康永君が男子更衣室へ入っていく姿を目撃したグロッサリー女史の関心事は、棚卸の この日・・・
彼が一体 何時まで残って仕事をすることになるか?・・・ということに。
実は、この点については、康永君本人が、一番関心があることなんだよね。
しかも、灰色勤務表を渡された時からだ。
棚卸の説明会が終わり、解散したスタッフは、まず、最初にすべき、入荷商品の荷出しを開始。
荷出しも終わり、次にすべきことは・・・。
カートラックの整理だったな。
「出せる在庫は、じゃんじゃん出して!」
と、南副店長も言っていたし、バック在庫を補充して・・・。
そこへ、康永君も、カップラーメンの台車を引っ張って、やって来た。
「僕、今日、何時まで仕事なのか、何も言われてないんですけど・・・」
そろそろお昼だ。そりゃあ、知りたいだろう。
そうこうする内、康永君が言った。
「あと10分です・・・」
「あと5分です・・・」
何のことかと思ったら、「普段の」彼の勤務時間終了時刻まで!の
カウントダウンショー
らしい・・・。
そして とうとう12時。「ぼ~ん、ぼ~ん、BO~n・・・?」
と、柱時計が・・・なる事はなかったが、康永君の懸念が最高潮に達した瞬間
である!
「西村さんに、聞いてみたら? それとも、帰りたい・・・?」
康永君は、黙って帰るのは気が引けるから・・・と、残業すべきかどうか、お伺いに行ったのである。
偉い
戻ってきた康永君は、
「余計なことを聞かなきゃよかったかも・・・?二時間残業だって」
と、いいつつ、実は嬉しかったりして??
「頼られてるのね。期待されてるのよ。(西村チーフ、頼りになると、褒めてたし) 当てにされてるのよ、頑張ってね・・・(クッ・・クッ・・・クッ)
そして・・・。2時15分に休憩室へ上がってきて、そのまま、更衣室へ入室したわけだから、もう、帰宅するのだろうと思っていた。
ところが・・・。
休憩が終わり、プライスカードのチェックをしていると、康永君が居る!
まだ居る!
働いている!
結局は、5時近くまで残業だったのである。
私達と、ほぼ同じ時間まで・・・。
バックで棚卸をしている私達全員に向かって、
「お疲れ様でした・・・」
と、挨拶しながら引き上げていく姿は、本当に、言葉の通り、
お疲れ に見えた。
前日からの残業続き、ほんとうに、お疲れ様でした、康永君。