まやかしではない いっそののこと あなたを抱きしめたかった 温かだった海は 今は時化の最中 あなたが居た隣には 小さな花が咲いている 白く今にも壊れそうな命の輝き 私はその花をそっと手で包み込んだ それは凍えるほどに冷たく また 壊れそうなくらい儚かった 夢は一瞬の懐かしさに捕らわれる あなたは生きようとしていた 切ない感情を胸に秘めて あなたは何処までも飛翔しようとしていた まるで時間に追われるように あなたを追いかけて 辿り着いた時には あなたはもはやこの世には居なかった 旅立ちは突然の時雨に変わった 冷たい手を振って 小さな愛を遺して あなたは朗らかな表情で泣いていた 僅かな温かみを探して 私は 地中に眠る生命に語りかける 愛おしさをに苛まれ もう帰らぬあなたのことを想う 時間は もう戻らないことを知って 帰らぬ命は 悠遠の旅を続ける あなたは佇んで 越えられない空を見つめて涙を流している
無神経なあなたは 私を一人にする 互いの言葉でさえも 覚束ない 深海に潜む言葉は過ちを犯したあなたを 永遠に暗闇へと連れ去る 音が凪いだ空 顧みる事さえない路の真ん中で 転がるビー玉 此処には何もない あるのは寂しさだけ せめてあなたが私に口づけを交わしてくれるのなら 愛が再び燃え上がる 不完全燃焼の恋情 焦げ付いた心を 誰が助けてくれるの 回り道をすればするほどに 未来は混沌未分に堕ちていく さよならを云った 訳もなく溢れる涙 あなたが居たから 私は強くなれたのに 大げさな声で云った言葉 偽りが風を吹き込む 虚無の世界の中で あなたを見失った 蒼空には影を失った旅人の泣き声が 細やかな嘘を吐いたが故の 騒々しい嵐の予感 あなたを見失い あなたを愛してしまったが為に 空虚な悦びは 美しい詩に 冷め行く惑星の幻よ
静寂の中で 豊かな創造の力は肥大し それはいつしかあなたの心を打つ時が来る 綻びかけた糸を 指で辿って やっと辿り着いた 憂悶の果てに見えた愛の形 全てが森閑さの中で震えている あなたの鼓動を聴くことが あなたの生命の呼応に触れることが 何よりの兆しになるのだから そこで阻まれた未来を想い起す 寂びれた公園の 砂場に落ちているスコップ 響きはそこで途切れていた まるで 細やかな嘘のように
拓かれた場所 営みを律する物陰 臆病なあなたには この世の幻が必要だった 当たり障りのない会話に 弾む音律を確かに耳に感じ 私の髪を撫でた 快い瞳が 私を見つめて離さない まるで 恐れを隠すように 水際に咲いている花は 自身の宿命に嫌気をさした あなたの両手は 冷めた朝露のよう 冷ややかでいて とてもお大らかな調べ あなたへの愛が 慎重な言葉を紡ぐように あなただけの影が あなただけの真実の中に 混乱を呼び起こす 命が続く限り 苦しみは果てしないように あなたの横顔に疼く 冬のような寂しさが 私の髪を揺らす 細やかな風の音 静まり返る夕方の湿原 この場所で 生きていくということ 生命は風に囃し立てられ その涙は 遠くの海の彼方まで 飛ばされる
拓かれた場所 営みを律する物陰 臆病なあなたには この世の幻が必要だった 当たり障りのない会話に 弾む音律を確かに耳に感じ 私の髪を撫でた 快い瞳が 私を見つめて離さない まるで 恐れを隠すように 水際に咲いている花は 自身の宿命に嫌気をさした あなたの両手は 冷めた朝露のよう 冷ややかでいて とてもお大らかな調べ あなたへの愛が 慎重な言葉を紡ぐように あなただけの影が あなただけの真実の中に 混乱を呼び起こす 命が続く限り 苦しみは果てしないように あなたの横顔に疼く 冬のような寂しさが 私の髪を揺らす 細やかな風の音 静まり返る夕方の湿原 この場所で 生きていくということ 生命は風に囃し立てられ その涙は 遠くの海の彼方まで 飛ばされる
形あるもの 霞むような吐息の音に 路に舞う紅い枯れ葉の微笑み それらは互いに視線を交わすこともなく 淡々と季節の流れの中に居る いずれ消え去る命なら 僅かな歓びでさえも小さな動機となる 掛け替えのないもの 色褪せて動かなくなった玩具 そして無常の旅の中の 小さな微笑み いつかこの夜に迷うあなたを見かけた 歓ぶことさえも虚ろな眼差しで ここからはずっと遠い夢を追いかけていた 二つの愛が 一つの偶然に支えられる 出逢いという 一筋の光は 明らかな旅の凋落を想わせる 一つの小さな情愛の欠片が 途方もない未来の途を照らし出した 美しいものは二度と蘇えらない 無数の感情が交差する あなたはいつまでも子供のまま 小さな愛を求めて 幾銭もの詩を詠う 一滴の奇跡 それを確かな愛の中で築き上げる あなたのか弱い声は 繊細な感情の流れ 覚束ない筆跡を辿って 言葉の紡がれる 自由の中で泣いている
今でも覚えている 確かな愛が在ったこと 小さな言葉の中に 幾つもの星が輝いていたこと 束の間の愛は 叙情豊かな言葉に変わる あなたの涙と共に 蒼空には無数の想い出の欠片たちが有った それぞれの計らいが それぞれの計略に変わるとき 愛は無残にも薄れ行く 愛は 夕日のような侘しさに包まれて 雨上がりの憂鬱のような気持ちに包まれる 薄明の季節の流れの中で 二人の小さな悦びは 再び 大きな海へと還るだろう 抱き締められた温もりも あの時 浴びせた横暴な態度の困惑も 全ては一つの愛の成就には欠かせなかった しかし この愛が やがて無念の裡へと廃れていくのならば あなたの愛に導かれた 日々の名残りは 微かな雨の日に見えた虹のような幻に消えてしまう 二人だけの歓び 二人だけの空しさ それぞれが絶えず 交し合った言葉の中には 無数の宇宙に眠る 一つの真理があった 愛するということ 愛を深め合うことさえも 時に傷つけ合うのならば あなたの背中に在った確かなものは 大きな喜びと共に 空を泳ぐ雲に消えてしまうだろう 細やかな嘘には いつまでも擦れ違う 愛に生きるあなたの 小さなため息が聞こえる
今でも覚えている 確かな愛が在ったこと 小さな言葉の中に 幾つもの星が輝いていたこと 束の間の愛は 叙情豊かな言葉に変わる あなたの涙と共に 蒼空には無数の想い出の欠片たちが有った それぞれの計らいが それぞれの計略に変わるとき 愛は無残にも薄れ行く 愛は 夕日のような侘しさに包まれて 雨上がりの憂鬱のような気持ちに包まれる 薄明の季節の流れの中で 二人の小さな悦びは 再び 大きな海へと還るだろう 抱き締められた温もりも あの時 浴びせた横暴な態度の困惑も 全ては一つの愛の成就には欠かせなかった しかし この愛が やがて無念の裡へと廃れていくのならば あなたの愛に導かれた 日々の名残りは 微かな雨の日に見えた虹のような幻に消えてしまう 二人だけの歓び 二人だけの空しさ それぞれが絶えず 交し合った言葉の中には 無数の宇宙に眠る 一つの真理があった 愛するということ 愛を深め合うことさえも 時に傷つけ合うのならば あなたの背中に在った確かなものは 大きな喜びと共に 空を泳ぐ雲に消えてしまうだろう 細やかな嘘には いつまでも擦れ違う 愛に生きるあなたの 小さなため息が聞こえる
暗い部屋の中で 幾度となく接吻は交わされた 愛が幻想へと変わる あなたを求めても幾ら幻滅に嘆いた夜を想い出しても 叶うことの無い宿命は あなたとの交わりの最中に 無限の恍惚となって顕れた 肉体の凋落を知った 愛は古い偽りの中で育まれる 肌が潤う度に愛してくれた それが掛け替えのない悦びを生んだ 周りの景色が 色褪せて行ってもなおのこと あなたの肩の上にとまっている鳥の小さな鳴き声を聴き逃さなかった 心は取り乱して 愛は限りの無い雨を恵んでくれた 真の愛は 深海のような静謐さの中に 息を潜めている まるで死人を狙う死神のように あなたの蠱惑に取り憑かれ 胸の中で嗚咽に咽ぶ 景色は輝いていた 茜空には 夕日の寂しげな唄が響く まるで あなたを隠してしまうように あなたの存在が あなたの命の泪が 忙しなく鼓動を打つ 私の心臓に 止めを刺してくれたなら 快楽は 夢の続きを見せてくれる あなたとの愛の契りを もう 止めることはできない 妄想に咲いた花は やがて私の命でさえも枯らしてしまうだろう 雪原のような静けさの中 干からびた花は やがて風の中に消えてしまう 虚ろな言葉が響く 上も下も判らぬほどの嫌悪感 右も左も判らぬほどの不安の衝動 あなたを抱きしめてから 少しして 吐息は枯れるように途絶えた あなたは私の亡骸を抱いて 何処までも昇天していった私の魂の在り処を探っている 侘しさに満ちた口腔 愛が欲しくて ただ 温もりが欲しくて あなたは私の骨の髄を啜りながら泣いている 楽園はすぐそこで谺している まるで ありもしない遊園の地を捜すように 薄明かりに見える有楽の影 偽りは幾度となく繰り返された 僅かな愛を貪ろうとして 僅かな光の中を彷徨うあなたを見つめる
夜の最中に 一筋の光が 窓の外には 星の燦然たる憩い 明日の空を映し出す 雲の一つもない真っ青な空の色 その蒼穹に跨る 宇宙と地球との果てしない呼応 全ては廻る 輪は限りない愛の形 忘れ去られた あの時の面影も この星の安着する 宙に浮遊する塵 光は町の空を染め始める 歩いた距離はまだ判らない 初秋を告げる冷たい風の流れが 確かに辿り着こうとしている あなたの帰りを待っている 歓びさえも 可笑しな町の佇まいも 無限に拓かれた あの宇宙の姿に照らし合わせて 今宵もまた更けていくのだろう 一つの憤りを遺して
想像してみれば そこには軟な草の広がりがある 足元を見て 絶望していた それも互いが犯してしまったことなのだから 触れる筈のない肌の感触 温かに感じた ほんの少しの寂しさを噛み締めながら 歩き出すこともままならなかった それは いつまでも子供で居たいという 細やかな希望の矛先 愛を探し そこに落ちている花の朗らかさを見失う それは 全てが新鮮なうちに その輝かしい未来を想ったが故の過ち 気づけば花は泣いていた 愛を踏み締め 愛を知るための苦悩が あなたには必要なことだった 行けば見つかる 踏めば誰でも泣きたくなる 愛を知るということ 愛の裡に 心理を探そうとする淋しさ あなたが互いを知ったその時に 行方の知らない その情を 再び取り戻すだろう 愛を交し合うということ それは互いが 互いのさみしさの中で培われる 孤独な夢の情景なのだから
とある友人に捧げる
とある友人に捧げる
葉の色づく 季節は秋の夕間暮れ ひしひしと伝わる あなたの吐息が 熱い涙の形跡となって 永遠に刻まれる 夕刻の沈むような美しさ 映えない真実を信じて 仄暗い道の真ん中で 夜空に咲く星の瞬きを見つめた 虚栄に着飾られた心 暑すぎた夏は 流れ行く未来の光の中で 朦朧と鎖を引きずっている
筋に沿って 水は流れて行く 笹の揺れる林の澄みやかさ 風は忘れてしまったように 何処を吹いている 未来に怯えている この道の向こうには 太陽の輝く場所がある 一つ 一つ 繰り返し顕れる飛翔の証 擦れて行く命の薄弱さ 全てが深閑となって 心を慰めてくれる 全ては幻 全ては永遠の気まぐれ
色づく季節は褪せた むせ返るような時雨 記憶に描かれる美しき景色の名残り 一面に咲いている 花は色鮮やかな声を発していた 狐色の葉を見つめて 流す涙の重みは 川を流れて行く 深く根差した大木の足跡 奮い立った声が 彼の唯一の友を殺した
筋に沿って 水は流れて行く 笹の揺れる林の澄みやかさ 風は忘れてしまったように 何処を吹いている 未来に怯えている この道の向こうには 太陽の輝く場所がある 一つ 一つ 繰り返し顕れる飛翔の証 擦れて行く命の薄弱さ 全てが深閑となって 心を慰めてくれる 全ては幻 全ては永遠の気まぐれ
色づく季節は褪せた むせ返るような時雨 記憶に描かれる美しき景色の名残り 一面に咲いている 花は色鮮やかな声を発していた 狐色の葉を見つめて 流す涙の重みは 川を流れて行く 深く根差した大木の足跡 奮い立った声が 彼の唯一の友を殺した
流されて 夢に果てて
今 私は あなたの腕の中
疲れ 溢れる涙 光る海に
あなたと行くの 騒がしい街を背に
これ以上の 悲しみを 抱くこと
日記に書いた 昨日のことが 今でも怖くて
来た道を 思い出しながら
今 私は 虚無な旅の途上
疲れ 廻る不安 霞む空へ
あなたと行くの 虚しい心を置いて
この先を行く 船の航路 あなたと一緒
何処までも行こう この胸に抱かれ 安らかな愛に
今 私は あなたの腕の中
疲れ 溢れる涙 光る海に
あなたと行くの 騒がしい街を背に
これ以上の 悲しみを 抱くこと
日記に書いた 昨日のことが 今でも怖くて
来た道を 思い出しながら
今 私は 虚無な旅の途上
疲れ 廻る不安 霞む空へ
あなたと行くの 虚しい心を置いて
この先を行く 船の航路 あなたと一緒
何処までも行こう この胸に抱かれ 安らかな愛に
いつか 傍に居たことも忘れて
互いの顔も忘れるときが 来るのかな
私の居る意味を あなたに重ねていた
移ろう季節 確かな温かみを知った
拡がり過ぎた愛 縛られていた心
あなたの優しさを知ってからのこと
見えないモノが怖くて 目を背けていた
やがて二人の この愛も 消えていくのかな
むしろこの方がよかったのかな 惑う夜
あなたを愛した意味 共に任せていた
安心だったから 確かな悦びにあった 私は愚か
通り過ぎてみれば 懐かしいような風
あなたの優しさを知ってからのこと
見えない奇跡 信じて もう逢えない事を知った
拡がり過ぎた愛 縛られていた心
あなたの優しさを知ってからのこと
見えないモノが怖くて 目を背けていた
互いの顔も忘れるときが 来るのかな
私の居る意味を あなたに重ねていた
移ろう季節 確かな温かみを知った
拡がり過ぎた愛 縛られていた心
あなたの優しさを知ってからのこと
見えないモノが怖くて 目を背けていた
やがて二人の この愛も 消えていくのかな
むしろこの方がよかったのかな 惑う夜
あなたを愛した意味 共に任せていた
安心だったから 確かな悦びにあった 私は愚か
通り過ぎてみれば 懐かしいような風
あなたの優しさを知ってからのこと
見えない奇跡 信じて もう逢えない事を知った
拡がり過ぎた愛 縛られていた心
あなたの優しさを知ってからのこと
見えないモノが怖くて 目を背けていた