汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 意識

2010年10月09日 | 初期中期の詩
眠気が人々を襲っている 空を舞う赤い紙の切れ端
全てがお互いに分かち合い 混濁していくのなら
その両手から零れ落ちる救いを どうか神に捧げてほしい
老人は絶え間ない不安に駆られ 今にも首の動脈を切ろうとしている
そして叫びはこの城の中で奇跡を願っている灯籠の光になる
その牢獄に繋がれて涙を流している王妃
白い手がぶら下がっている窓枠に 手を差し伸べた
一瞬の出来事であった 王妃はそのままその無数の死者たちが
群がる窓から身を乗り出して そのまま崖の下へと投じてしまった
それを見ていたカラスが たちまち仲間を集った
崖の下に落ちている格好の餌を貪るために
不死を願う雛鳥に 新たな恩寵を授けるために

太陽はその光で 何かを探している
それは希望か 絶望か 何やら定まらない標的に
人民はいらついているようであった
太陽はその眼で罪の意識を見定めた
それは猛然と照らし出している 歓びの要
太陽はその眼で 確かな古を見ていた
そして人民は怒り狂う 太陽に武器を向けて 威嚇をけしかけた
太陽は己の砂塵に 身をうねらせている まるで芋虫のように
この眼で光を見た事の無い ミミズのように
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みやすけの詩 山茶花の華

2010年10月08日 | 初期中期の詩
晴れ渡る空 降りしきる空しさと子供じみた呪縛
零れ落ちる老齢に達した思想は この手で更なる犠牲を求めている
涙は乾き切った 干し草に隠れている虫の姿は何処か滑稽で
無性に腹を立てている男が一人でうずくまっている
その手に挟んでいるのは 一枚の葉
そこに書かれている血の傷跡に 吐息を吹きかけては
その臭いを嗅いで悦に入っている
そして男はその重い腰を上げて 沈黙に暮れようとしている空に
精一杯の希望をぶちまけた
散り散りになって行く身体 その谺に歯向かうように流れ出る
民俗音楽に 時は終わる事にない唄を歌う

曇り空 差し迫る恐怖に身をすくめている
他人を信じる事に 違和感を覚えた少女 手から滴っているのは
世の未練に塗れた 死人の叫びである
少女ははにかんでこちらを見つめている
一切の力の音さえも感じられない孤独
少女は手に持っている兎の人形を 力ずくで引き裂いた
その中から飛び散る夢と憧れの塊が 厭に眩しい虹を創り出す

切れ切れになって飛んでいく人間の欠片達
怒涛が怖い この世界の静寂に耐えられない
言葉が踊りながら その少女の首を取り囲み 悪戯をけしかけようとしている
言葉が黄土色の感情を吐き出している それもずっと
風は経ち回る度に 人間を喰い尽していく 癒されない現実
見えない壁 山茶花に群がる虫の大群


谺→こだま
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みやすけの詩 くすみ

2010年10月04日 | 初期中期の詩
口には欲望の源が 煮えたぎっている
暮れ行く夕日に おとがめなしに配置されている日々の欠片達
戦う事を余儀なくされている盲人は
その眼に細い槍を突き刺している
痛みはない ただ 心が軋んでいる
孤独に立ち向かおうとして 廃れていく景色に
今はただ遊園地の跡だけがこだましている

机の上には一体何の溜息が書かれている
66回目の恋に 破れ去った愛情を探し続けている

空が蒼いのは この星に彩りを添えるためである
しかし それだけの言葉が乱れておきながら
何一つとして現れない真実
何もかもが崩れ去った轍ならば その手に映る涙も偽りである
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みやすけの詩 怯え

2010年10月03日 | 初期中期の詩
心が震えている
異口様々に語り継がれてきた言葉に託した 辛辣
家の下に疼いている 幾万もの灰色の虫達
両手にぶら下がっている玉虫に光りは 悦びでさえも近づけないから

通常通りに配置されていく宝石を眺めながら
血はその臭いで 唐草の揺れる音を表現している
そしてその生臭い吐息に触れた 女はたちまち 憑依されたように
涙を流し始め 閉経する

心が葛藤している
幾つもの星に掲げられてきた あなたの表情
そのどれもが古を語っているように見える
心が疲弊を訴えているなら 今こそ その息の根を止めるまでだ
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