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日本遺族通信 平成23年8月15日号 遺書と九段短歌    

2011年08月26日 07時02分07秒 | 日本遺族通信


                 平成23年7月 靖国神社社頭に掲示された遺書
                  佐賀県出身 海軍軍属 (学徒) 立川 絹江 様 (19歳)
                      昭和20年8月23日 原子爆弾のため戦病死 合掌

この度、初めて女性の遺書をご紹介させていただきます。
海軍軍属 (学徒) としてお勤めになられた僅か19歳のお方が、幼い妹弟に親孝行をお願いしなければならならなかった戦争の悲劇を悔やまれます。
小学校に通っている妹「安ちゃん」 によせて
毎日毎日たとへ少しの時間でもよいから、机に向かって予習復習をかかさぬ様になさい。
毎日の予習復習を立派にすれば学校の勉強はどんどんおもしろく進みますよ。
安ちゃんは今からが一番大切な時ですから、分からぬところは勝さんや、望ちゃん、照ちゃん等にきいてしっかり勉強しなさい。
姉ちゃんも戦争に勝ち抜くまではうんとがんばる覚悟です。
ではお元気でおくらしなさい。
   安ちゃんへ                              さやうなら
19歳のお姉ちゃんが妹弟、両親に思いを寄せながら、原爆の為に戦病死されました。合掌
まだまだこれからと言うときに国の為に若い尊い命が奪われました。
戦争を知らない国民が多くなり、戦争も遠い過去の事になりつつありますが、事実は事実として悲しみが癒える事はありません。
私たち遺族は命ある限り鎮魂の歌を詠み続けて参ります。
お目を通して頂けましたら幸に存じます。

   震災の悲惨さ思ひ戦死した父の苦しみ甦りけり               甲州市 遺児女性
   ピアクより六十余年の時を経て帰りし遺影涙止まらず            むつ市 遺児女性
   還らざりき夫との別れを胸に抱き今朝のドラマの「おひさま」見つむ     横手市 妻
   戦死せし父の遺影の凛々しかり惚けし母の部屋の長押に         富士吉田市 遺児男性
   どくだみの花咲く頃は父偲ぶ弟妹と幼日恋ひて語らふ            大阪市 遺児女性

   鈴の音に武運長久神掛けて春泥の道郷の駅発つ               篠山市 遺児男性
   兵たりし父は還らず亡き母は愚痴らず語らず七十歳に逝く         うきは市 遺児男性
   萬歳の声に送られ兄の顔汽笛残して汽車は出てゆく             京都市 遺族男性
   慰霊の日遙けき西へ黙祷す沖縄日本の平和を願ふ             名古屋市 遺児女性
   八事山緑濃き木々興正寺鐘の音やさしい顔に汗する            名古屋市 遺児女性
   靖國のこの地に眠るわが父を誇りに思ふ頭を垂れて             尾道市 遺児男性
   沖縄の崖と洞窟眼裏に今日命日祭のしづけさにゐる             常滑市 妻

今号には私の歌は掲載されませんでしたが、23年1月号から7月号まで1ヶ月12名という貴重な紙面に連続掲載は私1人、70首の掲載に感謝をしております。
100首掲載を目標に頑張りたいと思っております。

コメント (4)
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