汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 孤独な男

2010年10月13日 | 初期中期の詩
波立つ海の上に 一隻の船が涙を流して航海している
苦労も絶えない傷を抱えながら 幅の広い先端に羞恥は疼いている
この海は途方もない後悔を抱えている
それは幾重にも重なった希望を夢見るように
幾万もの人間達が絶望を見た矛先である

船長はこの海域には魔物が棲んでいるという噂を聞いて
一番乗りにここへとやってきた 汗ばんだ額からは塩の結晶が浮かび上がっている
掌には力を込めた時に破裂した水疱の痕が 
黄色い体液を出しながら 呼吸を整えている
船長はここで孤独を見た 炸裂した爆弾の爆風をもろに身体に受け
紋章を全身に刻み込まれながら 彼は遠いこだまを聞いた

彼は今でもこの海域で ひたすら待っている
曙光は影も形もない人間を照らし出すから 瞬時に隠れ去る雲達
暗闇がこの世界を支配してから もうかれこれと時間は沈黙していった
船長の髭には 白い毛が一本だけ生えていた
幽かに揺れるその白い毛の中に 様々な宇宙を感じる事が出来た
それはこの空に掲げられた誓いのようなものである
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