俺、ミナミ。31歳。ほんとは、33歳だが、2歳サバをよんでいる。
(・・・と、グロッサリー女史の間では、噂されているらしいが、俺だって、もう、そんなに若くは無い。ほんとの所は忘れた)
今夜は、俺が主人公の俺の為のストーリーだから、数行単位で更新するけど、悪いな。思考は俺、書き手は別人なもんで、いちいち書き手のゴーストライターから、俺、ミナミに確認電話して、裏取らなきゃなんねーらしい。
ちょっと、手間かけるけど、今夜限りだからさ、許せよな。
俺は、三年前から、とあるスーパーで、副店長をやっている。
そんでもって、約一年間に渡って、月に一度の大阪通い。
一応、出張ってことで、勉強してきた。
道歩きながらさあ~、気が付くと、ぶつぶつ言ってやがる。
周囲から、キモいオヤジって目で見られてよお~~。
おい、そこの女子高生 高校生が化粧なんかして、いいのかよお~。
俺の嫁は、女子高生の頃は、女子高生らしく、素顔で清純だったもんだぜ。
今の女子高生ってよ、キャバレーのねーちゃんかっ!?
なんちゅうド派手さっ!ケバケバさっ!
数年後には、四十路まじかの鈴木鈴子のような旬をトーに過ぎた女ならともかくよお。
今が旬のピチピチコギャルが塗りたくって、どーすんのさ。
素肌が泣くぜ。
これじゃ、かえってお色気でねーぞ。
あっ!そうだ。昇級試験だ。俺は、昨夜、必死の思いで秘策を考えた。
毎日毎日、道、歩きながら、ぶつぶつ言っても、年齢(トシ)のせいか、頭んなか、入っていかないわけよ。
そこで、俺は考えた。
あの手を使おう!
俺は、一個の消しゴムを用意した。
このアイテムこそ、究極の救世主
俺を救ってくれるのは、もはや、コイツしかいない。
俺はA型だ。細かい作業は、おてもやん・・・いや、お手のもの。
しまった、俺としたことが・・。つまらぬオヤジギャグを言ってしまった。
「台風はタイフ~ンに漢字を当てはめて出来た単語」
にウケた鈴木鈴子くらいだろう。こんなオヤジギャグが通用するのは・・・
駄目だ。集中しなければ・・・。
俺は、消しゴムに小さな字で、どうしても暗記できない単語を書いた。
一つ・・・二つ・・・三つ・・・四つ・・・。
消しゴムの裏表。そして側面・・・。
もしも、試験会場で、度忘れした際には、これを・・・見れば・・・。
俺は、消しゴムにカバーをし、にやりとした。
カンニングぺーパーならぬ、カン消し。
バッチリだぜ!
俺は、意気揚々と、試験会場へ向かった。
俺の席・・・俺の席は・・・?
俺が二階の試験会場へ入っていくと、ほぼ、全員の受験者が、すでに着席していた。
いつもならよ、時間ギリギリで店へ来る、おばちゃん達に時計見ながら、
「今、何時だっけえ?」
と、皮肉の一つも言う俺だが・・・。
いつだったか、鈴木鈴子が早朝早番の日、10分前に裏から駆け込んできたんで、俺は、サッとマイクを取り出し、
「開店10分前!」
と、奴の背中に向かって叫んだんだっけな。
「ええ~嘘~」
と、更衣室へすっ飛んでった。快感~~の瞬間でよお~。
副店長っていいもんだぜ。
そんな俺が、他の受験者が、すでに着席してる所へ遅れ気味に入室する姿なんぞ、みせられねーな。
そんで、俺の席は・・・と。
「ミナミ君、君の席は、ここだよ。早く、着席したまえ」
狸部長が指した席とは・・・。
?????
「君の席は、ここだよ!」
こっ・・・ここっすか?
マジっすか??
俺は、自分では気付かぬ内に、ハマグリ言葉になっていた・・・。
なんとお~~~。
ど真ん中の列の一番前!
試験監督の机の真ん前!
そのまんま、まんまえだ!
俺、今日から、そのまんま東副店長って改名するよ。
これで、どうやって、カンペ・・・いや、カン消し使えるっつーんだよお。。。
翌日。
俺は、このアクシデント(と、あえて呼ぼう)を社員は勿論、スタッフ全員に喋り捲った。面接は、バッチリだったが、試験が駄目だったと。
皆、カン消し使用失敗談には、相当ウケテイタ。
あっ! 向こうからやってくるのは、鈴木鈴子だ。
俺は、ぴたッと、話を中断した。
俺は、昇級試験があった事すら、奴には話さなかった。
奴に知れては、何を書かれるか、たまったもんじゃないからさあ。
俺は、偶然「スーパー」を検索していて、奴のブログを知ったのだが、そのことは告げていない。
何を書くか、知らんぷりして、こっそり読むのも結構おもしれーし。
だけどよお・・・。俺が出てくるシーンは、真夏のキモ試しより怖いぜ。
俺の昇級試験のことが、知れてみろ。たちまち、面白記事のネタにされちまうぜ。まあ、そういう訳で、鈴木鈴子にだけは、話さなかったのだ。
新人君と、何やら可笑しい話題があるようで、二人で笑い転げてたから、奴は、その事を記事にするだろうな。
俺は、安心して床へついた。
やっぱ、気になるから、寝る前に、ブログチェックするか。
パソコン開いて・・・っと。
ん?
「・・・reading中・・・・」
バタッ!!!
@_@; (翌朝まで、失神中・・・)