「美味しいもの、食べてきますねえ~」
という岸辺さんの一言に、南副店長は、「いってらっしゃい」と答えた。
誰かが、「美味しいものって言っても、たかが、しれてるけど・・・ここのだし」
(高級レストランへ行く訳じゃないんだから・・・ね)と、呟いた。
とあるスーパーのお惣菜は、近所では評判だ。特に、揚げ物がカラっとしていて美味しいんですって!しかも、安い。
大手スーパーは、コロコロスタッフが入れ替わると よく聞くが、ここは長く勤めている人が多い。ベテランが多いから、上手で当然。
スタッフが長く勤めるということは、それだけ、居心地が良いという事だ。店長を始め、尊敬できる上司しかいない。部下やパートに振り回されると嘆く正社員のブログを時々お見かけするが、まず、自分自身が部下から慕われ、尊敬される器の大きな上司になる努力をすることだ。その事を とあるスーパーが教えてくれている。
さて。グロッサリー女史5人でお昼のお弁当選び。
前回は、自宅から弁当持参だった私だが、今回は、前日 遅番で夕食の準備もままならない状況だった為、お茶だけ自宅から持参した。
「鈴木さ~ん!お茶は選ばないの?ホットがここにあるよお~」
デザートを梅子さんと見ていたら、岸辺さん達が呼んでいる。
自宅持参だと告げると、「あら、偉いわね」と、半年ぶりに?誰かから、褒められた。お弁当選びも時間がかかるが、問題は、食後のデザートだ。
私と梅子さんは、シュークリームを選びそうになっていたが、誰かが、向こうへ行こうと提案。
「一人なら、すぐ、決まるんだけどねえ・・・」
とは、末永さん。一番、グロッサリー女史の中では落ち着いていて観察力がある人だ。
みんなで ショーケースの前に立ち、ここでも思案中。
和菓子か、洋菓子か?
洋菓子に決定!
次は、プリン類か、それとも、ケーキか?
ケーキに決定!
一人ひとり、会計を済ませ、最後に私がケーキの箱を受け取った。
「あら、悪いわね。一番若い子に持たせて」
と、岸辺さん。いえいえ、昔から、一番若いのが荷物持ちって決まってますから。
ここまで、費やした時間は15分。一時間休憩のうちの15分だ。
私達が、お弁当にケーキの箱まで持って、ぞろぞろと2階へ上がって行こうとしているところを南副店長が遠くから見ていた。
「えっ!? まだ、居たの?売り場に??」という顔をして・・・。
やっと2階まで辿り着き、レンジの元へ。
前回の「鏡開き」の日には、オンボロレンジ!と罵倒しそうになったが、なんと、あの旧式レンジは何処へやら??新レンジが置いてある。
梅子さんが弁当を入れて、スイッチを押した。
しかし・・・・。
レンジは回らないのだ!
弁当の角が引っかかり、お皿が動かない。
弁当がデカスギルのか?レンジが小さすぎるのか?
レンジに、「あんた、食べすぎよ!」
と、皮肉られているようで、笑える。
すんなりと、お昼も取れないハプニング続きの こんな日常が好きだけど。
これまた、鏡開きの時と、同じメンバー、梅子さんと岸辺さんがレンジを相手に格闘している姿が、なんとも言えず、可笑しいじゃない?
なんて言ったら、失礼かな~?
レンジに祟られていらりして!?
さてさて・・・。
やっと、全員席につき、「いただきま~す!」
約10分後、今度はハマグリ君が休憩室へやってきた。
梅子さんと私が選ぼうとしていたシュークリームを買っている!
梅子さんが、即、見つけ、「ハマちゃん、甘いもの、食べるの?」と聞いた。
「俺、甘いのも、何でも好きっす」
そういいながら、私の隣に座ったハマグリ君に、矢木さんが言った。
「あんた、一人で上がってきたんね?」
「一応、南副店長が一緒に上がろうかって言ってたから、すぐ、来ると・・・」
「えっ 副店長が来るなら、あんた、あっちの席に行かんね!上司が一緒だと、くつろげん」
それでも、ハマグリ君は、ここのグループに居座って??いる。
・・・で、結局、副店長は上がって来なかったので、矢木さんは充分寛げた筈。(笑)
休憩時間も、ほぼ終わり、2時15分になった頃、康永君も休憩室へ上がってきた。
「あれ??康永君、まだ仕事?8時からなのに、かわいそうね」
と、矢木さん。
「ハイ、西村チーフに2時まで残業してくれって頼まれたそうだから、もう、終わりじゃないですかね」
と、私が答えた。
この経緯については、後ほど、語ると致しましょう。
続く・・・