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国際生物学賞にナオミ・エレン・ピアス博士が受賞

2019-08-20 | 学問
 独立行政法人日本学術振興会は、8月2日に国際生物学賞委員会(委員長井村裕夫:日本学士院幹事)を開催し、第35回国際生物学賞の受賞者をハーバード大学生物体・進化生物学科ヘッセル教授ナオミ・エレン・ピアス博士に決定した。今回の授賞対象分野は「昆虫の生物学(Biology of Insects)」。授賞式は、11~12月頃に、東京・上野の日本学士院において行われる予定。
 氏名:ナオミ・エレン・ピアス博士((Dr. Naomi Ellen Pierce)
 生年月日:1954年10月19日
 国籍:米国
 現職:ハーバード大学 生物体・進化生物学科ヘッセル教授
 略歴
 1983年 ハーバード大学 生物学 (Ph.D.)
 1989年-1990年 プリンストン大学 生物学科 准教授
 1991年-現在 ハーバード大学生物体・進化生物学科ヘッセル教授、比較動物学博物館チョウ目主事
 授賞理由
 ハーバード大学の生物体・進化生物学科教授で比較動物学博物館主事でもあるナオミ・ピアス博士は、現代昆虫学の最高権威のひとりである。ピアス博士の研究のメインテーマは昆虫と他生物の間の共生関係である。ピアス博士の研究は、シジミチョウとアリの共生関係に関する行動生態学が出発点であった。アリがシジミチョウ幼虫を寄生蜂などの攻撃から守り、チョウはその報酬として甘い蜜をアリに与えるのだが、たとえば蜜を分泌するチョウが成虫になると痩せてしまうなど、この共生行動にはコストが伴うことを野外実験で初めて厳密に明らかにした。これを皮切りに、昆虫が示す共生関係一般へと視野を広げ、現在の研究テーマは、共進化、相互適応、適応放散、寄生と防御反応と多岐にわたる。博士はまず、基本情報である共生の「登場人物」たるチョウとアリ、そしてやはり奇妙な送粉共生を示すランとハナバチの分子系統樹を構築した。これらのいわば「屋台骨」となる情報と生態情報を組み合わせた現代的比較法により、ピアス博士らは次々と新学説を提唱した。たとえば、ランとハナバチの共生関係は、以前に考えられていたよりも起源が古いこと、アリとシジミチョウの共生では相利性から寄生性が繰り返し進化したこと、アリの多様化には腸内共生菌が関与していることなどである。また機能的な側面からは、植物が病原微生物と食植性昆虫という二大天敵に対して示す防衛反応に関係するシグナリング経路やトレードオフに関する分子生物学的研究も行った。
 先端科学研究では、進展とともに研究対象を深く掘り下げる方向に進むのが常である。結果として材料生物も一種に絞り込まれることが多い。しかし、ピアス博士は逆に、研究対象生物を常に広げ続ける博物学的なアプローチをとっており、これは特筆に値する。ハーバード大学での指導では、常に新たな生物を対象にした新しい研究テーマを最先端技術を取り入れながら提示し続けてきた。ピアス博士は卓越した教育者でもあることから、博士の指導や助言を入り口に、多数の研究室出身者が、今では各々の対象生物と研究分野の権威として、世界中で活躍し研究を深めている。
 このように広くかつ深い研究分野の開拓者であるピアス博士の業績は高く評価され、今回の授賞対象分野が陸上環境で最も多様化した動物である昆虫に関する科学であるという点からも、国際生物学賞を授賞するに相応しいと結論づけた。
 ◆国際生物学賞
 国際生物学賞は、昭和天皇の御在位60年と長年にわたる生物学の御研究を記念するとともに、本賞の発展に寄与されている今上上皇の長年にわたる魚類分類学(ハゼ類)の御研究を併せて記念し、生物学の奨励を目的とした賞である。
 本賞は昭和60年(1985年)に創設され、以後毎年1回、生物学の授賞分野を選定の上、当該分野の研究において優れた業績を挙げ、世界の学術の進歩に大きな貢献をした研究者(原則として毎年1人)を選考して授賞している。
 受賞者には、賞状・賞牌及び賞金1千万円が贈られ、例年天皇陛下から賜品を賜っている。

 今日は朝から雨。15時頃から小止み。最高気温25℃程と今日は涼しい。
 畑に植えた”オクラ”。花が咲き、実が取れ出した。花は淡い黄色にワインレッドの咽部をもつ花で、花後に直立する角状の莢を付ける。花はすぐに萎む1日花。
 品種には、実の切り口が五角形になる品種や丸い品種などがある。食用とするオクラは若い莢で、開花から1週間から10日、長さ10~15cm位が収穫どきである。
 オクラの種類
  角オクラ:多くは莢の断面が五角形の”五角オクラ”で、六角形や八角形などもある。
     大きく成長しすぎると角が硬く食感が悪くなる。収穫は長さ10cm程。
  丸オクラ:莢に角のない(実の断面は丸型)のオクラを「丸オクラ」や「島オクラ」と呼ぶ。
     角オクラと比べ、多少収穫が遅れても硬くなり難い。収穫は15cm~20cm程で。
  赤オクラ:莢が鮮やかな紫紅色のオクラ。彩のアクセントになるサラダで食べるのがおすすめ。
  花オクラ:花が大きく、花びらが食用。花には実と同じように粘りがあり、生のままでサラダ、天麩羅などで食べる。
 オクラ(秋葵)
 別名:陸蓮根(おかれんこん)、アメリカネリ
 英名:okra
 学名:Abelmoschus esculentus
 アオイ科トロロアオイ属
 日本では一年草(熱帯では多年草)
 原産地はアフリカ北東部(エチオピアが有力)
 エジプトでは、紀元前200年頃には栽培されていたと言う
 日本には中国を経て江戸時代の終わりに渡来
   本格的に普及したのは昭和40年頃
 開花時期(収穫時期)は7月~10月


国際地理五輪、日本代表の高校生がメダル銅1を獲得

2019-08-15 | 学問
 文部科学省と国際地理オリンピック日本委員会が、「日本代表の高校生1人が銅メダルを獲得した。」と発表した。
 世界の高校生が地理の力を競う第16回国際地理オリンピックが、2019年7月30日から8月5日まで香港で開催された。世界44ヵ国・地域の166人が参加した。
 日本代表は、国内大会の成績優秀者から4人が選抜された。このうち、中尾俊介君(京都・洛星高校3年)が銅メダルを獲得した。中尾君は昨年の同大会にも出場している。
 日本からはほかに、飯田菜未さん(茨城県立土浦第一高校3年)、植山隆斗君(東京・早稲田高校3年)、高野広海君(千葉・渋谷教育学園幕張高校3年)が参加した。
 国際地理オリンピックの試験は、マルチメディア試験、記述式試験、フィールドワーク試験の3つからなる。試験はいずれも英語での出題、解答である。
 メダルは上位12分の1に金メダルが、続く12分の2に銀メダルが、続く12分の3に銅メダルが与えられる。国ごとのチームで取り組むポスター発表もある。
 ◆過去の国際地理オリンピックにおける日本代表の成績
 2016年(第13回中国・北京大会)
銀メダル2名、銅メダル1名(参加規模:44ヵ国・地域、172名)
ポスターセッションにおいて参加44 か国・地域の中で上位4 か国に与えられる優秀賞を獲得
 2017年(第14回セルビア・ベオグラード大会)
銀メダル1名、銅メダル1名(参加規模:41ヵ国・地域、160名)
ポスターセッションにおいて第1位を獲得。
 2018年(第15回カナダ・ケベック大会)
   メダル獲得なし(参加規模:43ヵ国・地域、167名)

 朝は小雨、次第に晴れ、お日様が出る。風がとても強い。湿度が高いし最高気温が33℃なので、兎に角暑い。
 お庭で見つけた、”ハナトラノオ”の花、咲き出した。茎先に長い円錐状の花序で花・蕾が沢山付いている。
 花穂の形が虎の尾に似ているのを”トラノオ”と呼ぶ。花が美しいのを ”ハナトラノオ(花虎の尾)”と言う。
 名が”○○トラノオ(○○虎の尾)”の花には、科が違うのに結構似た形がある。蓼(たで)科の伊吹(いぶき)虎ノ尾・春(はる)虎ノ尾 、桜草(さくらそう)科の岡(おか)虎ノ尾 、ゴマノハグサ科の瑠璃(るり)虎ノ尾などである。
 ”ハナトラノオ(花虎の尾)”の花は長さ3cm程の唇形で、角の4隅4列に花列となり花穂を咲き上がっていく。別名で”カクトラノオ(角虎の尾)”と呼ばれるが、これは茎の断面が四角形(4隅に花列)だから。因みに、花言葉は達成。
 ハナトラノオ(花虎の尾)
 別名:角虎ノ尾(かくとらのお)、フィソステギア(学名から)
 学名:Physostegia virginiana
 シソ科ハナトラノオ属
 宿根草
 北米東部原産、大正時代に渡来
 開花時期は7月~9月
 花は長さ3cm程の唇形の花。これが4列となっており、花穂が咲き上がる
 花色は桃紫色~白色


国際物理五輪で日本代表の高校生5人がメダル金1銀4を獲得

2019-08-13 | 学問
 文部科学省・物理オリンピック日本委員会が発表。
 日本代表の高校生5人がメダル金1・銀4個を獲得した。
 第50回(2019年)国際物理オリンピックが、イスラエルのテルアビブで、2019年7月6日から15日まで開催された。世界78ヵ国・地域から360人が参加し、理論問題・実験問題に各5時間をかけて挑んだ。金メダルは例年、参加者の約8%、銀メダルは約17%、銅メダルは約25%に与えられる。因みに、来年(2020年)は、リトアニアで開催される予定。また、2022年(第53回)には日本で開催される予定。
 ◆受賞者
 金メダル
 千葉遼太郎:筑波大学附属駒場高等学校(東京都) 3年(17歳)
 銀メダル
 池田紘輝:大阪府立天王寺高等学校(大阪府) 3年(17歳)
 笹木宏人:筑波大学附属駒場高等学校(東京都) 3年(18歳)
 末広多聞:大阪星光学院高等学校(大阪府) 3年(18歳)
 山田耀:筑波大学附属駒場高等学校(東京都) 3年(17歳)
   (年齢は本大会終了日時点のもの)
    末広さんは2018年の国際物理オリンピックで銀メダルを獲得

 今日の天気は曇り、時々晴れ。最高気温は、31℃と今日も夏日で暑い。
 散歩道沿いのマンション前の花壇で、”ホウセンカ”の花が咲いている。昨年も、一昨年も咲いていた。花色は紅・白である。
 本来の花の色は赤で、昔昔”ホウセンカ”で爪を染めたことから、別名に”ツマクレナイ(爪紅)””ツマベニ(爪紅)”がある。韓国の言い伝えに、爪に”ホウセンカ”の汁を塗り、初雪まで色が残っていたら恋が実る、がある。
 花が終わると果実(種袋)ができる。成熟し乾燥すると、指で触るなどの些細な刺激でも中の種がはじけ飛ぶ(種子の自動散布)。花言葉は「私に触れないで」・・とある・・セクシャルハラスメント(セクハラ)は嫌い。
 名の”ホウセンカ”は中国名:鳳仙花の音読み、花の形が羽ばたく鳳凰の姿から。因みに、アフリカ鳳仙花とは日日草(にちにちそう)に似たインパチエンス。
 ホウセンカ(鳳仙花)
 別名:爪紅(つまくれない)、爪紅(つまべに)
 ツリフネソウ科ホウセンカ属
 一年草
 原産地は東南アジア
  日本には室町に渡来したと思われる
 開花時期は7月~9月
 花径は数cmで5弁花、花色は白・紅・ピンクなど
 花が終わると果実(種袋)ができる。これが成熟し乾燥すると軽く押さえただけで中の種がはじけ飛ぶ


国際情報五輪、日本代表の高校生全員がメダル金1銀3獲得

2019-08-12 | 学問
 文部科学省と情報オリンピック日本委員会が、「第31回国際情報オリンピック(IOI)で、日本代表として高校生4人が参加し、金メダル1個・銀メダル3個を獲得した。日本代表が金メダルをとるのは14年連続。」と発表した。
 ◆日本代表の成績
 金メダル
 米田優峻:東京・筑波大学附属駒場高校2年
 銀メダル
 戸髙空:宮崎県立宮崎西高校3年
 平木康傑:兵庫・灘高校2年
 行方光一:東京・筑波大学附属駒場高校3年
  行方君は、日本で開かれた昨年の大会も代表として出場し、銅メダルを獲得。
  米田君は昨年代表からは漏れたが開催国として特別参加し、金メダル相当の成績を残している。
 ◆開催
 開催地:アゼルバイジャン共和国バクー
 開催期間:2019年8月4日から11日まで
 参加者:世界87ヵ国・地域 の高校生ら327人が参加
 競技:与えられた問題を解くために効率や質のよいアルゴリズムを考え出し (アルゴリズムの設計)、正しく動作する解法プログラムを実装することが求められる。1日5時間で3問で解く競技が2日間にわたり行われた。
 メダル獲得:金メダルは参加者の成績上位者約12分の1に、銀メダルは続く約12分の2に、銅メダルは続く約12分の3に与えられる。

 早朝は小雨。日の出の頃から晴れ上がる。湿度が高く、最高気温30℃なので、今日も暑い。
 道沿いマンションの小さな花壇で、”ニチニチソウ”が満開だ。手入れが良く、雑草が少ない。
 開花時期が6月~10月と長いので、まだまだお花は咲く。花は数日と短命だが毎日の様に新しい花を咲かせるので、ニチニチソウ(日々草)と名付けられた、と言う。
 ”ニチニチソウ”には、ビンカアルカロイドと総称する10種以上のアルカロイドが、全草に含まれる。そのうちの、ビンクリスチンとビンブラスチンには薬用作用があるが、食べると、嘔吐・下痢程度では済まない。
 因みに、”ツルニチニチソウ(ツルビンカ)”はキョウチクトウ科ツルニチニチソウ属であり別属の植物である。
 ニチニチソウ(日日草)
 別名:日日花(にちにちか)、ビンカ
 学名:Catharanthus roseus
     (Vinca rosea)
 キョウチクトウ科ニチニチソウ属
 一年草
 原産地はマダガスカル~インド
 日本には江戸中期に入ったとされる
 開花時期は6月~10月
 花は径3~4cm
(大輪品種で径5cm、極小輪品種は1cm位)
 花弁は5枚に見えるが、根元が筒状で先が大きく5つに裂けている
 花色は白・紅・ピンクなど
 中心に赤や黄色の芽が入るのがある



国際化学五輪、日本代表4名がメダル金2銀2を獲得

2019-08-03 | 学問
 文部科学省と日本化学会などが、第51回国際化学オリンピックで日本代表の高校生4名が金2、銀2のメダルを獲得した(7月30日発表)。
 国際化学オリンピックは、1968年にハンガリーなど東欧3カ国で第1回が開催された。日本は2003年から参加。今年は80の国・地域から309人が参加した。開催地は、フランス(パリ)。開催期間は、令和元年7月21日(日曜日)~30日(火曜日)。2021年は日本で開催される。
 それぞれ5時間の実験問題と理論問題に挑んだ。参加者の上位約1割に金メダル、同約2割に銀メダル、同約3割に銅メダルが授与される。
 受賞者
 金メダル
  末松万宙(すえまつ まひろ):栄光学園高等学校(神奈川県)2年
  西野拓巳(にしの たくみ):東大寺学園高等学校(奈良県)3年
 銀メダル
  大渕将寛(おおふち まさひろ):横浜市立南高等学校(神奈川県)3年
  平嶋瞭一(ひらしま りょういち):灘高等学校(兵庫県)3年
 ◆国際化学五輪における過去3年間の日本代表の成績
 2016年(第48回ジョージア・トビリシ大会)
  金メダル1名、銀メダル3名(参加規模:67ヵ国・地域、264名)
 2017年(第49回 タイ・ナコンパトム大会)
  金メダル1名、銀メダル3名(参加規模:76ヵ国・地域、297名)
 2018年(第50回 スロバキア・ブラチスラバ&チェコ・プラハ大会)
  金メダル1名、銀メダル2名、銅メダル1名(参加規模:76ヵ国・地域、300名)

 今日も朝から晴れ、雲がとても少ない。最高気温は35℃と猛暑日になったのかな。今日の畑作業は、日の前に出かけ、雑草取り、日が昇ってきたら暑い。
 ”ヤマブドウ”に花が付き、実も付いている。花は、淡緑色の花弁が5枚・雄しべ5本、花弁と雄しべは直ぐに脱落する・・花弁の付いた花を見つけるのが難しい。”ヤマブドウ”と良く似た花に”ヤブガラシ”の花がある。”ヤブガラシ”の花は小さな花(径数mm)で、薄緑色の花弁4枚と雌蕊1本と雄蕊4本。実が付けば直ぐに分かるけど。
 ”ヤマブドウ”の小さな実は、しばらくしたら、宝石の様に紫・緑青・黒紫色などになり綺麗になる・・でも食用にはならない。
 ノブドウ(野葡萄)
 別名:蛇葡萄(へびぶどう)
 ブドウ科ノブドウ属
 落葉蔓(つる)性木本、樹木などに絡み付く
 開花時期は7月~8月
 花色は淡緑色、径3mm程の小花が沢山咲く
 実色は綺麗、でも食用にならない


国際生物学オリンピック、日本代表4人がメダル銀2銅2を獲得

2019-07-27 | 学問
 文部科学省が、「今年の第30回国際生物学オリンピックで、日本代表の高校生4人が銀メダル2個と銅メダル2個を獲得した」と発表した(7月21日)。
 開催地はハンガリー・セゲドで、2019年(令和元年)7月14日(日曜日)~20日(土曜日)に開催された。参加国数は72ヵ国・地域の285名である。
 ◆受賞者
 銀メダル
  小野俊祐さん
   鳥取県立鳥取西高等学校(鳥取県) 3年(18歳)
  椋木優斗さん
   灘高等学校(兵庫県) 3年(18歳)
 銅メダル
  長谷川修造さん
   灘高等学校(兵庫県) 2年(16歳)
  星野敬太さん
   栄光学園高等学校(神奈川県) 2年(17歳)
    (年齢は本大会終了日時点のもの)
 例年、金メダルは参加者の上位約1割に、銀メダルが続く約2割に、銅メダルが続く約3割に贈られる。
 ◆大会概要
 国際生物学オリンピックは、1990年に現在のチェコ共和国にて第1回大会が開催された。
 2019年のハンガリー大会は、第30回目。2020年の国際生物学オリンピックは7月に長崎県で開かれる予定。日本での開催は、09年の筑波大会に続き2度目となる。
 ◆過去の国際生物学オリンピックにおける日本代表
  日本は、2005年から参加し、毎年4名の選手を派遣。
 2014年(第25回 インドネシア大会)
  金メダル1名、銀メダル3名(参加規模:61か国・地域、239名)
 2015年(第26回 デンマーク大会)
  金メダル1名、銀メダル2名、銅メダル1名(参加規模:61か国・地域、239名)
 2016年(第27回 ベトナム大会)
  金メダル1名、銀メダル3名(参加規模:68か国・地域、263名)
 2017年(第28回 イギリス大会)
  銀メダル4名 (参加規模:64か国・地域、241名)
 2018年(第29回 イラン大会)
  銀メダル2名、銅メダル2名(参加規模:71か国・地域、269名)
 2018年(第30回 ハンガリー大会)
  銀メダル2名、銅メダル2名(参加規模:72か国・地域、285名)

 朝に一時小雨、昼頃から曇りから晴れ。畑の作業は、勢い盛りの雑草と対戦・・土が重い。
 道路の植栽地に”ヤブガラシ”が繁茂している。小さな花が咲き、花の中心がオレンジ色・・花弁はすぐに落ちてしまう。ノブドウの花にとても良く似ている。
 両者の違いは、葉の形で、ノブドウはブドウ特有の葉の形。”ヤブガラシ”の小さな花(径数mm)は薄緑色の花弁4枚と雌蕊1本と雄蕊4本、ノブドウの花弁も薄緑色であるが花弁5枚。両者とも花弁の色が薄緑なので目立たない。目立つのは、雌蕊が立っていた橙色の花盤(盤状の花托)で、この橙色の花盤が小さな花に見える。
 ”ヤブガラシ(藪枯らし)”は、名の通り藪を覆って枯らしてしまう程に生育・繁茂する。別名に”ビンボウカズラ(貧乏葛)”とあり、この植物に絡まれた家は貧乏に見える、とかで、この植物が生えると貧乏になる等の意味の解釈がある。
 ヤブガラシ(薮枯らし)
 別名:貧乏葛(びんぼうかずら)
 学名:Cayratia japonica
 ブドウ科ヤブガラシ属
 蔓性多年草
 繁殖は地下茎、(および種子)
 開花時期は7月~9月
 花は散房状の集散花序につき淡緑色の小さな花(径数mm)が沢山咲く
 多くは実を付けないが、一部(2倍体株)は小さなブドウ様の果実を付け紫黒色に熟す


2019年国際数学オリンピック、日本代表6人がメダル金2・銀2・銅2個獲得

2019-07-26 | 学問
 文部科学省は、2019年国際数学オリンピックで日本代表選手6人が、メダル金2・銀2・銅2個獲得したと発表した(7月21日)。国別順位では、13位という成績であった。
 英国・バースで、7月11日から7月22日まで国際数学オリンピックが開かれた。参加国数・地域は112ヶ国、人数は621名(男子556名、女子65名)である。受賞状況(大会全体)は、金メダル52名、銀メダル94名、銅メダル156名であった。因みに、来年はロシアで、2023年には日本で開かれる。
 ◆日本代表選手
 金メダル
  兒玉太陽:海陽中等教育学校 6年 静岡県
  坂本平蔵:筑波大学附属高等学校 3年 東京都
 銀メダル
  平石雄大:海陽中等教育学校 5年 広島県
  宿田彩斗:開成高等学校 2年 埼玉県
 銅メダル
  渡辺直希:広島大学附属高等学校 2年 広島県  昨年銅メダルで入賞
  早川睦海:宮崎県立宮崎西高等学校 3年 宮崎県
 ◆日本の順位
 日本は1990年の第31回北京大会より参加した。1ヵ国あたり、最大6人の選手が参加できる。
 2010年 - 7位(金2, 銀3)
 2011年 - 12位(金2, 銀2, 銅2)
 2012年 - 17位(銀4, 銅1)
 2013年 - 11位(銀6)
 2014年 - 5位(金4, 銀1, 銅1)
 2015年 - 22位 (銀3, 銅3)
 2016年 - 10位(金1, 銀4, 銅1)
 2017年 - 6位(金2, 銀2, 銅2)
 2018年 - 13位(金1,銀3,銅2)
 2019年 - 13位(金2,銀2,銅2)

 朝から晴れ、時々曇り。晴れの日が続いたので、畑が少し乾燥してきた。
 畑までの道沿いに”ニラ”畑がある。この”ニラ”に花が咲きだした。
 ”ニラ”には独特の匂いがある。この匂いは硫化アリル(アリシン)などの硫黄化合物である。この独特の匂いから、名(ニラ)の由来に”においきらう(香嫌)”から”ニラ”に変化したと言う説がある。食べて美味しいから”みら(美辣)”が”ニラ”となった説もある。古い時代(古事記・万葉集)では加美良(かみら)・久々美良(くくみら)→みら、と呼ばれている。
 食べるのは、根元から生える葉・・若い葉が美味しい。葉をどんどん採ると、どんどん伸びる。
 因みに、「韮」は春の季語で、「韮の花」は夏の季語である。
 ニラ(韮、韭)
 ユリ科(ヒガンバナ科)ネギ属
 多年草
 緑黄色野菜
 原産地は東アジア
 史前帰化植物、古い時代(弥生時代?)に渡来
 開花時期は8月~10月
 花は半球形の散形花序で白い小花を沢山付ける
 花弁が6枚に見えるが、花弁は3枚で苞が3枚
 子房には黒色の小さな種ができる


ブループラネット賞にエリック・ランバン氏とジャレド・ダイアモンド氏に

2019-07-21 | 学問
 旭硝子財団が地球環境問題の解決に尽くした研究者らに贈る「ブループラネット賞」の2019年(第28回)の受賞者に、世界の土地利用変化が生態系に悪影響を及ぼすことを明らかにしたベルギーのルーバン・カトリック大学教授のエリック・ランバン(Eric Lambin )氏と、環境問題が国家や文明の存続に与える影響を研究した米カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授のジャレド・ダイアモンド(Jared Diamond)氏の2人が選ばれた(7月10日発表、12月11日表彰式)。
 エリック・ランバン教授(ベルギー);1962年9月23日生まれ
 ベルギー ルーヴァン・カトリック大学教授、スタンフォード大学教授・学部長
 世界的規模での土地利用の変化、その生態系への影響や土地利用政策の有効性を衛星リモートセンシング技術と独自の時系列解析手法を用いて、土地利用の変化が地球の自然システムへ悪影響を及ぼしていることを早くから指摘した。更に、社会経済データと結び付けて経済活動との関係も明らかにした。これは公共機関や民間企業における森林保護のための土地利用方針に大きな影響を与え、森林認証制度の活用やグリーン購入/調達の推進へ科学的根拠を提供した。グローバル規模での経済活動の持続可能性を改善するため、人々の行動と土地利用の統治管理の促進に大きく貢献した。
 ジャレド・ダイアモンド教授(米国);1937年9月10日生まれ
 カリフォルニア大学ロサンゼルス校地理学部教授、歴史家、作家
 代表的な著作である、「銃・病原菌・鉄」、「文明崩壊」、「昨日までの世界」の三部作を通じて提示された論考は、並外れた知的探求の結果生み出された文明論、組織論、社会論を包含し、非常に広範な視野から今日の環境問題の根源を深く洞察し、人類文明史における環境問題の意義を独自の視点から解き明かした。「文明崩壊」では、地球環境問題の主要な論点として12項目を列挙している。環境問題は人類の歴史の基礎であるとして、国や世代を超えて人々の現代文明への意識に働きかけ、人々の価値観を目指すべき次の文明のあり方へと意識を向けさせた功績は高く評価される。
 ◆ブループラネット賞(地球環境国際賞)
 ブループラネット賞は、公益財団法人旭硝子財団により1992年に創設された地球環境国際賞である。
 地球環境問題の解決に大きく貢献した個人や組織に対して、その業績を称えて贈られる。国内外のノミネーターに候補者の推薦を依頼し、その中から毎年原則として2件を選定する。受賞業績1件に対して、賞状、トロフィーおよび副賞5千万円が贈られる。

 今日の天気は曇り~小雨、時々晴れ。畑作業は、”ズッキーニ”の受粉作業、まだ元気に花を咲かせている。
 玄関前に植えられている”ナツツバキ”に白い花が咲いている。花は”ツバキ(椿)”に似ている。朝に開花し、夕方には落花する一日花だ。
 名(ナツツバキ、夏椿)の由来は、花の形が椿の様で夏に開花するから。別名の沙羅の木(しゃらのき)は、沙羅双樹(さらそうじゅ)と勘違いして付けられたとか。成長した幹の樹皮は帯紅色で滑らかなので、別名(方言名):サルスベリと言うところもあると言う。
 ナツツバキ(夏椿)
 別名:沙羅の木(しゃらのき)
 ツバキ科ナツツバキ属
 落葉高木(樹高は10m~20m)
 葉は椿の様な肉厚で光沢のある葉ではなく、秋に落葉する
  (ツバキ科の数少ない落葉樹)
 開花時期は6月~7月
 花色は白、花径は数cm
 花弁は5枚で雄しべの花糸は黄色


第39回猿橋賞は金属材料研究所梅津理恵准教授が受賞

2019-04-17 | 学問
 「女性科学者に明るい未来をの会」は、自然科学分野で優れた業績をあげている女性研究者をたたえる「猿橋賞」の2019年の受賞者に東北大の梅津理恵准教授(49歳)を選んだと発表した(4月15日)。
 梅津理恵氏の研究業績
 ハーフメタルをはじめとするホイスラー型機能性磁気材料の物性研究
 梅津理恵氏は、Mn(マンガン)・Fe(鉄)・Co(コバルト)・Ni(ニッケル)などの遷移金属元素が主たる構成元素となる機能性金属磁性材料の起源解明に向けた基礎研究を行っている。なかでも、X2YZ(X,Y=遷移金属元素、Z=半金属・半導体元素)という分子式で表される、ホイスラー合金と呼ばれる一連の物質群は、形状記憶特性や、超弾性、巨大磁気熱量効果、巨大磁気抵抗効果など様々な機能を有することで知られており、実用材料として盛んに研究がなされている。
 ホイスラー合金のうち、ハーフメタルと呼ばれる特異な電子状態をもつ物質は、電子のスピンの向きによって異なる電子状態を有し、片側のスピンの向きの電子は金属的な状態であるのに対して、反対の向きのスピンをもつ電子は半導体的であることから、伝導に寄与する電子のスピンの向きが完全に揃うことになる。したがって、電子の電荷とスピンを別々に制御して機能性材料として利用するスピンエレクトロニクス分野で非常に有用な材料であると期待されている。梅津氏等は、ホイスラー合金のうち、ハーフメタル物質であるMn2VAl合金について、SPring-8の放射光を用いて、X線吸収分光(XAS)とその磁気円二色性(MCD)や、共鳴非弾性X線散乱(RIXS-MCD)測定を行うことで、その電子状態の観測を行った。特に、ハーフメタル物質における完全な高分解能RIXS-MCD測定は、世界で初めての報告となる。これらの研究成果は、ハーフメタル型物質の電子状態観測に放射光がきわめて有用であることを示している。
 特異な電子状態を有する物質提案の立場では、第一原理計算を用いた理論研究が大きく先行している中、これまで実際に実験から得られる特性は、計算の結果とかけ離れている場合があった。梅津氏等はホイスラー合金の相安定性に関する実験的研究も行っており、二相分離や析出物の出現、原子配列の乱れなどが理想とする特性を引き出せない要因であることを明らかにし、高い磁気特性と相安定性を兼ね備えた磁性材料探索のための重要な指針を与えてきた。
 パソコンなどに使われる記憶素子の性能をさらに高める材料に応用できるとして期待が高まっている
 因みに、東北大学における猿橋賞受賞者は、小谷元子教授(材料科学高等研究所長、2005年第25回受賞)に次いで、梅津准教授が2人目となる。
 ◆猿橋賞
 地球化学者の猿橋勝子によって創設。「女性科学者に明るい未来をの会」(1980年創立)から毎年5月頃に、自然科学分野で顕著な研究業績をおさめた50歳未満の女性科学者に「女性自然科学者研究支援基金」を原資として贈られる。
 賞金額は30万円。受賞者は学会などの他薦、自薦の応募者の中から選定される。

 朝から晴れていい天気。気温の最高気温20℃程とか。風も弱いので、お日様がとっても暖かい・暑いくらい。
 散歩道沿いで、垣根沿いに植えられている”ウグイスカグラ”に花が咲いている。花の数は多くないので、見過ごしてしまう。花冠は細い漏斗形で、先端は5裂して開く。花色は、名の”ウグイスカグラ”からだと「うぐいす色:くすんだ黄緑色」だが、ピンク色である。花後の果実はグミの様な楕円形の液果、初夏に透明感のある赤に熟す。
 名(ウグイスカグラ:鶯神楽)の由来には諸説あるが、鶯が鳴き始める頃に花が咲く、からと言う。
 ウグイスカグラ(鶯神楽)
 別名:ウグイスノキ
 スイカズラ科スイカズラ属
 落葉性低木
 原産地は日本(北海道~本州、四国)
 開花時期は3月~5月
 花色は薄ピンク色、花冠は細い漏斗型で先は5裂して開く
 初夏(6月頃)に1cm程の果実が透明感のある赤に熟し、食べれる


国内最古級、白亜紀前期の獣脚類恐竜化石を徳島勝浦町で発見

2019-04-15 | 学問
 徳島県立博物館は、「徳島県勝浦町の白亜紀前期(約1億3千万年前)の地層から恐竜「獣脚類」の左すねの骨と歯の化石が見つかった」と発表(3月11日)。獣脚類はほとんどが肉食恐竜であり、獣脚類としては国内最古級で、中四国で見つかるのは初めて。
 地層から見つかった獣脚類の化石は、すねの骨は長さ約19.5cm、幅約3cm。先が5cmほど欠けているとみられる。
 同町ではこれまで草食恐竜の鳥脚類や竜脚類の化石が見つかっている。県立博物館が中心となって昨年11月~12月に発掘調査を実施し、獣脚類の骨のほか、竜脚類の歯1点やカメの甲羅21点など合計47点の脊椎動物の化石が見つかった。
 すねの骨は福井県立恐竜博物館でCTスキャンなどを使って鑑定し、獣脚類と特定。同館の東洋一特別館長は「すねの骨の長さから推測すると、体長2m位の小型の恐竜ではないか」と話している。獣脚類の歯は昨年春に見つかっていたが、鑑定の結果、今年2月に特定できた。
 東特別館長は「今後の発掘で化石や足跡が見つかれば、恐竜の移動の道筋が見えてくる」と期待を寄せた。
 今回見つかった化石はゴールデンウイークに徳島県立博物館で展示される予定。
 ◆獣脚類(じゅうきゃくるい、学名:Theropoda)
 獣脚類は、竜盤類の恐竜の一分類群(タクソン)。
 獣脚類の恐竜は二足歩行をし、ティラノサウルスのような陸生動物史上最大級の体躯を誇る大型肉食恐竜やヴェロキラプトルのような軽快な身体つきをした小型肉食恐竜を含む多様なグループである。食性においては肉食のものが多いが、魚食を主にしたものや雑食、植物食になったものなど多様な生態をもった。
 鳥類の祖先も獣脚類の恐竜の原鳥類から進化した。そのため獣脚類は鳥類をも含む分類群でもある。

 天気は朝から晴れ。風がとても強い・・体感温度が数度程下がる・・感じだ。
 道路の中心に植樹帯がある。交差点付近には、”シバザクラ”が植えられている。色とりどりの花が咲き出している。満開になったら、綺麗な絨毯の様になる。
 名(シバザクラ:芝桜)の由来は、芝の様な広がりの花、桜の様な花・・から。
 シバザクラ(芝桜)
 別名:花詰草(はなつめくさ)
 学名:Phlox subulata
 ハナシノブ科フロックス属
 多年草
 原産は北アメリカ東部
 開花時期は4月~5月
 絨毯状に地面を覆い花が咲く
 花は桜に似ている
 花径2cm位、花色は紅・白・紫など
 白花は、茎が暗赤なので、リトルドット(・・と思う)


2019年度日本学士院賞に藤田氏ら9人に、藤田氏は恩賜賞も受賞 

2019-03-14 | 学問
 日本学士院は、優れた業績を上げた研究者に贈る日本学士院賞に、液体に溶けた化学物質を結晶化させずにエックス線で構造解析をする技術を開発し、創薬研究に大きく貢献した東京大の藤田誠教授ら9人を選んだと発表した(3月12日)。藤田氏には恩賜賞も贈る。
 受賞者と授賞理由(敬称略)
 日本学士院賞・恩賜賞
 藤田誠:61歳。東京大教授、有機化学・錯体化学。結晶スポンジ法という、化学物質の結晶化が不要なエックス線構造解析手法を開発。
 日本学士院賞
 山崎志郎:61歳。大妻女子大教授、日本経済史。戦時統制資料を分析し、戦時日本経済の全体像を解明。
 平間正博:71歳。東北大名誉教授、天然物合成化学。魚介類を食べることで起きる食中毒シガテラについて、毒素の合成を達成、中毒治療への道を開く。
 常田佐久:64歳。国立天文台長、天文学。太陽観測衛星「ようこう」「ひので」の開発や運用を主導。
 永嶺謙忠:77歳。高エネルギー加速器研究機構名誉教授、原子核素粒子物理学・物質生命地球科学。巨大な物体の内部構造を探る手法を開発するなど、ミュー粒子による学際的科学を発展させた。
 藤野陽三:69歳。横浜国立大上席特別教授、土木工学。橋などの長大な構造物が揺れる原因を解明、振動対策につなげた。
 磯貝明:64歳。東京大教授、生物材料科学。植物に由来する新素材「セルロースナノファイバー」の製造方法を開発。
 長沢丘司:57歳。大阪大教授、免疫学・血液学・幹細胞生物学。骨髄で造血幹細胞が維持される仕組みを明らかにし、血液細胞や骨が作られる過程の解明に貢献。
 高柳広:53歳。東京大教授、免疫学。骨と免疫の相互作用に着目して新しい学問を開拓、骨粗しょう症やがんの骨転移などの治療法開発に貢献。

 藤田誠氏の授賞理由
 結晶スポンジ法(Crystalline Sponge method: 以下、CS法)と呼ぶ「結晶化を必要としないX線構造解析手法」を創出した。
 CS法は、結晶スポンジ、すなわち細孔性の金属錯体単結晶に、対象試料を溶液状態から吸蔵させ、錯体の細孔を鋳型として吸蔵試料化合物の周期配列を作り出し、そのX線結晶構造を観察する技術。X線構造解析において、これまで多大な時間と労力を必要としてきた「試料の結晶化」の工程を省くことができる画期的な技術である。この手法は汎用性が高く、分子が関与する様々な研究の現場で活用されている。とりわけ、測定に必要な試料の量をマイクログラムの大きさに下げることができるため、微少量成分の構造決定を行う天然物化学や、微量活性成分や不純物の構造決定を必要とする製薬企業の創薬研究において大きな威力を発揮している。この技術の誕生の背景には、藤田氏が過去四半世紀かけて積み上げた「配位結合駆動の自己組織化物質創製」の基礎的な研究基盤がある。
 ◆用語
 X線構造解析
 物質の結晶にX線(極めて波長に短い光の一種)を通過させると、X線の散乱(回折と呼ばれる)が起こり、散乱像(回折像)が得られる。この散乱像をコンピュータで解析し、結晶を構成していた分子の3次元構造を精密に求める構造解析技術。分子構造を決定する最も有力な方法。
 結晶スポンジ
 金属イオンと有機分子からつくられる分子サイズの細孔を有する物質。有機化合物を溶液状態からスポンジのように吸い上げる性質を有する。
 単結晶
 原子や分子の規則正しく周期的な配列で構成された固体を結晶と呼ぶが、1個の結晶内のどの部分においても原子配列の向きがまったく同一であるものを単結晶という。
 吸蔵
 固体が気体や液体を吸収して内部に保有する現象。
 X線結晶構造
 X線構造解析により得られる分子や物質の3次元構造。
 配位結合
 ここでは狭義で、遷移金属元素と有機元素(窒素原子や酸素原子)の間でつくられる化学結合をさす。
 自己組織化
 物質が、自発的に構造的な秩序を形成する仕組み。

2019年日本国際賞、らせん高分子開発の岡本佳男氏と持続的土壌管理手法のラタン・ラル氏に

2019-02-15 | 学問
 国際科学技術財団は、2019年(第35回)の日本国際賞を、岡本佳男氏とラタン・ラル氏に贈ることを決めた(1月16日)。
 「物質・材料、生産」分野
 岡本佳男博士(78歳、日本)
  名古屋大学特別招聘教授
  中国ハルビン工程大学 特聘教授
 らせん高分子の精密合成と医薬品等の実用的光学分割材料の開発への先駆的貢献。
 物質を形作る分子のなかに、右手と左手のように、作りは同じだが鏡に映した像のように形が対称な2種類をもつものがある。これを「鏡像異性体」という。
 グルタミン酸ナトリウムでうま味を感じるのは、その一方の形だけで、サリドマイドのように、片方が薬となっても、もう片方が重い副作用を及ぼすこともある。
 したがって、片方だけを選択的に合成、分離することが、鏡像異性体の利用には欠かせない。
 岡本氏は、「らせん高分子」とよばれる鏡像異性体で片方の形だけを作る方法を開発。これを筒に詰めて片方の端から鏡像異性体を流し込むと、一つの種類だけが「らせん高分子」にひっかかって流れにくくなることを確認。これが、鏡像異性体を高速に精度よく分離する現在の「高速液体クロマトグラフィー」の基礎になった。医薬品の開発などに広く使われている。
 「生物生産、生態・環境」分野
 ラタン・ラル博士(74歳、米国)
  オハイオ州立大学特別栄誉教授
  炭素管理・隔離センター センター長
 食糧安全保障強化と気候変動緩和のための持続的土壌管理手法の確立。
 土壌に含まれる栄養分としての有機物が耕作で流れ出すのを防ぐため、土を耕さないで農作物を育てる「不耕起栽培法」を確立し、世界に普及させた。
 有機物の多くは、植物が大気中の二酸化炭素から「光合成」で作り出したものなので、土壌中に有機物をとどめることは、大気中の二酸化炭素を土壌中に取り込んで固定することにもなる。そのため、二酸化炭素の増加による地球温暖化の進行を、いくらかでも遅らすことができる。食糧の増産と地球環境の保護という両立しにくい事柄に解決の道を開いた点が評価された。
 ◆日本国際賞(Japan Prize)
 日本国際賞は、「科学技術において、独創的・飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、人類の平和と繁栄に著しく貢献した」人物に対して、国際科学技術財団が授与する賞である。
 受賞対象は「物理、化学、工学」と「生命、農学、医学」の二つの領域で、受賞対象分野は1年に2つの分野である。受賞者には、各分野に賞金5000万円が贈られる。受賞者は生存者のみ。
 日本にもノーベル賞に匹敵するような賞が必要だとして、松下幸之助が基金(私財など約30億円)を提供。1983年に政府内で各機関からの協力が閣議決定された。

 今日の天気は、雲が多い晴れ。風が弱いので、厳しい寒さは感じない。
 朝起きたら、朝日が綺麗。毎日、朝日が出る場所が少しずつ変わる。

2018年度仁科記念賞、中性子星の柴田大とテラヘルツ光の田中耕一郎の2氏

2018-11-18 | 学問
 仁科記念賞
 仁科記念賞は、故仁科芳雄博士(1890~1951年)の功績を記念し、原子物理学とその応用に関し、優れた研究業績をあげた比較的若い研究者を表彰することを目的とする。設立は1955年。これまでの受賞者からは、江崎玲於奈、小柴昌俊、小林誠、益川敏英、中村修二、梶田隆章の6氏のノーベル物理学賞受賞者を輩出している。
 原子物理学とは、原子・分子・原子核・素粒子はもちろんのこと、これらの関与する基礎的なミクロの立場に立った物理学であるが、直接原子物理学に係わるものに限らず、理学、工学、医学等あらゆる分野において原子物理学に深い関連のある研究を含む。
 仁科記念財団は、2018年度仁科記念賞を、ドイツのマックス・プランク重力物理学研究所の柴田大ディレクター(兼務・京都大学基礎物理学研究所教授)(52)と、京都大学大学院理学研究科の田中耕一郎教授(55)の2人に授与することを決めた。 柴田氏の授賞理由は「数値相対論による連星中性子星合体の研究」。
 重力波は、重い天体が動いたとき、周囲の時空にゆがみが生じ、それが光の速さで「さざ波」のように宇宙空間に伝わる現象で、昨年8月に米欧のチームが連星中性子星から重力波を検出した。柴田氏は、超高密度の2つの中性子星が互いに引力を及ぼす連星中性子星の合体のシミュレーションを1999年に世界で初めて成功し、その後この合体の現象に伴う重力波や電磁波の挙動に対する理論予想を進めた。
 田中氏の授賞理由は「固体におけるテラヘルツ極端非線形光学の開拓」。
 テラヘルツ光は電波と光の間の周波数領域にある。田中氏はこのテラヘルツ光が高強度に発生する光源を開発。この成果が契機となって「極端非線形光学」と呼ばれる研究の発展に貢献した。

 今日の天気は晴れ。風も弱く穏やか。気温は最高気温15℃とか。
 住宅地を歩いていたら、玄関の横に”ヒイラギモチ”の植木があり、赤い実が付いている。この”ヒイラギモチ”は”クリスマスホーリー”とも呼ばれている。12月のクリスマスの日には少し早いかな。
 クリスマスホーリーは、本来、セイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)の事である。クリスマスホーリーと呼ばれるものには、ヒイラギモチ(シナヒイラギ、チャイニーズホーリー)の他に、アメリカヒイラギ(アメリカンホーリー)があり、モチノキ科モチノキ(イレックス)属の近縁種や交雑種などの赤・黄の実が付くものを含めてホーリーと呼ぶこともあるようだ。
 よく見かけるのは”ヒイラギモチ(シナヒイラギ)”である。これは、セイヨウヒイラギやアメリカヒイラギは高木(樹高数m以上)であるが、ヒイラギモチは横に広がる低木なので扱い易く、果実も大きいので日本では寄せ植えや鉢植えなどで使われている。
 ヒイラギモチ(柊黐)
 別名:クリスマスホーリー、チャイニーズ・ホーリー、支那柊(しなひいらぎ)、柊擬(ひいらぎもどき)
 モチノキ科モチノキ(イレックス)属
 原産地は中国
 常緑低木(樹高は2m~5m)
 葉は厚く刺があり、光沢がある
 花期は4月~6月、花径は数mm、花色は黄緑色
 実の鑑賞期は11月~翌2月、実は径1cm弱の球形で秋に赤くなる
 雌雄異株だが雌木の受精なくても結実する
   単為結果(たんいけっか)と言う、普通は種なしとなる


ノーベル賞経済学賞に米2教授に

2018-10-10 | 学問
 スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は、2018年のノーベル経済学賞(Nobel Prize in Economics)を米国人研究者の2氏に授与すると発表した(10月8日)。
 1968年に創設された経済学賞は今回が50回目の授与となる。ノードハウス氏は環境問題を定量的に分析する「環境経済学」の分野の先駆者で、同分野でノーベル賞受賞者が出るのは初めて。ノードハウス氏らへの授与は、停滞感が漂う国際的な温暖化ガス削減の取り組みを後押しする狙いもあるとみられる。アカデミーは2人への授賞理由を「気候変動や技術革新をマクロ経済分析に統合した功績」と説明した。
 授賞者
 米エール大(Yale University)のウィリアム・ノードハウス(William Nordhaus、77)教授と米ニューヨーク大スターン経営大学院(New York University’s Stern School of Business)のポール・ローマー(Paul Romer、62)教授である。

 今日の天気は、曇り~晴れと変化が大きい。気温は、最高気温25℃以下と秋めいてきた。
 小さなお庭に小さな花が咲いている。茎は細く、粗く分枝しており、枝端に粗い散房花序を作り、絵筆状の小さい頭状花である。花径は1.5cm位。花色は橙赤(とうせき)色なので、和名:絵筆菊(えふでぎく)と呼ばれる。
 園芸ではこの種を”カカリア”と呼ぶが、かつてはカカリア属とされており、そのときの名残で”カカリア”と呼ばれる。現在はエミリア属に分類される。
 英語では、”Tassel Flower”で、花の状態が房飾りのように見えるから、とのこと。
 因みに、花言葉は「秘めたる恋」とあり、切ない花なのかな。
 エフデギク(絵筆菊)
 別名:カカリア、エミリア
     紅苦菜(べににがな)
 学名:Emilia sagitata
 キク科エミリア属
 一年草
 原産地は東部インド
 開花時期は5月~10月
 花色は鮮やかな赤紅色、園芸品種には黄色・オレンジ色がある


ノーベル賞平和賞にムクウェゲ氏とムラド氏、性暴力と戦う

2018-10-06 | 学問
 ノルウェー・ノーベル賞委員会は、2018年のノーベル平和賞を、性暴力被害者の救済に取り組んできたコンゴ民主共和国の婦人科医師、デニ・ムクウェゲ(Denis Mukwege、63)氏と、過激派組織「イスラム国、IS」に性的暴行を受けた体験を語ってきた活動家でイラクの宗教的少数派ヤジディー教徒の女性、ナディア・ムラド(Nadia Murad、25)氏の2人に授与すると発表した(10月5日)。
 〇ムクウェゲ氏
 「世界のレイプの中心地」と呼ばれるほど性暴力が横行するコンゴ東部ブカブに1999年、パンジ病院を設立。民兵らに性暴力を受けた4万8000人以上の未成年を含む女性を治療し、精神的なケアにもあたってきた。
 来日し、東京都内で2016年10月の講演会で、「性暴力は、コストの安い『戦争の武器』として使われている」と強調し、国際社会が現状を知り解決に協力するよう訴えた。
 〇ムラド氏
 イラク北西部シンジャルに近いコチョ村の出身。2014年8月にISがシンジャル周辺に侵攻した際に拉致され、拘束されていた約3ヵ月間、「性奴隷」として繰り返し、暴力を受けた。何度か脱出を試み、成功した後、国連安全保障理事会などで「脱出に失敗して捕まると、殴られ、服を脱がされ、(私が)失神するまで男たちは罪を犯し続けた」と証言。過激思想を背景にした憎悪の実態を伝え、誰もが共存できる平和な社会を訴えている。
 ◆ヤジディー教
 イラク北西部に住むクルド系住民らを中心に信仰されている土着宗教。イスラム教やキリスト教、ゾロアスター教などが混交し、信者数は推定約50万人。輪廻(りんね)転生を信じ、クジャクの天使を崇拝の対象とする。イスラム教徒からは「悪魔崇拝」として異端扱いされており、過激派組織「イスラム国、IS」は2014年8月、信者が多いイラク北部シンジャルに侵攻。国連の推計では約5000人が殺され、多数の女性や子供が暴行・誘拐された。

 朝から晴れた。台風が接近しているから雨模様の天気かな、と思っていた。気温も、最高気温27℃と高い。
 畑の近くの圃場の畔を見たら、”イヌタデ”の花がビッシリと咲いている。花に見える赤いツブツブ、赤い花弁(はなびら)ではなく咢(がく)である。だから花が枯れずに何時までも咲いている様に見える。
 辛味がなく香辛料には使えない、タデ”イヌタデ”である。似るが違う・役に立たないものに付けられた”イヌ”。・・これが名の由来!!。”タデ(蓼)”と言うと、”ヤナギタデ(柳蓼)”を言い、これには茎・葉に苦味がある・・これを好んで食べる虫(蓼虫:たでむし)もいる。ことわざ「蓼食う虫も好きずき」がある。
 因みに、イヌタデは食用にできると言う。辛味がないので香辛料にはならないが、花の咲く前なら煮物・油炒め・揚げ物でも食べられる、らしい・・食べたことはない。
 イヌタデ(犬蓼)
 タデ科イヌタデ属
 一年草
 茎先に付く花穂は長さ数5cm
 花期は6月~10月
 別名にアカマンマ(地方で)
 アカマンマとは赤飯のこと、ままごと遊びに使った