汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 荒廃

2010年10月16日 | 初期中期の詩
朽ち果てた屋敷 老いぼれに縋り付く子供の泣き声
空にはおびただしいほどの鳥の群れが 
まるで散らしたゴマのように散々としている
風が奏でる無音に 途切れかけた唄の泣き声が この耳に疼いている
景色は猛烈に移り変わりながら 子供はその指に新たな架空を見つめている

想いを込めて放たれた赤い風船
それは邪悪な浮力を伴いながら 人々の亡骸に甘い接吻を施す
痺れた腕に絡みついた辛いという感情
幾つもの文字が互いに狂気を考察する
それはこの男にとってのぞんざいな癒しでしかない

風船は空高くに昇って 溢れるばかりの感情を解き放った
それは紅い血の滴となって 四方へと飛び散って行く
まるで雨のように この地上において新たな朝日を見るかのように

この情緒の困惑に咲いた 混沌とした感情に流された日々の名残りは
やがて大火に燃え散った勇者の偶像となるだろう
バラはその匂いで 傍にいた男の心を殺した
男はこの眼で見た真実を仄めかす事も出来ずに
全ては土の養分に分解されてしまった
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