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根の葉緑体を作るのに窒素同化鍵酵素が重要であることを発見

2020-05-22 | 園芸
 筑波大学生命環境系の草野都教授(理化学研究所環境資源科学研究センター客員主管研究員)、東北大学の山谷知行名誉教授、理化学研究所環境資源科学研究センターの福島敦史研究員、国際農林水産業研究センターの圓山恭之進主任研究員、岐阜大学の山本義治教授らの研究グループは、イネの窒素同化に不可欠な細胞質局在型グルタミン合成酵素(OsGS1)のアイソザイムであるOsGS1;1が、光合成を行わない根の葉緑体形成に大きく関わることを明らかにした。本研究の成果は、2020年2月6日付け「Plant Physiology」のオンライン版で公開。
 研究成果のポイント
 〇イネの窒素同化に欠かせない細胞質型グルタミン合成酵素(GS1)アイソザイムのうち、根で働く2種類の働き方の違いを明らかにした。
 〇2種類のうちOsGS1;1は炭素・窒素代謝の恒常性制御を担っており、OsGS1;2はアミノ酸生合成に影響を与えていた。また、OsGS1;1の働きを抑制すると、光合成を行わない根に葉緑体が形成されることを世界で初めて明らかにした。
 〇葉緑体形成に関係ないと考えられてきた窒素同化および炭素・窒素代謝を制御することで、根に光合成能力を付与できる可能性があることを示す研究成果である。
 窒素は肥料の三大必須栄養素の一つで、植物の生存に不可欠な葉緑素やアミノ酸等の材料となる。植物体内に取り込まれた窒素はアンモニウムに変換された後、グルタミン合成酵素(GS)によりアミノ酸の一種であるグルタミンを作る。植物は細胞質局在型GS1をコードする遺伝子を複数個持っているが、植物が多数のGS1アイソザイムを持つ理由は明らかにされていなかった。
 本研究では、食糧として重要な作物であるイネのGS1アイソザイムの中で、窒素肥料を与える時期として効果的な生育初期段階で発現するOsGS1;1およびOsGS1;2に着目した。それぞれの遺伝子を破壊した変異型イネを解析した結果、
 Osgs1;1変異体の根では中心代謝に属する糖類やアミノ酸類の蓄積バランスが崩れるのに対し、
 Osgs1;2変異体ではアミノ酸類の量のみが減少することが分かった。さらに、Osgs1;1変異体では、光合成を行わない根の部分に葉緑体が形成されることを明らかにした。
 OsGS1;1は炭素・窒素代謝の恒常性や葉緑体形成など広範な現象に関わり、Osgs1;2は代謝中のアミノ酸生合成制御に特に関わっていることになる。
 ◆用語解説
 〇窒素同化
 硝酸イオンやアンモニウムイオンなどの無機窒素化合物を材料にアミノ酸等の有機窒素化合物を合成する反応のこと。
 〇アイソザイム
 同一の生化学反応を触媒する複数の酵素群を指す。個々のアイソザイムが持つ分子構造や物理化学的性質は異なる。
 〇メタボロ―ム
 ある生物がもつ代謝物(メタボライト)全てを指す呼称。「オーム」という言葉は「総体」を示す。「メタボライト+オーム」が語源である。
 〇トランスクリプトーム
 細胞中に存在するすべてのmRNAの総体のこと。トランスクリプトームは特定の条件下(環境、組織等)によって変化する。
 〇オミックス解析
 総体(オーム)を科学する(-ミクス)ことを示すのがオミックスであり、生体を構成している分子を網羅的に調べる方法。
 〇ネットワーク解析
 現実世界に存在する巨大で複雑な関係性を持つ対象を点と線からなるネットワークとして表現し、その構造的な特徴を探る方法。本研究の場合、点が代謝物蓄積量、線が遺伝子発現量を示している。GAMによるネットワーク解析により、データベースの代謝ネットワーク内でどのサブネットワークが強調されているかを視覚化している。
 〇TCA回路(クエン酸回路)
 tricarboxylic acid回路の略称。ミトコンドリアのマトリクス(細胞質の液状の部分)でアセチルCoA由来のアセチル基を二酸化炭素にまで完全分解する過程を指す。NADHやFADH2などのエネルギーを生み出す好気的代謝における最も重要な生化学反応回路である。
 〇カルビン・ベンソン回路
 光合成電子伝達系で合成したNADPHとATPを利用し、二酸化炭素を還元して有機化合物を合成する反応。葉緑体内のストロマという無色の液体に局在する。

 曇り。気温は低く、最高気温15℃・最低気温10℃。昨日よりは少し暖かい。
 ビル横の空き地に雑草が生い茂っている。その中に黄色の花、”クサノオウ”の花だ。大きな花ではない、花横に上向きの莢が実る。
 ”クサノオウ”は、草ノ黄・瘡ノ王・草ノ王と書く。茎や葉の部分を傷つけると橙黄色(最初白く、直ぐに黄色に変化)の乳液が出る。乳液だけでなく、全草に多種のアルカロイド成分を含む毒草である。本草は古くから民間療法の薬草として使われていた。皮膚疾患(いぼ取り・水虫・インキンタムシ)や外傷薬で、煎じて消炎性鎮痛剤として服用したとも言う。現在でも下剤として利用されるが、毒性が強いのでその使用には専門家の指導が必要と言う。
 名(クサノオウ)の由来は、草ノ黄:植物体を傷つけると黄色の乳液が出る、瘡ノ王:皮膚病(湿疹、くさ)に有効な薬草、草ノ王:皮膚病の他にも鎮痛剤などで使われ薬草の王、などの説がある。
 クサノオウ(草ノ王、草ノ黄、瘡ノ王)
 別名:皮癬草(ひぜんくさ)
 ケシ科クサノオウ属
 多年草
 開花時期は5月~7月
 花は径3cm程の鮮やかな黄色の四弁花
 花後に長さ3cm程の莢が上向きに実る
 全草に多種のアルカロイド成分を含む毒草である。
  茎などを傷つけると出る黄色い乳液などは皮膚に触れると炎症を起し、皮膚の弱い人は草に触れただけでかぶれることがある。


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