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屋久杉に奈良時代の宇宙線急増跡

2012-08-03 | 学問

 病院の待合室で科学雑誌を見ていたら、「宇宙線の飛来が過去3000年で最大の増加が屋久杉に残っていた」との記事があった。
 樹齢1900年など2種類の屋久杉(鹿児島県・屋久島)の年輪を分析した結果、774年~775年(奈良時代後期)に宇宙で何らかの変動(宇宙線の急増)があったと、名古屋大太陽地球環境研究所の増田公明・准教授(宇宙線物理学)や中村俊夫・名大年代測定総合研究センター教授(加速器分析科学)らのチームが明らかにした(2012年6月発表)。宇宙線の急増の原因は、超新星爆発で放射線の一つのガンマ線が大量に放出された、太陽の表面で大規模な爆発(フレア)が起こって陽子が大量に放出された、などが考えられると言う。増田准教授は、原因は特定されておらずより詳しい研究が必要、との事。
 研究グループは1956年に伐採された屋久杉から750年~820年に該当する年輪を切り出し、年代測定に使われる炭素14(放射性炭素、14Cと表記)を1~2年の分解能で抽出し、濃度を測定した。14Cの量は飛来する宇宙線の量によって変化し、年輪の14Cの量は太陽の11年毎の活動周期に応じて増減していた。しかし、774年~775年(奈良時代後期)の14Cの量は1年で12%と増えており、通常の太陽活動の影響と考えられる増加量の20倍だった。増加原因を、超新星爆発と仮定すると地球の比較的近くで爆発が起きたことになり、太陽のフレアとすると通常の1000倍のエネルギー放出となる巨大爆発(スーパーフレア)が起きた計算になると言う。
 ◆天然の放射性元素の生成
 天然の放射性元素には、地球ができた時から存在するものと宇宙線で作られるものがある。
 地球に降り注ぐ宇宙線(主に太陽から)は、非常に大きなエネルギーを持ち、大気中の元素とぶつかり各種の放射性元素を作る(極めて微量)。生成された放射性元素は、エネルギー的に不安定であり、時間とともに崩変して安定元素(核種)となる。
 ☆生成される放射性元素
 生成放射性元素  最終元素  半減期(年)
  14C              14N    5.73*10^3   窒素から生成
  10Be             10B      1.51*10^6   窒素・酸素から生成
  26Al               26Mg   7.16*10^5   アルゴンから生成
    その他(3H、36Cl など)
 ☆炭素同位体の含有量   
 自然界ではほとんどの炭素が12Cであり、宇宙線で生成された14Cは、極めて微量である。
 また、放射性元素は宇宙線で作られるので、照射量が変動すると元素量も変動する。
  炭素同位体    存在比
   12C        98.90%
   13C        1.10%
   14C(放射性)  約1兆分の1
 ☆樹木年輪に記録される14C
 生成された14Cは大気中の酸素と結合して二酸化炭素となり、安定な炭素同位体(12C、13C)の二酸化炭素とともに地球大気内を循環する。二酸化炭素の一部は光合成により植物に取り込まれる。毎年形成される樹木年輪にその年に生成された14C濃度が記録・保存されることになる。

 

 早朝は小雨がパラつく雲り空。雨は直ぐ止み曇り時々晴れ。気温は30℃位、何時もより汗の出が少ない。
 土手道は風が通るので、草いきれを飛ばし意外と涼しい。その土手道に咲いていたヒルガオ。花の色は濃桃色、この花色だけ。
 花の姿はアサガオ(朝顔)と同じ漏斗形。アサガオは早朝に咲き午前中には萎む、ヒルガオ(昼顔)は昼に咲き夕方に萎む。

Hirugao08031  ヒルガオ(昼顔)
別名:鼓子花(こしか)
   葵葛(あおいかずら)
ヒルガオ科ヒルガオ属
つる性の多年草(地上部は毎年枯れる)
原産地は日本、中国、朝鮮半島
開花時期は6月~8月
花姿は漏斗形、花色は濃桃、花径は6cm位
良く似た花にコヒルガオ(小昼顔)があるが、花径は小さい(3cm~4cm)


Hirugao08032


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