誰もが知っている超有名人のイギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア。多くの傑作戯曲を遺しているが、現在においても世界の何処かで上演されているだろう。その中でもシェイクスピアの四大悲劇の一つとされ、彼の最も有名な作品はハムレット。今回紹介する映画がそれを原作とする同名タイトル作品。名優ローレンス・オリヴィエが監督、主演を務め、彼はシェイクピア俳優として有名なだけに渾身の作品となっている。
ちなみに本作はモノクロ映像であり、それを活かした重厚なセットかつ緻密なカメラワークが素晴らしい。またタイトル名は知っているが、内容は全く知らない人も居る思うが、そんな人でも現在においても通じるテーマが本作では描かれているし、比較的登場人物も少ないのでわかり易い。
それでは全体的に憂いをおびた主人公が印象的なストーリーの紹介を。
デンマークにおいて。デンマーク国王が死亡、その跡を継いだのが王の弟であるクローディアス(ベイジル・シドニー)。そして彼は前王の王妃であるガートルード(アイリーン・ハーリー)を娶る。父王の死と母である王妃の早すぎる再婚に悩むハムレット(ローレンス・オリヴィエ)は聡明な父とは違い、新しく王に就いた叔父のクローディアスの人間性を嫌っており、彼のやり場のない怒りは深まるばかりだった。
ある日のこと、ハムレットは親友のホレイショ(ノーマン・ウーランド)から夜の12時に城壁の露台に、亡き国王(ハムレットの父)の幽霊が現れると聞きつける。その話を確認するためにハムレットはホレイショー達と一緒にその場に向かい、父の亡霊と会う。ハムレットは亡霊から、父の意外な死因を聞かされてクローディアスに対して復讐することを誓うのだが・・・
とにかくハムレットは新しく王となった叔父さんのことが大っ嫌いで、亡き父から復讐をそそのかされるのだが、これがいざ実行になかなか移せない。しかも、ハムレットのとった作戦は正気を失ったような振りをする織田信長と同じ、うつけもの戦法。正直なところそんな作戦必要?なんて俺は思ったのだが、物語を盛り上げるためには効果充分。恋人オフィーリア(ジーン・シモンズ)や王妃である母親を苦しませ、悲劇的結末にも良いスパイスを効かせていた。
しかし、本作の凄いのは前述したが重厚なお城のセット。こんなセットを作り上げ、またそのセットの奥行きを計算したかのようなカメラワークも抜群。内容だけでなく演出でも惹きつけられる。そして、本作では人間の欲望といったテーマが盛り込まれているが、それも現在までハムレットがなぜ人気があるのか理解できる要因であるだろう。そして、「生きるべきか、死ぬべきか」・・・等、多くの印象的な名台詞も本作の格調の高さを感じさせる。しかしながら、悲しいことに俺の記憶力の悪さが、それらの殆どを忘れさせてしまった。
シェイクスピアに興味がある人、またはシェイクスピアは敷居が高いと思っている人、格調の高い映画を観たい人、原作の内容を知っている人も知らない人も、モノクロの映像テクニックに浸りたい人・・・等に今回はハムレットをお勧めに挙げておこう
監督は前述したようにローレンス・オリヴィエ。個人的には俳優としての方が印象が強い。彼のお勧め俳優作品を挙げるとヒッチコック監督作品のレベッカ、ダスティン・ホフマン共演のマラソンマン、脇役ならスパルタカス、素晴らしき戦争もお勧め
ちなみに本作はモノクロ映像であり、それを活かした重厚なセットかつ緻密なカメラワークが素晴らしい。またタイトル名は知っているが、内容は全く知らない人も居る思うが、そんな人でも現在においても通じるテーマが本作では描かれているし、比較的登場人物も少ないのでわかり易い。
それでは全体的に憂いをおびた主人公が印象的なストーリーの紹介を。
デンマークにおいて。デンマーク国王が死亡、その跡を継いだのが王の弟であるクローディアス(ベイジル・シドニー)。そして彼は前王の王妃であるガートルード(アイリーン・ハーリー)を娶る。父王の死と母である王妃の早すぎる再婚に悩むハムレット(ローレンス・オリヴィエ)は聡明な父とは違い、新しく王に就いた叔父のクローディアスの人間性を嫌っており、彼のやり場のない怒りは深まるばかりだった。
ある日のこと、ハムレットは親友のホレイショ(ノーマン・ウーランド)から夜の12時に城壁の露台に、亡き国王(ハムレットの父)の幽霊が現れると聞きつける。その話を確認するためにハムレットはホレイショー達と一緒にその場に向かい、父の亡霊と会う。ハムレットは亡霊から、父の意外な死因を聞かされてクローディアスに対して復讐することを誓うのだが・・・
とにかくハムレットは新しく王となった叔父さんのことが大っ嫌いで、亡き父から復讐をそそのかされるのだが、これがいざ実行になかなか移せない。しかも、ハムレットのとった作戦は正気を失ったような振りをする織田信長と同じ、うつけもの戦法。正直なところそんな作戦必要?なんて俺は思ったのだが、物語を盛り上げるためには効果充分。恋人オフィーリア(ジーン・シモンズ)や王妃である母親を苦しませ、悲劇的結末にも良いスパイスを効かせていた。
しかし、本作の凄いのは前述したが重厚なお城のセット。こんなセットを作り上げ、またそのセットの奥行きを計算したかのようなカメラワークも抜群。内容だけでなく演出でも惹きつけられる。そして、本作では人間の欲望といったテーマが盛り込まれているが、それも現在までハムレットがなぜ人気があるのか理解できる要因であるだろう。そして、「生きるべきか、死ぬべきか」・・・等、多くの印象的な名台詞も本作の格調の高さを感じさせる。しかしながら、悲しいことに俺の記憶力の悪さが、それらの殆どを忘れさせてしまった。
シェイクスピアに興味がある人、またはシェイクスピアは敷居が高いと思っている人、格調の高い映画を観たい人、原作の内容を知っている人も知らない人も、モノクロの映像テクニックに浸りたい人・・・等に今回はハムレットをお勧めに挙げておこう
監督は前述したようにローレンス・オリヴィエ。個人的には俳優としての方が印象が強い。彼のお勧め俳優作品を挙げるとヒッチコック監督作品のレベッカ、ダスティン・ホフマン共演のマラソンマン、脇役ならスパルタカス、素晴らしき戦争もお勧め
ここでレビューされている、ローレンス・オリヴィエの映画の代表作「ハムレット」について、コメントしたいと思います。
この「ハムレット」でのローレンス・オリヴィエは、シェイクスピア劇で鍛えられた、本物の芸の真髄を披露していて、実に見事でしたね。
英国の俳優達は、ローレンス・オリヴィエを筆頭に、いずれも舞台で、それもシェイクスピア劇で鍛えられた演技で、本当に素晴らしいですね。
「ベケット」「1000日のアン」のリチャード・バートン、「アラビアのロレンス」「冬のライオン」のピーター・オトゥール、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」「ドレッサー」のアルバート・フィニィ、「長距離ランナーの孤独」「銃殺」のトム・コートネイ、「フィクサー」「恋」のアラン・ベイツ、「羊たちの沈黙」「ファーザー」のアンソニー・ホプキンスと、いづれも芸達者な役者達だと思います。
この映画「ハムレット」は、イギリスを代表するシェイクスピア役者の名優ローレンス・オリヴィエが、製作・監督・主演をし、自身アカデミー主演男優賞も受賞したハムレット映画の決定版だと思います。
そして、このウィリアム・シェイクスピアの代表的な舞台劇の映画化にあたり、当時、彼が主催する名門オールド・ヴィク座から多数の舞台役者を招聘し、重厚で見応えのある作品に仕上げていると思います。
暗い画面の中に渦巻く霧が割れて、遥か下方に、陰鬱そのものの様なエルノシア城の望楼が、黒々と浮かび上がってくる。
これが、この映画「ハムレット」の全てを象徴しているように思います。
デンマークの王子ハムレットは、亡き父王の亡霊に出会い、父が暗殺されたことを知り、殺害者で、現国王のクローディアスに復讐を誓います。
そのため、ハムレットは狂気を装うが、誤って恋人オフィーリアの父ポローニアを殺してしまいます。
そして、旅芸人一座に暗殺劇を上演させて、クローディアスの犯罪を突き止めたハムレットは、クローディアスに唆されたレアティーズと試合をするが--------。
この映画化作品は、確かに舞台そのものを模倣しているところがあり、アブストラクトな装置やスモーク、ワンショットが非常に長く、カット数も少ないため、まるで舞台そのものを観ているような気になり、映画を観ていることを忘れさせてくれます。
しかし、ここには、オールド・ヴィク座の舞台での歴史的な成功とはまた違う、オリヴィエの映画的野望といったものが、もう凄まじいまでの重厚さで埋め込まれていると思います。
例えば、亡き父の亡霊に復讐を誓った後、カメラは亡霊の目になって、事の真相を知らされて絶句するハムレットを見つめながら階段を昇って行きます。
また、母親ガートルードとのいさかいの場面に、ハムレットを諫るため自ら登場した亡霊は、その後、またしても、もがき苦しむハムレットを見つめながら、部屋の階段を昇って行きます。
どちらも、ハムレットを一人残して亡霊、つまりカメラが階段を後ろ向きに引いて行くショットとなっています。
つまり、ここでは観ている側の我々の視点と亡霊の視点が一体化しているんですね。
そのため、亡霊の目で、この復讐劇全体を眺めるという、稀有な「ハムレット」体験を可能にしてくれていると思います。
そして、この後ろに引いて行くショットは、もう一箇所出てきます。
オフィーリアに「尼寺へ行け!」と暴言を吐いた後、舞台劇ではもっと後の場所なのですが、この映画では、そのまま城の上まで一気に昇って、この劇で最も有名な「生きるべきか死ぬべきか」のモノローグになります。
それはあたかも、亡霊に呼び寄せられたかのように、城の上に出て行く印象を与えていますね。
つまり、ハムレットは、ここで亡霊と一体化するんですね。
そのため「生きるべきか死ぬべきか」というセリフが口をついて出てくるのです。
まさに、生死をさまようハムレットが、この映画的手法によって表現されているのだと思います。
その他にも、黒と白との息詰まるコントラストや、ナレーションによる独白などで、復讐に焦点を絞った、明晰で、理性的なハムレット像を創ったオリヴィエは、ここでは、舞台ではなく、まさしく"映画のハムレット"を生み出しているのだと思います。