(彼は小説家有島武郎の子息です。)
1955年の作品で白黒映画。デジタル・リマスター版できれいな映像です。
しっかり者の彼女は、優柔不断なそれでいてやさしく、どこの土地でも女にもてる彼を
腹立たしく思い、いつもなじりけんか別れするが、やはり彼のことが忘れられず
最後は屋久島の営林署に赴任する彼とともに島に渡るが、病気が悪化して死亡する。
知らせを受けた彼は急ぎ山から帰るが間に合わず、泣きながら口紅をひいてやる。
ひと月のうち35日雨が降るといわれる屋久島。映像はいつも雨が降っている。
激しい雷も。
はっと気がつくと映像ではなく、外は雷でした。
いつの世も、しっかり者の女性はこんなだめ男が好きです。
森雅之は同じく成瀬作品で高峰秀子と共演の“女が階段を上る時“に、これも妻子を捨てて
彼女のもとへ行けない銀行の支店長をやっていましたが、さすが名優です。
“羅生門“・“雨月物語“でも高い評価を受け、それぞれに秀作ですがくり子はこっちの
森雅之が好きです。