くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

映画 スパイの妻。

2021-04-18 | 映画・TV

昨年10月に公開された『スパイの妻』は劇場へいく勇気がなく後悔
していましたが 先日NHK-BSで放送があったものを 昨日みました。
 

時代は1940年 太平洋戦争前夜の神戸で 貿易会社を営む優作(高橋一生)
は使用人を置く邸宅で 妻聡子(蒼井優)と 裕福なくらしをしていました。

その優作が 映画を撮るためにわたった満州で見た 関東軍の細菌兵器を
使った人体実験を フィルムにおさめ帰国し ことの顛末を世に知らしめよう
とします。

国家秘密をにぎる優作はスパイとされ 監視がつく中 夫を信じどこまでも
ついて行くつもりの聡子には スパイの妻になる覚悟ができています。

日本に住みにくくなった二人は 米国へ亡命しようと優作が提案し 別々の
ルートで密航を企てますが 船底で憲兵につかまった聡子は尋問をうけます。

満州で撮った証拠になるフィルムは いつの間にか 優作が忘年会の余興の
ものとすり替えてあり ショックを受けた聡子は 精神を病んでいきます。

この作品の最後に 夫婦がその後どうなったかが たった3行の短い文章で
綴られ映画は終わりますが 観た人はそれぞれに 感じ方がちがうラストに
なったのでは と思います。

  

「もう一人のクロサワ」と世界で評価される黒沢清監督が この作品で昨年の
ヴェネチア国際映画祭で 最優秀監督賞を受賞しました。

↑ポスターのワンピースもふくめ 蒼井優さんが見せるレトロモダンな洋服は
彼女にとても似合っています。



戦争へと突き進む嵐のような時代に たとえ夫がスパイだろうが何だろうが
夫を愛し 信じ続けた健気な妻を 蒼井優さんが好演しています。
 

コメント (6)
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