ダブルショックな発表から一夜明けた月曜日の朝。
冷たい雨だ。
えーっ!もしかしたら、この雨、岸辺さんが降らせたのかも・・・ね。
前日、衝撃的な発表をした西村チーフは今日から連休だ。
そのあとは、南副店長が月末連休、即、異動。
なんちゅうシフトじゃ!!
その間には、私も一日休みがはいるわけだから・・・。
実質、二人と顔を合わせるのは、あと二日ってこと・・・?
ひっ・・・ひどい。
制服に着替えて売り場へ行くと、なっ・・・なんとお!!
西村チーフが居た!!!
連休で居ない筈の西村さんが、制服を着て、こちらへ歩いてくる!!
「ああ~~~!! 今日、出勤でしたっけ??お休みじゃ・・・なかったですか?」
小さな子供が 路上で手放した風船のように、一気に ふわふわあ~~と、天まで舞い上がった。
私の年齢に ふさわしくないコギャル風な振る舞いにも、西村チーフは仰天して後ずさることもなく・・・(今回は・・・ね。うどん、お頂戴!のつもりで、黙って右手を差し出した時には、積み上げかけたお菓子と一緒に、チーフも後ろへ崩れそうになったけれど。。。)
「う~ん。休みだけど、発注だけ取りに来たんよ~・・・」
西村チーフは、いつもにも増して、にこにこ。
最高の笑顔を振りまきながら、ルンルンと、発注場所へ歩いて行った。
次に会ったのは、矢木さん。
「 おっはようございまっす!さっき、西村チーフに会いましたよ!」
「えっ?休みじゃないの?私は会ってないよ」
「それがですねー。発注だけ、取りにきたんですって。会えないと思っていた人に、突然会えたら、やっぱ、すっごく嬉しいですね~」
昨日泣いたカラスが・・・ですね、これ。
売り場でドレッシングの荷出しをしていると、南副店長が棚の隙間から突然現れ、「おはようございます!!」
と、体育教師のように挨拶。
仰天した私は、南副店長が通るスペースを空けようと、後ろへ後退した際、台車に軽く足をぶつけ、
「おはようございます・・・あっ!痛たたっ・・・・」
「いたたたっ・・・??」
と、南副店長は私の独り言?をリピートし、去って行った。
その後も、バックで・・・。
プラットホームで・・・。
売り場で・・・。
何度かすれ違ったり、一緒になったり・・・。
でも、お互いに無言。
定番商品の荷出しを終え、バックへ戻り、台車に在庫用に発注した分をしまい、在庫から必要な分を取っていると、ゴミ箱の辺りで仕事をしていた副店長が何か言った。
バックには、私の他に誰も居ない。
私に言ったんだろうけど、何?
もう一度、聞き返すと、
「台車を在庫の近くへ移動させた方が、やりやすいよ」
と、言っているのだと分かった。
「でも、そうすると、台車が通路をふさぐから、邪魔になると思って」
「でも、こうした方が効率が・・・」
そういうと、副店長は、台車を自分で移動させたのである!
こういうところだけは、誰よりも しっかりと見ているのね。
案の定、そのあと、ほんの20秒後にやって来たカトちゃんが通りぬけるのに、邪魔になった。
「申し訳ない・・・」
と、いいながら、カトちゃん、やっと狭い通路を通り抜け。
自分が作業しやすく、しかも早くできるか。
他人の邪魔にならない事を優先するか。
南副店長、今後は、両方を追求致しますので。
もう少し、私が使い物になるまで、いて欲しかったですね。
バックを去る直前、せっかくだから・・・と、副店長に言った。
「今日を入れて、水曜と あと二日だけなんですよ。副店長と一緒に仕事するのは。木曜日は、私、休みだし・・・」
「金・土の月末は、俺、連休だから・・・」
私の話の続きは副店長がしてくれた。
そのあと、カレンダーを見に行って・・・。
「今日と水曜日の二日ですね・・・」
南副店長は、もう一度、確認すると、
にっこり笑った。
ここで出会ってすぐの頃に よく見たニコニコ副店長 (*^_^*)だった・・・。
written by 鈴木鈴子・・・to be continued...。