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リボソーム遺伝子がうつ病の早期発見・診断に役立つマーカーか?

2018-09-11 | 医学
 うつ病
 持続する抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、不眠、食欲低下などを特徴とする病気。強いストレスや長期にわたるストレスが誘因となって発症することが多い。わが国で専門的治療を受けている患者数はおよそ100万人にのぼる。世界ではうつ病を抱える人は推計3億人超える(世界保健機関、2015年時点)。
 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の功刀浩部長・堀弘明室長と、株式会社DNAチップ研究所の中村誠二研究員らの研究グループは、うつ病やストレス脆弱性にリボソーム遺伝子である「RPL17」と「RPL34」が関与し、血液中の遺伝子発現量が診断マーカーとなることを明らかにした。
 研究グループは、ストレスに適応良好な2つのグループと、そうでない1つのグループに分類した。「ストレスからの回復力を持つ群」「ストレスの影響を受けにくい群」「ストレス脆弱性を有する群」の3群である。
 この分類と、末梢の血液から抽出したRNAを用いてマイクロアレイにより測定した遺伝子発現プロフィールの関連を検討した。3群間で有意に発現が変動する遺伝子群を同定し、この遺伝子群に対してパスウェイ解析やネットワーク解析を適用することにより、ストレス脆弱性に関与する分子システムとしてリボソーム遺伝子群が重要であることが分かった。リボソーム遺伝子群の中で、有意な(=統計的に意味のある)発現変動を示した遺伝子が8個存在し、いずれもストレス脆弱性に関連して発現が上昇しているという結果であった。
 これらのリボソーム遺伝子について、うつ病患者における発現変動を検討した。
 以前の私たちの研究で取得していたマイクロアレイデータセットを用い、リボソーム遺伝子発現をうつ病患者と健常対照者で比較した。その結果、RPL17、RPL34、RPL36ALについて、うつ病患者さんで有意な発現上昇がみられた。
 別のサンプルを用いて新たに定量PCRを実施し、RPL17とRPL34の発現を検討した。ここでは、うつ病を大うつ病性障害と双極性障害のうつ状態に区別し、また統合失調症の患者さんも対象とすることで、これらのリボソーム遺伝子の発現変動は大うつ病性障害に限って認められる所見であるのか、あるいは他の精神疾患でも同様に認められる所見であるのかについても検討した。その結果、とくに大うつ病性障害においてRPL17とRPL34の発現亢進が顕著であることが明らかになり、リボソーム遺伝子がストレス脆弱性およびうつ病のバイオマーカーになる可能性が示唆された。
 リボソーム遺伝子発現は、少量の血液から比較的簡便に調べることができるため、実用化の点でも有利である。今後は、本知見の実用化を進めるとともに、リボソーム遺伝子の発現が治療の進展とともにどのように変化するのか、また、これらの遺伝子がどのようなメカニズムでうつ病の発症や慢性化に関与するのか、などについても検討を続ける予定、との事。
 ◆リボソーム遺伝子
 リボソームは、すべての細胞に存在する直径15~30nmの小顆粒であり、タンパク質合成の場となる。
 リボソーム遺伝子は、リボソームをコードする遺伝子。
 ◆遺伝子発現
 細胞内で遺伝子のスイッチが入り、RNAおよびタンパク質が合成される過程のこと。
 ◆マイクロアレイ
 遺伝子の発現状態を検査するための実験ツールの一種。数万種類のヒトの遺伝子、およびタンパク質をコードしないRNAの発現状態を網羅的に検査することができる。
 ◆分子パスウェイ
 生体を維持・活動していくために必要な生命現象を制御している、DNAやRNA、タンパク質などのさまざまな生体分子で形成される生物学的過程・経路。
 ◆分子ネットワーク
 複数の生体分子の相互作用、また量的な相関関係等から構成される相互関係。
 ◆定量PCR
 ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) による増幅を測定することで、DNAやRNAの定量を行なう手法。

 今日の天気は晴れ~曇り。西高東低の気圧配置から気温は低く、10月上旬の気温とか。
 小雨が降る散歩道。”サルビア”が深紅色で咲いている。開花時期は10月頃までだから、まだまだ頑張るのかな。
 ”サルビア”とは「シソ科サルビア属の500種以上と言われる植物」を言うが、一般に”サルビア”と呼んでいるのは”サルビア・スプレンデンス”で、この赤い花、鑑賞用で良く植えられている。花色の赤は、緋色(ひいろ:やや黄色みのある鮮やかな赤)なので、別名(和名)を緋衣草(ひごろもそう)と言う。
 サルビア
  (サルビア・スプレンデンス)
 別名:緋衣草(ひごろもそう)
    スプレンデンス
 学名:Salvia splendens
 シソ科サルビア属
 常緑多年草だが1年草と扱う
 原産地は南米、明治中頃に渡来
 丈は30cm~50cm(矮性種)
 開花時期は7月~10月
 筒状の萼(がく)から花(唇弁)が伸びて咲く
 花はすぐ終るが同色の萼が残るので、長く咲いている様に見える
 花色は、紫・白・サーモンピンクなど
 萼が白・花が赤の”トーチライト”と呼ばれるのがある



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