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ニホンミツバチは外来ダニ(アカリンダニ)をうまく払い落とすことができない

2020-03-08 | 農業
 国立環境研究所生物・生態系環境研究センター坂本佳子研究員等の研究グループは、近年ニホンミツバチの気管で増殖し、甚大な被害をもたらしているアカリンダニが、なぜニホンミツバチだけで重症化し、セイヨウミツバチでは問題とならないのかについて、行動学的な視点からの要因究明を試みた。結果、セイヨウミツバチと比較して、ニホンミツバチではアカリンダニをうまく払い落とすことができないことが明らかになった。本成果は、令和元年11月22日付で刊行された学術誌「Insectes Sociaux」に掲載。
 背景・目的
 数年前から、飛べなくなったミツバチが巣の周りを徘徊するという現象が日本各地で報告される。この異常な行動を引き起こしている原因の一つが「アカリンダニ」による寄生だと言われている。アカリンダニは体長0.1mmのとても小さなダニで、ミツバチの胸部気管内で繁殖する。気管の中がアカリンダニでいっぱいになったミツバチは酸素不足になり、飛翔や温度調節ができなくなる。また、気管の中で成熟したダニが別のミツバチの気管に侵入し繁殖するという寄生が繰り返されるため、巣内のミツバチ全体にダニが蔓延し、やがてコロニーが死滅する。
 日本には、古来より生息するニホンミツバチ(トウヨウミツバチの一亜種)と、養蜂のために海外から輸入しているセイヨウミツバチがいる。アカリンダニが猛威を振るっている対象はニホンミツバチだけで、セイヨウミツバチではほとんど被害が報告されていない。なぜニホンミツバチだけで、アカリンダニが流行しているのでしょうか?これまでに、我々の研究グループはアカリンダニがセイヨウミツバチと比べてニホンミツバチの気管に侵入しやすいことを実験室内での観察により突き止めている(Sakamoto et al. 2016)。そこで、アカリンダニが気管に侵入する前にミツバチがダニに気付いて払い落とすことが出来るかどうかが、ダニの寄生率を左右する要因ではないかと考え、本研究ではミツバチの「グルーミング」に着目して調査した。
 方法
 ニホンミツバチおよびセイヨウミツバチのそれぞれの胸部背面(=背中)にアカリンダニを付着させた後、ミツバチがダニを払い落とそうとする行動(=グルーミング)を一定時間観察し、ダニを付着させなかった場合(コントロール)の行動と比較した。また、観察終了後にダニが胸部背面から除去されたかどうかも記録した。
 実験成功のポイントは、①0.1mmの微小なダニを操作するために、楊枝の先にヒトのまつげを付けた特殊な「まつげブラシ」を用いたこと、②動き回るミツバチにダニを付着させるのは困難なため、暖かい場所に集まる習性を利用して、脚元を温める床暖房(Floor-heating method:床暖房法)を考案したことにある。
 結果・考察
 ダニを付着させなかった場合(コントロール)では、両種ともグルーミングをした個体の比率が約20%であった。ダニを付着させた場合では、両種ともグルーミングが誘発されたが、セイヨウミツバチ(69%)よりもニホンミツバチ(45%)の方がその比率が低い結果となった。両種においてグルーミングがダニの除去に効果的であるが、グルーミングを行った場合でも、ニホンミツバチの方がダニを除去する能力が低いことが分かった。全体でみると、ニホンミツバチは、セイヨウミツバチの約半数のダニしか除去できないことが明らかになった。
 今後の研究展開
 本研究より、ニホンミツバチはセイヨウミツバチよりもアカリンダニを払い落とす能力が低いことが明らかになった。
 今後は、なぜそのような能力の差が生じるのかについて、生理学的・形態学的なアプローチも取り込んで詳細に分析し、その結果に基づき、将来的にニホンミツバチがアカリンダニに対して抵抗性を獲得する可能性を予測する。また、このような新しい病気の流行を未然に防ぐために、ミツバチを含むハナバチ全体に潜在する病原生物の網羅的探索も予定している。
 ◆アカリンダニ
 アカリンダニ(Acarapis woodi)は、ミツバチの体内に寄生するホコリダニ科のダニである。クモの仲間で8本の脚を持つ。アカリンダニはハチの気管内で生活し、繁殖する。メスは気管壁に5個から10個の卵を産み、孵化した幼虫は2週間から3週間で成虫になる。
 アカリンダニは、これまでにヨーロッパや北米・南米のセイヨウミツバチで分布が確認されている。日本では、ごく最近の2010年に見つかっていることから、このダニは人間によって意図せず持ち込まれた「外来生物」ではないかと考えられており、我々の研究グループの遺伝子解析からも、それを支持する結果が得られている。
 本来、宿主と寄生者は、生態系の中で互いに対立しながらも安定した関係を築いている。ところが人間活動によって生き物を移動させることで、寄生者もまったく新しい地域に持ち込まれ、対抗策を持たない新しい宿主にとりつき、病気の大流行を引き起こす。
 今回の事例でも、セイヨウミツバチはアカリンダニを効果的に除去する行動を獲得しているのに対し、ニホンミツバチはこの外来ダニへの有効な対抗手段を持ち合わせていないため、ダニの寄生が進行して深刻な被害がもたらされていると考えられた。ニホンミツバチは、我が国において多様な植物の受粉を担う重要な送粉者であり、ニホンミツバチが減少すれば、これらの植物の多様性にも影響がでる恐れがある。

ホウ素と水素のみからなる導電性を持つ新たなナノシート材料を開発

2020-03-07 | 科学・技術
 研究
 NIMSと筑波大学を中心とする研究チームは、ホウ素と水素のみからなる導電性を持つ新たなナノシート材料を開発した。またJASRIと共同で、ナノシートを構成する水素原子が特殊な配置を取っており、その構造が原因で分子が吸着することにより導電性が大きく変化することを明らかにした。軽量かつフレキシブルで、導電性を制御できる本材料は、ウェアラブルな電子デバイスや新しいメカニズムのセンサーなどへの応用展開が期待できる。本研究成果は、「Chem」誌にて現地時間2019年12月9日午前11時 (日本時間10日午前1時) にオンライン公開。
 共同研究チーム
 本研究は 、国立研究開発法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA)ソフト化学グループ 冨中悟史主任研究員と、国立大学法人筑波大学数理物質系近藤剛弘准教授、公益財団法人高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 尾原幸治 主幹研究員、国立大学法人東京大学物性研究所松田巌准教授および国立大学法人東京工業大学 元素戦略研究センター 細野秀雄栄誉教授らの共同研究チームによって行われた。
 研究の背景
 電気が流れる特性(導電性)は、金属を除くと限られた材料でのみ見られるものであり、分子・原子レベルの厚みを有するナノシート材料では、グラフェンや酸化ルテニウムナノシートなどの限られた材料でのみ報告されている。導電性はキャパシターなどの電子デバイスなどに必須であり、電子・情報化社会において非常に重要な特性である。さらに、1種類のナノシート材料のみではなく、異なるナノシート材料を組み合わせて利用することで、新たな機能の発現が期待できるため、これまでにないデバイスの誕生も期待される。
 ホウ素と水素のみからなるホウ化水素ナノシートはボロファンという通称名で知られ、理論的に多様な原子配置を取りうることや導電性を有することが予想されてきた。新しい水素吸蔵材料や電子材料としての優れた特性が期待されていたが、実際に合成をすることは困難であった。しかし、筑波大学が中心となりNIMSを含む研究機関と共同で、2017年に世界で初めて、そのホウ化水素ナノシートの生成に成功した(参考:新しいシート状物質「ホウ化水素シート (ボロファン) 」の誕生)。
 理論的にホウ化水素ナノシートはさまざまな構造が予想されており、非常に魅力的な材料群の先駆的な合成の成功と言える。しかし、実際に合成した試料は計算による予測とは異なり、結晶ではなっかた。そこで、化学的に合成したホウ化水素ナノシートに関して、「導電性を有するのか?」という問いと、「なぜ非晶質なのか?」という問いに答えることが本研究の学術的な目的である。
 研究内容と成果
 導電性の計測実験では、研究を開始した当初は、計算の予測とは異なり、ホウ化水素ナノシートは絶縁体であった。NIMSが主体となり、前処理を変えた計測を繰り返し、導電性の発現には試料の純度を高めることが極めて重要であることを見出し、筑波大学と連携し、高純度試料の測定を繰り返し行った。試料の合成は筑波大学が中心となり、東京大学、東京工業大学、NIMSが共同で、高純度のホウ化水素ナノシートの合成に成功した。その試料をNIMSが繰り返し測定し、導電性が発現する前処理を発見した。微量ではあるものの合成に用いた有機分子が残存し、その吸着により導電性が発現しないことが分かり、適切な前処理を行うことで、安定して高い導電性(ホウ化水素としては最高レベル、0.13 S/cm)が得られるようになった。
 残存分子は微量であり、通常の導電材料の評価では問題になるものではなかった。興味深いことに、残存分子が存在する時には導電性が発現していても、温度上昇とともに30 ℃付近で絶縁体に変化する現象が見られた。この現象は可逆的であり、温度の低下で元の導電性が回復した。そこに化学的に重要なことが隠されていると考えられた。
 詳細な理解のためには、原子の配置を明らかにする必要があるが、この材料は非晶質であり、構造解析の一般的な手法の回折法が利用できない。X線散乱データから得られる二体分布関数であれば、非晶質であっても構造に関する情報が得られるため、NIMSとJASRIが共同で、大型放射光施設SPring-8のBL08WにてX線散乱実験を行い、二体分布関数の導出を行った。非常に複雑なデータであり、通常の手法では解析は困難ですが、NIMSが実験データを機械的に解析するベイズ最適化を用いたプログラムと、結合電子も含めた全電子状態を解析する全電子二体分布関数解析法を世界で初めて開発したことで、水素が特殊な配置を取っていることが明らかとなった。これらの解析により、特殊な水素原子の配置により微量の有機分子の吸着が可能となり、結果的に導電性が安定していなかったことが分かった。
 〇ホウ化水素ナノシート
 ホウ化水素ナノシートを化学的に合成。分子レベルの厚みのシート状物質で、特殊な水素の配置を有する。電気が流れ、その導電性は分子の吸着に敏感。
 今後の展開
 軽量かつフレキシブルなホウ化水素ナノシートは、ウェアラブルな電子デバイスへの応用が期待できる。さらに、ホウ化水素ナノシートの大きな特徴の1つとして分子の吸着性を考えると、分子の吸着で導電性が大きく変わる材料として使うことが可能である。実際に30 ℃以上で、6桁も抵抗が大きくなる現象が見られた。分子応答性のセンサー材料の開発に繋がる基礎特性と考えられる。また、特殊な水素の配置により、酸点と塩基点が存在するため、触媒材料への応用も期待できる。
 現在、研究チームは、さまざまな応用を目指して、この新しい材料の研究を続けている。これまでにはない特性を持つ材料の開発により、全く新しいデバイスの誕生が期待できる。
 ◆用語説明
 〇二体分布関数
 原子ペアの距離と密度の関係を表すヒストグラムである。結晶にのみ有効な伝統的な回折データとは異なり、全ての物質の指紋に当たる情報として近年、物質・材料の研究で注目されている。
 〇大型放射光施設SPring-8
 理化学研究所が所有する兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出す大型放射光施設で、利用者支援はJASRIが行っている。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeVに由来。SPring-8では、放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われている。
 〇ベイズ最適化
 データの解析の際に、これまではランダムな試行の繰り返しによる最適化が一般的であったが、近年、機械的に最適な値へと導く手法が検討されている。ベイズ最適化はその中でも広く知られた方法で、ランダムではなく、過去の試行結果を学び、如何に最適値へと導くかを機械的に調整しながら試行を繰り返す手法で、今回は二体分布関数の解析に初めて導入した。
 〇全電子二体分布関数解析法
 二体分布関数の解析は、孤立した原子が分布していることを仮定して解析するのが一般的である。しかし、原子同士の結合を作る結合電子が無視できない場合、従来の手法では解析が困難である。NIMSでは物質の全電子位置と数を計算し、それに対する二体分布関数をシミュレーションして実験データの解析を行う新しい手法の開発を行った。これにより、水素とホウ素、ホウ素とホウ素の結合電子まで考慮した解析が可能になった。

 天気は晴れ、雲が多い。気温は最高気温9℃とか、風が強くないので、お日様が温かい。
 散歩で、小さなお庭で”フクジュソウ”の花を見つけた。春を告げる花の代表である・・春がやって来る。新春を祝う花でもあり、元日草(がんじつそう)とか朔日草(ついたちそう)と呼ばれる。南天(難転)の実と福寿草(招福+長寿)の花とで、”難を転じて福となす”の縁起ものである。
 江戸時代からの古典園芸植物で、多数の園芸品種が作られている。根・茎には毒(アドニンという成分)があり、芽が出たばかりの様子はフキノトウと似ており、間違えて食べると中毒を起こす。花が終わるころ、細かい葉(人参の葉の様)が出てくる。
 フクジュソウ(福寿草)
 別名:元日草(がんじつそう)、朔日草(ついたちそう)
 学名:Adonis ramosa
 キンポウゲ科フクジュソウ属
 多年草
 開花時期は2月~4月
 花色は基本的に黄色(黄金色)、花径は数cm
 開花は光・温度に敏感で、日が陰ると直ぐに花はつぼむ
  花びらの開閉で花の中の温度を下げないようにしている


2種類の有機物の混合で、リチウムイオン電池の特性を劇的に向上する手法を開発

2020-03-06 | 科学・技術
 関西学院大学理工学部の清水 剛志博士研究員、中島謙介氏、吉川 浩史准教授、田中大輔准教授らと大阪大学の北河康隆准教授の研究チームは、有機物を電極材料として用いたリチウムイオン電池で、2種類の有機分子を混ぜ合わせた電極材料の特性が、それぞれの分子を単一で用いた場合に比べて劇的に向上することを見いだした。本研究成果は、2019年11月30日(日本時間)に英国王立化学会発行の科学誌「Chemical Science」オンライン版に掲載。
 ポイント
 〇2種類の有機物を混ぜ合わせた電極材料を用いたリチウム二次電池では、別々に有機物を用いた場合に比べて劇的に性能が向上することを見いだした。
 〇有機物を混ぜることで、リチウムイオンが出入りできる隙間を作り出すことができたためであると考えられる。
 研究の背景と経緯
 リチウムイオン電池は、本年度の吉野彰博士のノーベル化学賞受賞に代表されるように、現代のIT社会を支える基盤技術として広く認知されている。
 リチウムイオン電池の正極の材料には希少元素であるコバルトを用いた物質が使われており、高価なコバルトに代わる、より安価で高性能な正極材料が、現在も広く探索されている。特に、有機分子は軽く安価な電極材料として注目されており、さまざまな有機物が正極材料の候補物質として研究されている。しかしながら、優れた特性が予測される有機物を実際に電極材料として用いた研究では、予想に反して低い電池特性しか示さないことがしばしば起こることが知られている。
 有機分子の電極材料の研究では有機分子を固体の結晶として用いるのが一般的であるが、有機物の結晶の内部にリチウムイオンが入り込む隙間を合理的に作り出すことが難しいことと、結晶が電解液に溶け出してしまい安定性が低いという2つの理由が性能低下の原因として挙げられる。優れた電極材料としてのポテンシャルを持った分子の特性を100パーセント引き出すには、有機物の結晶中にリチウムイオンが入ることができる通り道を作り出し、なおかつ材料としての安定性を向上させる汎用性の高い手法の開発が必要である。
 研究の内容
 田中准教授と吉川准教授の研究チームは、リチウムイオン電池の電極材料として、中心に正の電荷を持つ円盤状の有機分子と負の電荷を持つ円盤状の有機分子2種類の有機分子を混ぜ合わせた電荷移動錯体と呼ばれる材料を開発し、その特性が単一の有機分子と比較すると劇的に向上することを見いだした。
 これは、有機分子が集積した結晶の中に、リチウムイオンが拡散する通路ができたためだと考えられる。単一の有機分子を用いた場合は、分子同士の電荷が反発して密に詰まった構造をとることが知られている。
 本研究では、異なる符号の電荷を持った分子を1:1で混ぜることで、2種類の円盤状分子が交互に積み上がった筒状の構造を形成し、筒と筒の隙間にさまざまな分子を取り込むことができるようになることを明らかにした。さらに、電荷移動錯体が持つこの隙間を利用することで、高速でリチウムイオンが出入りする高い容量を持った電極材料を開発することに成功した。また、正負の電荷間の強い相互作用により、この電荷移動錯体の電解液への溶解が抑制されていることも確認された。
 大阪大学の北河康隆准教授との計算機を用いた共同研究により、この相互作用のエネルギーを見積もることにも成功している。異なる電荷を持つ2種類の分子を混ぜるという本手法は、さまざまな有機分子の組み合わせで応用できるため、これまで高い特性を示さなかった有機分子が本来持っている特性を最大限引き出すことを可能とする新しい手法になるものと期待される。
 今後の展開
 優れた特性を持つ新しい二次電池が開発されれば、スマートフォンやノートパソコンなどの身の回りのモバイルデバイスの性能を飛躍的に向上させることが可能になる。本研究で開発した技術を活用することで、それまで特性が悪いと思われていた有機分子2種類を混ぜ合わせるだけで、その電極材料としての特性を飛躍的に向上させることが可能になる。一方で、そのような有機分子の組み合わせの数は膨大なものになるため、本研究成果は、広大な「組み合わせによる材料開発」の存在を実証した研究成果であるということができるかもしれない。
 今後は、このような膨大な数の候補物質を効率的に探索するために、現在発展が著しい人工知能を活用したマテリアルズインフォマティクス(MI)の手法を利用した効率的な材料の開発が期待される。

 晴れ、風がとても強い。気温は最高気温9℃、風が強いので、体感気温はもっと低い・・。
 今年は積雪の期間が殆どない・・今日の散歩は枯れ野の散歩。
 近所の畑で、”フキノトウ”が出てた。・・周りには雪がない!!。
 ”フキノトウ(蕗の薹)”はフキ(蕗)の花の蕾で、葉が出る前に花蕾(フキノトウ)だけが地面に出てきた。早春の雪解けの防寒なのか、蕾を苞(ほう)が厚く取り巻いている。
 フキノトウ(蕗の薹)
  フキ(蕗)の蕾
 キク科フキ属
  原産地は日本、樺太・朝鮮半島・中国にも分布する
 多年草
 雌雄異花
  雌花は受粉後に花茎を伸ばし、タンポポの様な綿毛をつけた種子を飛ばす
 蕾の状態で摘み採り、煮物・味噌汁・ふきのとう味噌などで食べる
  ・・花が咲いてしまうと苦い


イチジク近縁種イヌビワのゲノム配列を解読、病害に強い品種改良に

2020-03-05 | 科学・技術
 かずさDNA研究所、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)果樹茶業研究部門、国立遺伝学研究所、広島県立総合技術研究所、福岡県農林業総合試験場は共同で、イチジク (Ficus carica)の近縁野生種であるイヌビワ(F. erecta)のゲノムを解読した。イヌビワはイチジクを枯らす病気に強い抵抗性をもつ。病気に強いイチジクの品種改良に役立つ。研究成果は、国際科学雑誌「The Plant Journal」に1月24日にオンライン公開。
  背景
 イチジク(Ficus carica)の近縁野生種で、日本では関西より西側の地域に自生しているイヌビワ (F. erecta)は、イチジクの生産に大きな被害を及ぼす「株枯(かぶかれ)病」に対する強い抵抗性を持つことが知られている。株枯病は、土壌微生物が原因で起こる病気で、苗木の移植などにより感染が拡大し、発病すると成木でも短期間で枯死してしまうことから、イチジク栽培に大きな被害をもたらしている。そこで、イヌビワとイチジクとを交雑することによってイヌビワのもつ株枯病抵抗性をイチジクに導入する試みが進められている。しかしながら、イチジクとイヌビワとの交雑が困難な上に、たとえ交雑できたとしても耐病性の判定に時間と労力がかかるため、幼苗での早期判別が重要である。さらに、イチジクは雌雄異株なので、品種育成では食用に適した雌株と交配に使用する雄株を早期に選抜する必要がある。
 このため、イチジク株枯病に抵抗性をもつ品種開発の効率化を目指して、イヌビワのゲノム解読を行った。なお、イチジクのゲノムは、2017 年にかずさDNA 研究所、福岡県農林業総合試験場、九州大学の共同研究により解読が完了している。
 この研究成果により、イチジクの株枯病真性抵抗性遺伝子を保持し、かつ、ゲノム背景がイチジクに近い雌株系統を幼苗段階で早期に選抜できるようになり、品種改良の効率化が期待されている。
 本研究でかずさDNA研究所は、研究立案、ゲノム配列の解読と解析、および研究の取りまとめを、農研機構はイヌビワとイチジクの後代の育苗を、国立遺伝学研究所(先進ゲノム支援)はPacBio Sequel を用いてゲノム解読における基盤情報を提供した。
  研究成果の概要と意義
 ① 連続した10,000 塩基以上の長いDNA 配列を一分子レベルで解析できるPacBio ロングリード技術を使用してイヌビワのゲノム配列データを収集し、3 億3160 万塩基対のゲノム配列を決定した。
 ② イヌビワのゲノム配列中に、51,806 の遺伝子を見出した。
 ③ イチジクとイヌビワの戻し交雑第1世代を用いてゲノム上の同じ領域の塩基配列の違いを容易に比較することができるddRAD-Seq 法により検出したDNA 多型を使用して遺伝地図上にゲノム配列を位置付け、株枯病真性抵抗性の候補遺伝子を同定し、DNA マーカーを開発した。
 ④ 塩基配列の違いをゲノム全体にわたって調べることができる全ゲノムジェノタイピング分析により、イヌビワの持つ株枯病抵抗性を保持し、かつ、ゲノム背景がイチジクに近づいた系統を幼苗段階で選抜できるようになった。
  将来の波及効果
 ① ゲノム情報をもとにした育種が可能になり、株枯病抵抗性をもつイチジク新品種の育成が加速される。
 ② イヌビワは株枯病抵抗性の他にも様々な病害虫に対する抵抗性を持つことが知られており、本ゲノム情報が基盤となってイチジク育種に役立つ遺伝子が今後も見つかることが期待できる。
 ◆用語解説
 〇ゲノム
 生物をその生物たらしめるのに必須な最小限の染色体のひとまとまり、またはDNA全体のことをいう。
 〇真性抵抗性遺伝子
 病害に対する抵抗性をもつ遺伝子は、病気に侵されない真性抵抗性と、病害の程度が状況によって異なる罹病性に分けられる。
 〇DNA 多型
 ゲノムDNA 中の塩基配列にみられる配列の差異(変異)。
 〇DNA マーカー
 遺伝子の目印となるDNA 配列。導入したい形質に関わる遺伝子をDNA マーカーの有無で確認して個体を選抜することができる。

 曇り、時々日が差し、時々小雨・・変化が大きい・・でも寒い。
 散歩での寂しい景色。枯れ木に採られずに残っているイチジクの実。
 実と言ったが、壺の形をした果嚢(かのう)である。”イチジク”(イチジクの仲間も)は、若いものの中で花が咲いて外からは花は見えずに実となる。このため、”イチジク”を漢語では”無花果”の字をあてた。日本語名の”イチジク”は中国語の「映日果」での音読”エイジツカ”の転訛とする説、1ヶ月で熟す(一熟:いちじゅく)からの説がある・・よく分からない。
 イチジク(無花果、映日果)
  樹、その果実も言う
 別名:伝来時に、蓬莱柿(ほうらいし)、南蛮柿(なんばんがき)、唐柿(とうがき)
 学名:Ficus carica
 クワ科イチジク属
 落葉高木
 原産地はアラビア南部。不老長寿の果物とも呼ばれる
 栽培は6千年前からと言われ、旧約聖書にも登場する果物
 インドから8~9世紀ごろに中国へ、中国から日本に17世紀に渡来した
 渡来したのは葉の切れ込みが浅い品種。明治以降のは葉の切れ込みの深い品種で、これを洋種として区別する
 雌雄異株だが、日本で栽培されているのは雌株のみ。受粉しなくても果嚢が熟す単為結実(たんいけつじつ)の品種である。
 実が熟すのは8月~9月頃


光を照射し、水を分解して水素を発生させる新たな多孔性物質を開発

2020-03-04 | 科学・技術
 関西学院大学理工学部の鎌倉吉伸氏、田中大輔准教授らの研究チームと大阪大学および大型放射光施設SPring-8の共同研究グループは、光を照射することで水を分解して水素を発生させる新しい多孔性物質の開発に成功した。本研究成果は、2019年12月24日(米国東部時間)に総合科学誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン版に掲載。
 ポイント
 〇従来合成が難しいことが知られていた硫黄を含むMOFの合成に成功し、この新材料が光を照射することで水を分解して水素を発生させる触媒特性を示すことを見いだした。クリーンな太陽エネルギーによる水素発生は、燃料電池の原料供給のための重要なテクノロジーにつながる。
 〇この触媒特性は、硫黄を用いることで光を吸収する効率が上がり、さらに吸収した光エネルギーを反応に利用することができるようになったためであると考えられる。
 研究成果
 田中准教授らの研究チームは、炭素と窒素を含んだ硫黄化合物を用いることで鉛を含む新しいMOFの結晶を開発することに成功した。これは、窒素が硫黄の反応性を低下させることで、結晶化に最適な反応条件を実現できたためであると考えられる。また、開発したMOFの分子サイズの細孔の構造を高輝度光科学研究センター(JASRI)の杉本邦久主幹研究員とのSPring-8のビームライン(BL02B1)の放射光を用いた実験から明らかにすることに成功した。さらに、関西学院大学 理工学部の吉川浩史准教授との共同研究から、その細孔には水のみが取り込まれて、アルコールなどの有機分子は入らないことも明らかにした。
 関西学院大学理工学部の玉井尚登教授と片山哲郎助教のチーム、大阪大学の佐伯昭紀教授と正岡重行教授との共同研究から、この新たに開発したMOFが光を吸収することで電気を流し、さらにそのエネルギーを利用することで水を水素に変換する触媒としての能力を持つことを実証した。また、関西学院大学 理工学部の小笠原一禎教授と西谷滋人教授との計算機を用いた研究により、鉛と硫黄の原子が作るネットワークが触媒反応に重要な役割を果たしていることを明らかにした。
 今後の期待
 半導体特性を持つ材料に分子サイズの無数の穴を自在に開けることができれば、さまざまな触媒反応や電池の電極材料などへの応用が期待される。本研究の詳細な解析から、開発したMOFの優れた特性は、硫黄を含むことで発現したことが明らかとなった。
 今後はこれらの知見を生かして、さまざまな種類の硫黄を含んだMOFが合成されることとで、より優れた特性を持つ材料の開発が期待される。特に、水から太陽エネルギーによって水素を発生させる触媒は、燃料電池によるクリーンなエネルギー源に応用できるため、さらなる高性能材料の開発が求められる。
 一方で、そのような硫黄を含むMOFを合成することは難しく、合成のための反応条件の探索には膨大な試行錯誤が必要となる。今後は、このような合成の難しい材料を効率的に探索するために、人工知能を活用したマテリアルズインフォマティクス(MI)の手法の活用が期待される。
 ◆用語説明
 〇多孔性物質
 多孔性物質とは、分子サイズの小さな穴が無数に開いた構造を持つ材料で、活性炭が代表的な物質として古くから知られている。近年は、金属-有機構造体(MOF)もしくは多孔性配位高分子(PCP)と呼ばれる新しい多孔性材料が、水素や温室効果ガスの貯蔵や分離、各種触媒反応などの環境エネルギー問題の解決に有用な材料であるとして、世界中で盛んに研究開発されている。
 多くのMOFは絶縁体で電気を流さず可視光を吸収しないが、もしMOFが電気を流し、光エネルギーを吸収するような半導体としての特性を示せば、高い比表面積を利用した触媒や太陽電池などのエネルギー変換材料への応用が可能になるため、半導体特性を持つMOFの開発が現在求められている。
 これまで、硫黄を含んだMOFは半導体特性を示すことが知られていたが、結晶性の高い良質な硫黄を含むMOFの合成は難しく、その特性は十分に検討されてこなかった。
 〇大型放射光施設SPring-8
 兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出す理化学研究所の施設で、利用者支援などは高輝度光科学研究センター(JASRI)が行っている。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeV(ギガ電子ボルト)に由来する。
 放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、指向性が高く強力な電磁波のこと。SPring-8では、この放射光を用いて、ナノテクノロジーやバイオテクノロジー、産業利用まで幅広い研究が行われている。

 曇り、午後から小雨。今日の散歩は、雨が降る前の午前、風が穏やかだけど、寒い。
 散歩道沿いの塀越しの”ロウバイ”、花が咲いている。花は、正月の半ば位から咲きだし、3月には終わる。
 この花は、”ソイシンロウバイ(素心蝋梅)”である。花の中心の色は花びらと同じ黄色。”ロウバイ”には主に、2種類ほどが知られている。”ロウバイ(蝋梅)”と”ソシンロウバイ(素心蝋梅)”である。”ロウバイ”は中央部が暗紫色で、花弁は黄色。”ソシンロウバイ(素心蝋梅)”は、中央部の色も黄色、花弁も花中心も同じ(黄色と同色)。
 咲いた花と一緒に、昨年からの果実が見える。果実は、長径数cmほどの楕円形で、中に数個の種子がある。・・この数個を頂き、鉢に植えてみた・・芽が出るかな?。
 名(ロウバイ:蝋梅)の由来には、「蝋細工の様な梅に似た花」説、「花色が蜜蝋(みつろう)に似ている」説、「臘月(ろうげつ、旧暦の12月)に、梅に似た香りの花」説がある。
 ロウバイ(蝋梅)
 別名:唐蝋梅(とうろうばい)、唐梅(とうばい、からうめ)
 学名:蝋梅 Chimonanthus praecox
    素心蝋梅 Chimonanthus praecox f. concolor
 ロウバイ科ロウバイ属
 落葉低木(丈は2m~4m)
 原産地は中国、17世紀頃に渡来
 開花時期は1月~3月
 花径は2cm程
 果実の種子は、抑制性神経伝達物質の放出を阻害して痙攣を誘発する有毒物質「カリカンチン」を含む


ウイルス検出法開発、1分程度にまで短縮させる計画

2020-03-02 | 科学・技術
 産業技術総合研究所・コニカミノルタなどと共同で微量のウイルスを簡単に検出するシステムを開発した(2020年2月24日新聞記事より)。空港や病院、学校などへの導入を見込んでいる。今のところ検出に10分ほどかかるが、改良を重ねて2023年度までに1分程度にまで短縮させる計画。新型コロナウイルスの検出にも応用できるようにしたいという。
 このシステムは唾液などの検体にウイルスに凝集して蛍光を発する「凝集誘起発光物質」と磁気微粒子を混ぜる。発光物質と磁気微粒子はウイルスに結合し、磁石を動かしながら検体を観察するとウイルスがいれば動く光のように表示される。従来の技術では難しかった、ウイルスと不純物を簡単に見分けられる。
 基本的な技術はすでに確立している。高い感度と短時間でウイルスを検出できるようにする条件を探っている。使いやすいシステムにするため実際の現場での試験を検討している。

新型コロナウイルス「スパイクたんぱく質」の立体構造解明

2020-03-01 | 医学
 米国のテキサス大と国立アレルギー・感染症研究所の研究チームが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が人の細胞に侵入、感染するのに使う「スパイクたんぱく質」の立体構造を解明した。2020年2月19日付の米科学誌サイエンス電子版に発表。
 コロナウイルスは遺伝情報を担うリボ核酸(RNA)が入った粒子の表面に「スパイク」と呼ばれる突起があり、人の細胞表面にある受容体たんぱく質と結合して侵入、増殖する。新型ウイルスのスパイクたんぱく質が結合する受容体たんぱく質は、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスの場合と同じ「ACE2」であることが分かっている。研究チームが新型ウイルスのスパイクたんぱく質をACE2と結合させる実験を行ったところ、SARSより結合力が強く、人の細胞へのくっつきやすさが10~20倍強いことが分かった。新型ウイルスの感染が拡大する要因となっている可能性があると指摘している。
 この分子の働きを妨げる化合物が薬の候補になる。人の免疫システムに攻撃対象と覚えさせて発症を抑えるワクチンや、侵入を阻害する抗ウイルス薬の開発に広く利用されることが期待される。
 因みに、新聞記事より
 新型コロナウイルス(2019-nCoV/SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)を対象とした治療薬の開発が本格化してきた。米国立衛生研究所(NIH)は2020年2月25日、COVID-19を対象に、抗ウイルス薬である「レムデシビル」の医師主導治験を始めたと発表した。同治験は、NIH傘下の米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が主導し、米Nebraska大学と協力して実施する。また、同治験などを補完する目的で、開発元の米Gilead Sciences社が企業治験(第3相臨床試験)を開始。日本もこれらの治験に加わる方針だ。現在、COVID-19に効果があると正式に認められた治療薬は無い。治験の結果次第では、レムデシビルがCOVID-19に対する治療薬として、世界で初めて承認される見込みとなった。
 ◆アメリカ国立アレルギー・感染症研究所
 アメリカ国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID; National Institute of Allergy and Infectious Diseases) は、アメリカ合衆国の国立衛生学研究所(NIH)を構成している27の研究所及びセンターの一つ。

 天気は晴れ。雲が少なく、雨は降りそうでない。でも、風は少々強い。
 今日も畑に行く。そろそろ、”ダリア”球根の植え付けを準備しなくては。
 畑の片隅で、黄色の花”クロッカス”が咲いている、”キバナサフラン”と呼ばれる。色々な花色の中で、生き残ったのは黄色い花である・・黄花品種は強いのかな。花被片が6枚、雄しべが3本、中央の雌しべは柱頭が糸状に3つに分かれている。
 ”クロッカス”は、アヤメ科クロッカス属の総称で、世界に75種程ある。園芸上、春咲き種をクロッカス、秋咲き種をサフランと呼ぶのが一般的のようだ。”サフラン”を秋咲きクロッカスと呼ぶこともある。
 キバナサフラン(英: crocus)
 学名:Crocus vernus
 アヤメ科サフラン属
 開花時期は2月~4月
 色々な花色の品種がある、黄・白・青・紫・藤など
 葉は細長く、真中に白い筋が入っている


平均寿命と健康寿命

2020-02-29 | 日記・エッセイ・コラム
 後期高齢者になると、平均寿命が気になるが、健康寿命も気になる。
 ある食品会社のパンフレットを見ていたら、「平均寿命と健康寿命のギャップ」の記事が載っていた。
 ◇平均寿命と健康寿命
  (内閣府、平成30年版高齢者社会白書より)
  (健康寿命:介護を必要とせず自立して過ごせる期間)
 女性 平均寿命:87.14年
    健康寿命:74.79年 約12年
 男性 平均寿命:80.98年
    健康寿命:72.14年 約9年
 「健康寿命」は現代人にとっての共通の目標です。とくに日々の食生活の役割は重要です。・・とある。食生活のポイントは、高齢期では、栄養、とくにたんぱく質の不足の対策が必要。
 ◇野菜摂取量
 年代別野菜摂取量は350g(厚生労働省、健康日本21より)
 年代別 7歳~39歳 野菜摂取量250g
     40歳~  野菜摂取量250g~300g
     60歳~69歳 野菜摂取量300g~350g
 ◇たんぱく質の1日の摂取基準量
 日本人の食事摂取基準によると、一日に必要なたんぱく質は摂取エネルギーの13~20%が理想とされている。
 推奨量は、成人男性は一日60g、成人女性は一日50gとなっている。
 近年(2010年代)では、65~70gとなっているが、1975年~1995年では80g前後の摂取量であり、年々減少傾向にある。

 今日の天気は晴れ。最高気温8℃とか。風弱い、が寒い・・まだ春が来ない。
 アセビ”に釣鐘のような小さな花が咲いている。始めに白花が開き、次いで赤い花が咲く。”アセビ(馬酔木)”の花は基本的に白色だ。赤い花もあり、園芸種に、より赤みが強い花の”アケボノアセビ(曙馬酔木)””ベニバナアセビ(紅花馬酔木)”がある・・見たいね。
 ”アセビ”は、葉・花・樹皮に強い毒(神経毒-アセボトキシン)を持つ有毒植物である。”アセビ”を「馬酔木」と書くのは、牛馬が葉などを食べると麻痺(酒を飲んだ様な酩酊状態)するからと言う。
 名(アセビ)の由来にも、足廃(あしひ、あしい)や悪実(あしみ)からなどの説がある。足廃(あしひ)とは足が病気になった状態で、これも誤食による麻痺から。
 アセビ(馬酔木)
 別名:馬酔木(あしび)、馬酔木(ばすいぼく)
 学名:Pieris japonica
 ツツジ科アセビ属
 原産地は日本
 常緑広葉樹低木・中高木
 開花時期は3月~5月
 秋に花穂ができ、翌春に花が咲く、蕾から~開花までは期間が長い


妊娠中の食物繊維摂取は胎児の代謝機能の発達を促し、出生後、子の肥満になりにくい体質をつくる

2020-02-28 | 健康・病気
 東京農工大学大学院農学研究院応用生命化学部門の木村郁夫教授らと慶應義塾大学薬学部の長谷耕二教授らの研究グループは、妊娠中の母親の腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が胎児の発達に影響を与えることによって、出生後の子の代謝機能の成熟に関与し、その結果、肥満発症の抑制に繋がることを明らかにした。周産期における母体の食生活や腸内環境の改善など、母体の栄養管理を介した先制医療や予防医学による新たな治療法の確立に向けて、今後、本成果の応用が期待される。本研究成果は、米国科学誌「Science」(2月28日付)に掲載。
 現状
 近年の抗生物質の使用拡大や、欧米食に代表される高糖質・高脂肪な高カロリー食、食物繊維の摂取不足のような食生活の変化は、腸内細菌叢に異常をきたし、その結果、肥満や糖尿病に代表される生活習慣病を含むさまざまな病気の罹患率を高めることが分かってきている。このように、成人の生活環境に対する腸内細菌叢の影響についてさまざまな報告がなされてきているが、胎児期での腸内細菌叢の影響に関してはあまり知られていませんでした。また、将来の健康や特定の病気への罹りやすさは、胎児期や生後早期の環境の影響を強く受けて決定されるというDOHaD仮説に関しても、コホート研究等により、低出生体重児は成人期に糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病を発症するリスクが高い等の報告がされてきたが、その根底にあるメカニズムは未だ不明なままであった。
 本研究グループは、母体の腸内細菌叢が胎児の発達と出生後の疾患への感受性に及ぼす影響についてマウス実験により詳細な研究を行った。
 また、短鎖脂肪酸に代表される腸内細菌叢由来の代謝産物は、宿主のエネルギー源として利用されるだけではなく、シグナル伝達分子として脂肪酸受容体であるGPR41やGPR43のような宿主側の受容体を介して、宿主の生理機能にまで影響を及ぼす。我々は以前から、食由来成分や腸内細菌叢由来の代謝産物との相互作用を通じて、エネルギー代謝におけるこれら脂肪酸受容体の生物学的重要性を明らかにしてきた。
 研究成果
 本研究グループは、始めに、妊娠マウスを通常環境下、および無菌環境下で飼育した。分娩後は成長環境を同一にするために、両群の出生仔を通常環境下で仮親によって成育させた。離乳後、高脂肪食を摂取させたところ、 無菌母親マウスの仔は、成長に伴って重度の肥満になり、高血糖・高脂血症などのメタボリック症候群の症状を示した。また、妊娠中に食物繊維をほとんど含まない餌を与えた母親マウスの仔でも、同様な症状が観察された。一方で、食物繊維を豊富に含む餌を妊娠母親マウスに与えた場合には、生まれてきた仔マウスは肥満になりにくいことが分かった。このとき、母体の腸内細菌によって食物繊維が分解されて、短鎖脂肪酸が多く産生されることで、その一部は血液を介して胎児に届けられていることが分かった。
 そこで、無菌飼育した妊娠マウスや低食物繊維の餌を与えた妊娠マウスの餌に、短鎖脂肪酸の1つであるプロピオン酸を補充したところ、生まれてきた仔マウスの肥満が抑制された。このことから、妊娠中の母親の腸内細菌叢が産生する短鎖脂肪酸は、生まれてきた仔の肥満を予防することが分かった。
 興味深いことに、胎児の交感神経、腸管、膵臓には短鎖脂肪酸の受容体であるGPR41とGPR43が高発現していました。胎児は腸内細菌を持たないため、自分では短鎖脂肪酸を多く作ることはできない。よって、胎児組織のGPR41とGPR43は、母体の腸内から届けられた短鎖脂肪酸を感知していると考えられる。短鎖脂肪酸によって胎児のGPR41とGPR43が活性化すると、神経細胞、GLP-1陽性の腸内分泌細胞、膵β細胞の分化を促進することが分かった。その結果として、生後の仔の代謝・内分泌系が正常に成熟し、成長時のエネルギー代謝を整えることで、肥満になりくい体質を作ることを明らかにした。
 今後の展開
 本研究により、妊娠中の母体の腸内細菌叢は、短鎖脂肪酸を産生することにより、胎児の短鎖脂肪酸受容体を介して、出生後、子の肥満に対する抵抗性を与えることを明らかにした。これらの発見は、妊娠中の母体の腸内環境が、生活習慣病を防ぐために子孫の代謝プログラミングの決定に重要であることを示している。したがって、今回の発見は、母体の腸内環境と子の生活習慣病というDOHaD仮説の新たな連関を提唱するものである。
 また、本研究の成果は、母体への食事介入や栄養管理を介した先制医療や予防医学、更には腸内代謝産物や、その生体側の受容体を標的とした新たな代謝性疾患の治療薬の開発に寄与する可能性が大いに期待される。
 ◆用語解説
 〇DOHaD仮説
 Developmental Origins of Health and Diseaseの略。胎児期や生後直後の健康・栄養状態が、成人になってからの健康に影響を及ぼすという概念のこと。
 〇コホート研究
 介入を行わず対象者の生活習慣や疾患などを一定期間に渡り調査・観察する「観察研究」の一つ。
 〇短鎖脂肪酸
 炭素数6以下の脂肪酸の総称。主に酢酸、プロピオン酸、酪酸がありエネルギー源や脂肪合成の基質として使用される。最近では、受容体を介したシグナル分子としての作用やエピジェネティック(DNAの配列変化によらず遺伝子発現を制御するシステム)な作用なども報告されている。
 〇脂肪酸受容体
 GPCR(G蛋白質共役型受容体:G-protein coupled receptor)群の一つ。脂肪酸をリガンドとする細胞膜を7回貫通する細胞膜上受容体の一つであり、三量体のGタンパク質を介して細胞内にシグナルを伝達する。短鎖脂肪酸受容体(GPR41やGPR43)、中鎖脂肪酸受容体(GPR84)、長鎖脂肪酸受容体(GPR40やGPR120)が知られている。
 〇無菌環境
 空気中の細菌や宿主の共生細菌が存在しない環境のこと。
 〇GLP-1
 Glucagon like peptide-1の略。腸内分泌細胞のL細胞から分泌される腸管ホルモンの一種であり、摂食調節やインスリン分泌の促進に関与する。
 〇膵β細胞
 膵臓のランゲルハンス島(島状に散在して内分泌を営む細胞群)内に局在するインスリン分泌細胞のこと。グルコース濃度に応じてインスリン分泌を促す。
 〇代謝プログラミング
 胎児期や生後早期などの臓器形成・成熟の感受性が高い時期における栄養環境などにより、代謝システムの形成に影響を及ぼすこと。

 今日は2月28日。でも今年は閏年(うるうどし)だから明日1日(2月29日)がある・・得したのか?損したのか?・・と考えてサリーマン生活を送っていた。
 天気は晴れ~曇り、朝はチラチラと小雪が舞う。
 今日も畑。”オオイヌノフグリ”の花が咲き出している・・春近し。
 緑葉が絨毯の様に広がり、これに白青の水玉模様を散らした様に花が咲く。花は4枚の萼・4枚の青紫色の花弁(根元で纏まり、一つの花冠となる)で、ゴマノハグサ科クワガタソウ属の特徴である、2本の雄しべ・1本の雌しべ。
 ”オオイヌノフグリ”は、花が小さい”イヌノフグリ”より大きい花なので名付けられたようだ。”イヌノフグリ(犬陰嚢)”は”オオイヌノフグリ”と同科同属で、春に薄桃色の小さな花(径3mmほど)が咲く。かつては道端などで普通に見られた雑草であったが近年大幅に減少し、レッドデータブックでは絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)に指定されている。
 ”イヌノフグリ”の名は、二つ付いた果実の様子が犬のフグリ(陰嚢:いんのう)に似ているから・・とても小さなフグリ。
 オオイヌノフグリ(大犬陰嚢)
 別名:天人唐草(てんにんからくさ)、星の瞳(ほしのひとみ)、瑠璃唐草(るりからくさ)
 英名:Bird's eye
 学名:Veronica persica Poiret
 ゴマノハグサ科クワガタソウ属
 越年草
 ヨーロッパ原産、明治初期に渡来した帰化植物
 開花時期は2月~6月
 花色はコバルトブルー、花径は8mm程
 花は日が当たると広げ、日が陰ると閉じる


2019年の韓国合計特殊出生率は0.92、OECDで唯一の「1人未満」国家

2020-02-27 | 社会・経済
 韓国統計庁が発表した韓国の2019年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)は0.92となった(2月26日発表)。2018年に初めて1.0を下回り(0.98)世界最低水準となったが、低下に歯止めがかからない。
 韓国の出生率は80年代に2.0を割り込み、2018年には0.98と、初めて1.0を下回った。経済協力開発機構(OECD)平均(17年=1.65)を大きく下回り、日本(2018年=1.42)と比べても格段に低い。
 2019年に生まれた子どもの数は前年比7.3%減の30万3100人と、4年連続で前年を下回った。女性1000人あたりの出生児数は20代が前年比13%減、30代前半が同6%減と、若い世代で大きく減っている。
 韓国の出生率が低いのは複合的な要因が絡んでいる。漢陽大の河教授は「出産すると職場復帰しにくい労働環境、重い教育費負担、住宅価格の高騰などで、女性が出産をためらっている」と指摘する。女性の社会進出が進む一方、育児との両立のハードルはまだ高い。実家に支援を仰ぐか、高額のベビーシッターを雇う必要がある。学歴を重視する韓国では塾などの習い事にかかる費用も家計を圧迫する。景気減速も出生率低下に拍車をかけている。河氏は「若年層の所得の伸びは40代後半~50代に比べて低い。造船や自動車部品など製造業では子育て世代の30~40代がリストラ対象になり、出生率にも影響を与えた」と指摘する。
 ◆合計特殊出生率
 1人の女性が一生に産む子どもの数に相当
 人口推計で最も重要な指標が出生率で、2.07が人口維持の目安となる。
 ◆各国の合計特殊出生率
 台湾でも2010年には世界的最低の0.895を記録した。現在では、1.16(推測値)。
 中国では、2010年以降は1.0~1.3で推移し、2016年に1.25。人口を維持できるとされる2.07程度を下回る。
 米国は2017年に30年ぶりの水準に落ち込んだが、1.76にとどまる。
 日本の2018年の出生率は1.42。

 今日の天気は、曇り~晴れ。気温は、最高気温7°と平年並み・・でも寒く感じる。
 畑に行く。雑草が生い茂っている・・草取りしなくては。その中で、”ハコベ”に花が咲いている。小さな、白い花だ。”ハコベ”は、ナデシコ科ハコベ属の総称で、世界に約120種、日本には約18種あると言う。よく見られる”ハコベ”は、在来種の「ミドリハコベ」、近年の帰化種とされる「コハコベ」・・史前帰化植物との説あり、大柄の「ウシハコベ」の3種で、これらの区別はなかなか難しい。 この花が咲いている”ハコベ”は”コハコベ”のようだ。ハコベの花の花弁は5枚だが2深裂しているので10枚の様に見える。花柱(雌蕊の茎)はウシハコベは5本、他は3本で、茎が緑色なのはミドリハコベ、茎が淡褐色なのはコハコベ・・との区別から”コハコベ”(と思う)。
 ”ハコベ(ミドリハコベ、コハコベ)”は、日本では春の七草として食用にされてきた。しかし、世界的には小鳥が好む餌として利用され、英名:chick weed(ヒヨコの雑草)、別名:スズメグサ、ヒヨコグサとも呼ばれる。
 ハコベ(繁縷)
 別名:朝しらげ(朝日が出ると花が開くから)
 ナデシコ科ハコベ属
 一年草(越年草)
 開花時期は2月~9月


1滴の水滴から5Vの発電をする技術を開発

2020-02-25 | 科学・技術
 名古屋大学未来材料・システム研究所のアジ・アドハ・スクマ研究員と大野雄高教授ら及び九州大学グローバルイノベーションセンターの吾郷浩樹教授の研究グループは、一滴の水滴から5ボルト以上の発電をする技術を開発した。
 この発電装置は、プラスチックフィルム上に成膜された原子レベルで薄い二硫化モリブデンから構成されており、その表面を水滴が滑り落ちる時に発電する。従来、原子層材料の一種であるグラフェンを用いて同様の発電現象が報告されていたが、出力電圧は0.1ボルト程度にとどまっていた。
 研究では、半導体の原子層材料である二硫化モリブデンを用いることで、センサデバイスを駆動するのに十分な高い出力電圧を得ることに成功した。この技術は、工場排水のモニタリングのための自己給電型水質センサなどのIoTデバイスへの応用が期待される。
 ポイント
 〇1層の二硫化モリブデンをプラスチックフィルム上に大面積に成膜する技術を開発
 〇一滴の水滴から5ボルト以上の高い電圧を発電
 〇流体の存在する環境における自己給電型 IoTデバイスへの応用に期待
 成果の内容と意義
 1. 1層の 二硫化モリブデンをプラスチックフィルム上に大面積に成膜する技術を開発
 二硫化モリブデンは層状物質であり、極限的に薄くすると1原子レベルまで薄くすることができる。発電装置の実現には、プラスチックフィルム上に、大面積かつ1層の二硫化モリブデンを成膜する技術が必要であった。従来、原料となる酸化モリブデンと硫黄を成長装置の上流側に設置し、高温に加熱した基板に供給する方法がとられていたが、大面積の基板に均一に硫化モリブデンを成長させることは困難であった。
 本研究では、酸化モリブデンを基板に対向して設置するとともに 、均一に供給する 工夫を行うことにより、大面積で1層の二硫化モリブデンを成膜することに成功した。また、サファイア基板を用いることにより、高品質化も実現した。
 さらに、サファイア基板上に成長した二硫化モリブデンをプラスチックフィルム上に転写する技術も開発した。転写工程において、極めて薄い二硫化モリブデンを支持するため 、従来、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)フィルムが用いられていたが、大面積で転写するのは困難であった。本研究では、ポ リスチレンフィルムを支持材料として用いることにより、表面エネルギーの違いを利用して、簡便に大面積の二硫
化モリブデンを転写することに成功した。
 二硫化モリブデンは極めて薄い半導体材料であり、開発した成膜技術は発電装置のみならず、集積回路やフレキシブルエレクトロニクスなどへの半導体応用も期待できる。
 2. 一滴の水滴から5ボルト以上の高い電圧を発電
 プラスチックフィルム上に成膜した二硫化モリブデンを用いることにより、たった一滴の水滴から5ボルト以上の高い電圧を発生させることに成功した。
 発電装置は、二硫化モリブデンの両端に電極を形成した単純な構造である。発電装置を45°に傾け、水滴を表面に落とし、二硫化モリブデンの表面を滑らすと、電圧が発生する。1滴の水滴を落とすごとに、パルス状の5ボルトから8ボルトの電圧が発生した。
 従来、炭素の原子層材料であるグラフェンを用いることで同様の発電現象が知られていたが、発電電圧は数十ミリボルトから数百ミリボルトにとどまっており、センサなどの電子デバイスを動作させるには電圧が不十分であった。
 本研究では、半導体の原子層材料である二硫化モリブデンを用い、発電装置内で還流する電流を抑制することにより、センサ駆動に十分な高電圧化を実現した。さらに、3つの発電装置を直列接続し、3滴の水滴を同時に滴下することにより、15ボルトの発電にも成功した。
 3. 流体の存在する多様な環境における自己給電型IoT デバイスへの応用に期待
 この発電技術は、流体の存在する様々な環境において、自己給電型IoT デバイスの電源として利用することが想定される。 発電装置はプラスチックフィルム上に形成されており、柔軟性があるため、配管の内側の曲面などに設置することも可能であり、高い設置自由度をもつ。例えば、雨滴から発電する自己給電型の雨量計や酸性雨モニタ、工場排水から発電し、同時に排水の水質モニタリングを行う自己給電型水質センサなどのIoT デバイスへの応用が考えられる。
 ◆用語説明
 〇二硫化モリブデン
 層状の結晶構造を持ち、力が加わると容易に層間が滑るため、粉末は潤滑剤として用いられている。極限的に薄くすると1原子レベルまで薄くすることができる。1層まで薄くすると半導体材料として用いることができる。
 〇グラフェン
 炭素の層状物質であるグラファイトを1層まで薄くしたもの。金属的な材料であり、電池や透明導電膜など、多様なエレクトロニクス応用が期待されている。
 〇環境発電(エネルギーハーベスティング)
 身の回りに存在する微小なエネルギー(光、熱、振動など)を電力に変換する技術。身近なところでは、ソーラー腕時計などがある。
 〇フレキシブルエレクトロニクス
 柔軟性をもち、曲げられる電子デバイスを提供する技術。例えば、曲面に設置可能な IoTデバイスや人体に設置可能な電子デバイス(ウェアラブルデバイス)への応用が期待されている。

 天気は晴れ。気温は、最高気温13°と寒くはない。
 街路樹に”イチョウ”が植えられている。葉は既に落ち、実が樹の周辺に散り落ちている。”イチョウ”は雌雄異株、実は雌株にのみになる。・・実をだれも拾わない・・匂いが気にならないのかな。日本語では”イチョウ”の実を指して「ぎんなん」と呼ぶ、これは「銀杏」の唐音読み「ぎん・あん」が、連声と呼ばれる現象によって転訛したもの、と言う。
 因みに、”イチョウ”は「生きている化石」植物の一つである。イチョウ類は、約3億年前(古生代後期)に出現し、中生代に最も繁栄した。
 イチョウ(銀杏、公孫樹、鴨脚樹)
 イチョウ科イチョウ属
  裸子植物門イチョウ綱の中で唯一の現存している種
 雌雄異株 実は雌株にのみになる
 落葉高木
  広葉樹にも針葉樹にも属さない
 中国原産、鎌倉時代の渡来説が有力
 開花時期は4月~5月
  花粉は風で運ばれる(風媒花)。結実は9月~10月


ハイスループット実験で触媒インフォマティクスを実現する

2020-02-24 | 科学・技術
 北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科物質化学領域の谷池俊明准教授、西村俊准教授らは北海道大学の髙橋啓介准教授、熊本大学の大山順也准教授らと共同で、ハイスループット実験、材料ビッグデータ、データ科学を基盤とした触媒インフォマティクスを実現することに成功した。本成果は、2019年12月25日(米国東部時間)にACS Publications発行「ACS Catalysis」のオンライン版に掲載。
 ポイント
 〇ハイスループット触媒評価装置による材料ビッグデータの取得
 〇データ科学に立脚した触媒とプロセスの同時設計
 近年、自然科学においても人工知能(AI:artificial intelligence)という言葉が頻繁に聞かれるようになった。特に、機械学習などのデータ科学的な方法論を駆使し、材料科学の研究開発を飛躍的に加速せんとする試みをマテリアルズインフォマティクス(MI:Materials Informatics)と呼ぶ。
 研究グループは、MIを触媒開発に利用することを試み、メタンの酸化カップリング反応(OCM)において、日に4000点もの触媒データを自動取得可能なハイスループット触媒評価装置を設計し、これを用いて過去30年で蓄積されたデータ数を一桁上回る12000点ものデータをわずか3日で取得することに成功した。さらに、得られた触媒ビッグデータを機械学習などによって分析し、その結果に基づいて固体触媒や反応プロセスを通してOCMの反応収率を大きく改善することに成功した。
 MIは概念的な意味ではよく研究されてきたが、これが真に材料科学に革新をもたらすか否かは、質・規模ともに十分な材料データが用意できるかどうかにかかっていた。これまで研究者らが科学論文という形で積み上げてきたデータは、研究者の実験方法や興味を強く反映しており、また、性能の低い材料データを含まず、機械学習には不向きであった。ハイスループット実験によってこの問題を突破し、30年の研究が、実働1ヵ月に満たない短期間で実施できることを実証した。
 今後、同様な方法論がさまざまな材料分野における研究開発を飛躍的に加速させ、人類社会の持続的な発展に大きく貢献する材料を次々と生み出していく時代が来ると期待している。
 ◆用語解説
 〇メタンの酸化カップリング反応(OCM)
 普遍的に存在するメタンはそのままでは化学的な有用性が低く、これを触媒によって別の有用化合物へ変換することが望ましい。メタンの酸化的カップリングとは、メタンと酸素分子の反応を通してエタンやエチレンを直接合成する高難度反応である。
 〇ハイスループット触媒評価装置
 実験の回転速度をスループットと呼ぶ。ハイスループット実験装置とは高度な並列化や自動化によってスループットを劇的に改善する装置を指す。

 朝から晴れた。気温は上がらず、寒い。
 小さな花壇を区切る様に塀で囲まれている。その中に、黄色の花が咲いている。霜にも雪にも負けずに咲いている。”キンセンカ”だ。この花を見ると、チョット寒さを忘れる。
 主な開花期は春~初夏だが、暖冬だから咲いたのかな。
 名(キンセンカ:金盞花)の由来は、花の姿が「金の盃」からと言う。因みに、矮性種に雪が残る早春に咲く”冬しらず”がある。
 キンセンカ(金盞花)
 別名:カレンデュラ
   (Calendula)
   ポット・マリーゴールド
 キク科カレンデュラ属
 一年草、半耐寒性
 南ヨーロッパ原産、江戸末期に中国から渡来
 主な開花時期期は3月~6月
 花は径4cm~12cm
 花色は黄・橙色など


鉄腐食細菌は黒サビを使って腐食を加速させていた

2020-02-23 | 科学・技術
 国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクスの岡本章玄独立研究者と、Xiao Dengポスドク研究員 (現オーストラリア連邦研究所所属) 、理化学研究所 環境資源科学研究センターの堂前直ユニットリーダーらからなる研究チームによる、「鉄腐食菌が原因で発生する黒サビの導電性が、細菌活性を高め腐食を促進する役割があることを発見した。これまで細菌自身にとってゴミのようなものだと考えられてきた黒サビが、鉄腐食を促進することが分かったことで、今後細菌による腐食の新たな防止策として、黒サビの導電性を低下させる鉄合金材料の開発などが期待される。」本研究成果は、Angewandte Chemie International Edition誌にて同誌TOP 5%のVery Important Paper として2020年1月29日にオンライン掲載された。
 概要
 1.鉄腐食菌が原因で発生する黒サビの導電性が、細菌活性を高め腐食を促進する役割があることを発見した。
 これまで細菌自身にとってゴミのようなものだと考えられてきた黒サビが、鉄腐食を促進することが分かったことで、今後細菌による腐食の新たな防止策として、黒サビの導電性を低下させる鉄合金材料の開発などが期待される。
 2.石油パイプラインなどのインフラにおいて、硫酸還元菌と呼ばれる細菌による鉄の腐食が深刻な問題になっている。
 この細菌が代謝で生成する硫化水素が、鉄と反応して硫化鉄 (黒サビ) に変わり腐食が進行するが、鉄の表面が硫化鉄で覆われた後も腐食が進行する理由が不明で、効果的な防食法がなかった。研究グループは、細胞膜表面に特殊な酵素をもつ硫酸還元菌が、硫化鉄越しに鉄から電子を直接引き抜くことで腐食を加速させる可能性を明らかにした。ただその酵素を持たない硫酸還元菌でも高い腐食能を持つ場合があり、膜酵素を用いずに電子を引き抜いて腐食を進行させる仕組みがあることが示唆されていた。
 3.研究チームは、黒サビの主成分である硫化鉄の持つ導電性に着目した。
 硫化鉄のナノ粒子は細胞内や表面にも蓄積するが、今回、細菌の表面に形成された硫化鉄ナノ粒子を詳細に分析したところ、高い導電性をもつ結晶構造を持つことが分かった。さらに、硫化鉄ナノ粒子の有無で細菌の活性を比較したところ、硫化鉄ナノ粒子を持つ細菌のみが細胞外の固体電子源から電子を細胞内に取り込み、代謝が活性化されていることが分かった。この結果は、これまで単なる代謝副産物でゴミのようなものと考えられてきた黒サビが、重要な生化学機能を有することを示しており、硫酸還元菌であれば特殊な膜酵素がなくても電子の引き抜きによって鉄腐食を進行させることが可能であることを示唆している。
 4.今後は、導電性の低い結晶構造を持つ黒サビを発生させる鉄合金材料を開発する。
 細菌による腐食の進行を抑制するなど、環境に有害な殺菌剤を用いることなく細菌による鉄腐食を防ぐ技術の開発を目指していく。

イネの光合成機能を増強、最大28%の増収効果がある

2020-02-22 | 園芸
 東北大学大学院農学研究科牧野周教授、石山敬貴助教らの研究グループは、岩手大学農学部および国際農研との共同研究で、遺伝子組換え技術によって光合成の炭酸固定酵素ルビスコが約1.3倍量に増強されたイネ(ルビスコ増強イネ)を作出し、東北大学内にある隔離水田ほ場において収量評価試験を行った。その結果、ルビスコ増強イネは、同じ窒素施肥量において、玄米収量が最大で28%増加した。高い窒素利用効率と光合成の機能改善により、穀物の増収に結び付いた実例は、世界で初めてである。この研究成果は、世界的な食糧危機回避と地球環境保全に大きく貢献するものと評価されている。本研究の成果は、2020年2月18日、国際科学誌「Nature Food 1巻2月号」に発表。
 今世紀半ばには、世界の人口は100億人に達すると言われている。国際連合食糧農業機関は、人口の急激な増加と中国やインドなどの経済発展に伴う食生活の変化が、穀物の需給バランスを逼迫させ、世界的な食糧危機を到来させると警鐘をならしている。一方で、人類は1960年代に「緑の革命」と呼ばれる穀物の短稈種の開発に成功し、多量の窒素施肥に依存する食糧増産を図ってきた。しかし、多量の窒素施肥は、地球生態系の富栄養化や河川・海洋・大気汚染などの原因となり、大きな社会問題となっている。今後、さらに穀物の増収を図るためには、単に高い収量性を示す穀物を育種するのではなく、同じ窒素施肥量に対してもより高い収量性を示す「窒素肥料の利用効率の高い穀物」を開発する「第二の緑の革命」が求められる。
 本研究では、稲品種、能登ひかりを親品種に遺伝子組換え技術を用いて、炭酸ガス同化を担う光合成酵素ルビスコが約1.3倍量に増強されたイネ(ルビスコ増強イネ)を作出した。日本においては、遺伝子組換え技術を用いて作出された穀物を野外のほ場で栽培するには、文部科学省および環境省から承認を得なくてはなりません。数年におよぶ生物多様性評価試験を行い、その後一年間両省の審査を経て、「ルビスコ増強イネが他の生態系へ影響を与えない」との判断が下され、2016年4月に、ほ場における栽培が承認された。承認後の2016年から2019年までの4年間、宮城県農政部の視察のもと、厳密に管理された東北大学の「遺伝子組換え植物隔離ほ場」で栽培試験を行った。なお、日本の大学機関および文部科学省管轄の研究機構の中で、「遺伝子組換え隔離水田ほ場」を所有するのは東北大学附属川渡フィールドセンターのみです。
 その結果、10 g N m-2(10 kg N/10a)以上の窒素施肥区において、親品種の能登ひかりと比較してルビスコ増強イネの玄米収量が17%から28%増加した。詳細な収量構成要素および生化学的解析を行った結果、組換えイネの葉のルビスコ量およびその活性が増加し、それに伴い光合成速度の向上が観察された。この光合成機能の改善が、組換えイネの登熟歩合および稔実籾数増加につながり、収量増加に結び付いたことがわかった。
 この研究の学術的成果は、自然環境下のほ場において、遺伝子組換え技術を用いて作出された穀物の光合成機能の改善が、収量増加に結び付くことを実証した世界で初めての報告である。また、この研究の社会的意義として、本研究で使用したルビスコ増強イネは、遺伝子組換え技術を用いて作出されているため、すぐに農業現場に応用することはできないが、光合成の増強が新しいイネの新品種の開発に応用できることを示したことである。さらに、世界的な食糧危機回避と地球環境保全に貢献する研究成果と高い評価を受けている。
 ◆用語解説
 〇「緑の革命」と「短稈種」
 1960年代、人類の主要作物であるイネとコムギにおいて、短稈育種が行われた。人間の背丈ぐらいあった両作物は腰の高さぐらいまで小型化された短稈種の開発に成功、短稈種は倒伏に対して耐性を持ったことから、多量の窒素施肥を可能とした。今日までのイネとコムギの増収は、短稈種の導入による多肥に依存したもので、緑の革命と呼ばれている。ハーバー・ボッシュ法の普及により、空気中の窒素から安価なアンモニア肥料が生産可能となった背景も見逃せない。多量の窒素施肥は、葉の窒素含量を増加させ、その窒素含量の増加によって光合成能力を増大にさせる効果があり、同時に穂数や籾数の増加効果もあるため、イネやコムギの増産に直接結びつくものであった。
 〇ルビスコ
 光合成のCO2固定を触媒する酵素で、現在の大気CO2濃度では、植物の光合成全体の速度を決定していると考えられている。一般的に植物の葉の可溶性タンパク質の50%ほどを占め、地球上で最も多く存在するタンパク質であると推定されている。

 朝から昼頃まで、雨が降りそうな曇り空、午後からは晴れて、お日様が顔を出した。
 散歩で見つけた”プリムラ・ジュリアン”のミニミニ花園。
 ”プリムラ”はサクラソウ科サクラソウ属の耐寒性一年草で、世界で500種以上あると言われるほどに種類が豊富であり、花色も橙・黄・赤・・桃・白・青・紫などと多色である。プリムラの代表的な品種としては、プリムラ・ポリアンサ、プリムラ・オブコニカ、プリムラ・マラコイデスなどがあり、プリムラ・ジュリアンはポリアンサとシュリエの交雑種。
 プリムラ・ジュリアン
  (Primula juriana hybrid)
 サクラソウ科サクラソウ属
 耐寒性一年草
 ポリアンサとシュリエの交雑種の小輪矮性品種
 開花時期は12月~4月
 花は径3cm~7cm 
 花色は橙・黄・赤・桃・白・青・紫など


ハニカム構造による新規光閉じ込め現象を発見、優れた指向性を示す微小レーザーの作製に成功

2020-02-21 | 科学・技術
 物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 (WPI-MANA) の古月暁MANA主任研究者、王星翔NIMSジュニア研究員と、中国北京大学Renmin MA教授のグループからなる研究チームにより、「ハニカム型フォトニック結晶のトポロジカル特性による新規光閉じ込め現象を発見し、優れた指向性を示す微小レーザーの作製に成功した」。本成果は、「Nature Nanotechnology誌」にて英国時間2019年12月16日16時にオンライン掲載。
 物質の性質が系の形状の変化に影響されない「トポロジカル特性」に関する研究が盛んに繰り広げられ、量子コンピューターの実現など、優れた新規機能開発につながることが期待されている。一般的に物質の持つトポロジカル特性は、系の表面や縁に局所的に現れる(バルク-エッジ対応)。それらを利用すれば、抵抗を伴わない電流や欠陥にも散乱されない光・電磁波伝播が実現できる。しかし、トポロジカル特性が、表面や縁だけでなく、系全体の性能の向上に役立つか否かは解明されてなかった。
 研究チームは、トポロジカル特性を示す発光性半導体フォトニック結晶の周辺を、トポロジカル特性を持たないフォトニック結晶で囲むことで、その境界で光が反射され、中心部に閉じ込められた光モードが増幅する現象を発見した。このアプローチのユニークな点として、フォトニック結晶がトポロジカル特性を持つか持たないかは、三角空孔のハニカム配列をベースに、三角空孔の位置を、ハニカム配列の単位胞の中心からわずかに遠ざけるか近づけるかで作り分けることが可能である。このデバイスを用いた室温下での光照射レーザー発振は、微小なデバイスサイズにもかかわらず、共振器面に垂直な方向への優れた指向性を示す。さらに発光閾値などレーザー特性の指標も、IEEEやその他の工業規格を満たすことが確認された。
 今後の展開
 今回の研究によって、トポロジカルフォトニック結晶の全体にわたるレーザー発振が確認され、物質のトポロジカル特性が、系全体の性能の向上に役立つことが証明された。トポロジカル特性由来のレーザー発振原理は、マイクロレーザーのさらなる小型化、出力パワー向上や、光渦などの優れたレーザー性能探索などの研究開発の新しい指針になる。極小で優れた固体レーザー光源の開発は、近接場光学顕微鏡や、昨年ノーベル物理学賞の受賞で大きく注目された光ピンセットなど、ミクロな世界のレーザー技術をはじめ、医療・生命科学技術の革新にも寄与するものと期待される。トポロジカル特性由来の新しい反射機構は、光現象のみならず、電子系や弾性波を含む多くの振動現象にも応用でき、今回の研究成果は幅広い新規機能探索とデバイス開発につながると思われる。
 ◆用語解説
 〇フォトニック結晶
 誘電率や透磁率の異なる材料が周期的に並んでできた光の人工媒体のこと。材料の特性、構造の形状や周期配列の対称性など、さまざまなパラメーターの制御が可能であり、新規光機能の開発に利用されている。
 〇トポロジカル特性
 物体のつながり方を分類するための数学概念として、トポロジーが知られている。例えば、コーヒーカップとドーナッツに共に1つの空孔があるため、見かけ上違っているにもかかわらず、その二者はトポロジー的に同類である。連続変形に対して、空孔の数が変わらないからである。近年、一部の物質結晶中の電子やフォトニック結晶中の光モードの波動関数が、逆格子空間において特異なつながり方を示すことが明らかになった。その結果として現れる、サンプルの変形や欠陥からの影響を受けない輸送現象などがトポロジカル特性と呼ばれている。
 〇バルク-エッジ対応
 系全体の波動関数が非自明なトポロジカル特性を示す場合、必ずその表面や縁に新たな状態が現れる。表面や縁にある状態の強靭性は、系全体のトポロジカル特性によって担保されることが特徴である。
 〇多重量子井戸構造
 異なる物質の超薄膜の積層によって、垂直方向における電子の移動が束縛され、そのエネルギーが離散化される状態を得るための構造。レーザーなどでは、その構造を多重に繰り返すことによって発光効率が改善される。
 〇トポロジカルフォトニック結晶
 非自明なトポロジカル光特性を示すフォトニック結晶のことで、その表面や縁に、欠陥や鋭角経路にも散乱されない光・電磁波伝播経路が現れる。その実現方法として、磁場中で磁気光学特性を示すジャイロ物質を利用するものや、誘電体フォトニック結晶の対称性を利用するものが知られている。本研究は、発光性半導体のハニカムフォトニック結晶にわずかな変形を加え、モード反転を誘起することによって得られる光トポロジカル特性を利用している。
 〇双極子モード、四重極子モード
 方位角が一周するのに伴い、波動関数の値が正から負に変わった後に正に戻る、1回振動するモードのことが双極子モードと呼ばれる。この場合、波動関数が2つの方位角でゼロになっている。これに対して、四重極子モードでは、方位角が一周するのに伴い、波動関数が2回振動し、4つの方位角でゼロになっている。空間反転操作に対して、双極子モードの波動関数は符号を変えるのに対して、四重極子モードでは符号が変わらない。
 〇モード反転
 通常、波動関数のゼロ点を多く含むモードがより高いエネルギーや周波数を持つ。結晶の対称性や内部構造の設計によって、逆格子空間の一部において、ゼロ点の多いモードが逆に、ゼロ点の少ないものより低いエネルギーや周波数を取るようになることがモード反転と呼ばれる。ハニカム格子では、空間反転対称性の異なる双極子モードと四重極子モードが、同じエネルギーや周波数を示す。このため、ハニカム構造に微小な変形を加えることによって、容易にモード反転を引き起こすことができ、トポロジカル状態の創成に利用できる。

 今日の天気は晴れ。でも気温は低くまだ春は来ない。
 散歩での風景。田圃の中の神社、近くを走る新幹線、休耕田に作られたソーラーパネル・・現在の日本を象徴している様な風景だ。
 小さな神社は、羽山神社。五穀豊穣の神社として遷座され、鎌倉・江戸時代には羽山権現社として奥州各地より参拝者があったと言われる。現在、周囲は田園であるが、藩政時代は奥の院もあり広い社地が鬱蒼とした杉に包まれていた様だ。