静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

遠洋カツオ一本釣り漁船 第35昇喜丸の見学

2018年09月20日 09時42分19秒 | 研修・見学

生徒にもっとも人気があるカツオの竿釣り。
今回は明豊漁業さんの遠洋カツオ一本釣り漁船第35昇喜丸を見学させていただきました。
明豊漁業さんには学園の47期、48期生が活躍している船もあるんですが、あいにくスケジュールが合いませんでした。残念!


遠洋カツオ一本釣り漁船は約500トン。
長さだと65mくらいあります。
竿釣り船は甲板が海面に近くなるように設計されているので、スマートでカッコイイです。

船では例によって隅(すみ)から隅まで見学です。
食堂、機関場、居室、船橋(せんきょう)、甲板...



甲板には実習で使っているのと同じボラードもありました。

11月には遠洋航海を伴う乗船実習が控えています。
使うのは水産高校の比較的新しい実習船やいづ。
同じカツオ一本釣りをするにしても、実習船と漁船では違いがたくさんあります。
なぜ違うのか?を考えるのも大事なことです。

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
詳しくはホームページをご覧ください。
10月はAO入試がありますよ!受験を考えている人は事前に見学してくださいね!
www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940

 園長のつぶやき
冒頭で触れた47期生のKくん。
実は食物アレルギーがあります。
だから、遠洋漁船に乗ることはちょっと心配でしたが、本人の工夫で乗り切っています。
同期乗船が宮城の水産高校から二人いました。
三人の中で、現在残っているのはKくんだけ。
よくがんばっていると思います。

遠洋漁船に就職する時に、アレルギーや持病がある人は不利になります。
一番怖いのはアナフィラキシーです。
そうでなくてもアトピー皮膚炎でも乾燥海域に行けば重症化することがあるそうです。
海の上なのに乾燥するんですよ。
そして、海の上には病院がありません。
だから船主としては、持病のある人、体質的にハンデがある人を敬遠しがちです。
持病などがなくても、女性では実質的に遠洋漁船に乗るのは困難です。

でも、気仙沼(宮城県北部船主協会事務局長)の吉田さんも言っていました。
漁業に限らず人材難の時代です。どの産業も働く人が足りません。
そんな状況で「欲しいのは男だけ」なんて言ったら、来る人が半分になるかも知れません。
だから、なるべく門戸は広げる必要があります。
少なくとも「漁師になりたい」をどうしたら受け入れることができるかを業界は考えなくてはなりません。

とは言っても、遠洋漁船に厳しい環境を考えると、状況を変えていくのは簡単ではありません。
ところで、今年の農林水産省研修生のSさん。
体格的には学園生徒と比べて、高校生と小学生くらいの違いがありました。
だから、生徒とまるっきり同じ作業、行動はできません。

彼女が学園にいたのは一週間でしたが、その間、生徒を明るくしてくれました。
彼女の前で、いつもより張りきって実習する生徒もいたと思います。
それは女性だったと言うより、彼女が積極的に生徒とコミュニケーションを取ってくれたおかげだと思います。
実際の漁船にも、乗組員を明るくしてくれる人がいてくれたらすばらしいですね。。

大型漁船は30人くらいの人が働いています。
一人くらい、従来の価値観、労働力でハンデがある人を乗せるのもアリじゃないでしょうか?
なにか、今までにない働きをしてくれるかも知れません。
前述のKくん。
とてもキレイな絵を描きます。
このブログでも何度かご紹介しています。
でも、前から頼んでいるんですが私には描いてくれないんですよ。
冷たいなぁ。

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仕事を学ぶモデル事業3

2018年09月19日 09時13分43秒 | イベント

小学生の体験をご紹介しています。
これが最終回。

漁師の仕事は魚を捕るだけではありません。
船を使うからには、船乗りの仕事だってあります。
そこで、操船の体験。
教育棟二階にある操船シュミレーターを経験してもらいました。
このシュミレーターですが、波による揺(ゆ)れや、船の傾(かたむ)きは再現できません。
その代わり船酔いなし!小学生にも安心して乗ってもらえます。
時間の関係で、操船体験はクイズで成績の良かった子供だけでした。


ここでも学園の生徒が活躍。
小学生に舵取(かじと)りを優しく教えてくれました。
クルマの運転と違い、舵を取ってからタイムラグがあるのがポイント。
小学生に分かってもらえたかな?


そして最後に機関実習棟の大型エンジンを見学。
その大きさに驚いていました。


残念だったのが、ほとんどの子供がクルマのエンジンを見たことがないこと。
知っていたら、クルマと比較して大きいことにもっと驚いたはずです。
身近かな機械を見ることも大事です。
お父さん、お母さん。
一度、クルマのエンジンを見せてあげてください。
将来はエンジニアに育つかも知れませんよ!

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 園長のつぶやき
中学生であれ、大学生であれ、仕事を就くのには覚悟が必要です。
100%自分の理想となる仕事なんてまず「ない」ですから。

私の大学時代、仕事に就く踏ん切りがつかず何年も大学に居座(いすわ)る人が少なからずいました。
成績は比較的優秀。
この人たちの理想は研究者になること。
でも、研究者のイスなんて、そんなにありません。
研究者になるために、並外れた努力ができないのなら、別の仕事に就くことになります。
その踏ん切りがつかないんですよ。
この人たちにとって大学はぬるま湯です。
その結果、どんどん年をとって、就職が難しくなっていきます。
私のいた生物学の教室は、特にこの手の人が多くいました。

ここで仕事に就くことと、学校に行くことを比較して考えてみます。
一般的に学校に行くより仕事に就く方が大変です。
だから、勉強が嫌いという理由で高校、大学に行かず、就職するのはちょっと待って。
就職すれば学校に行くより、大きな苦労が待っていますよ。
だからと言って、楽な方を選んで高校、大学に進学すれば良いということになりません。
本当に楽をして勉強しなければ、早くに就職した人より厳しい状況が待っています。
学校で努力をしないなら、学校生活は「ぬるま湯」です。
その時は気持ちが良いかもしれません。
でも、ぬるま湯からでるのは大変ですよ。

漁師になることを考えた場合、学園に来るのは苦労が少ない方法です。
学園生活にいろいろなルールがあると言っても、仕事に就いてからのことを考えればどうってことないです。
だからと言って、楽するために学園に来て、がんばることができなければ何の意味もありません。

でも、学園でがんばることで漁師になってからの苦労が減るのは確実です。
同じ苦労を一人前の漁師になるために使うことができます。

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仕事を学ぶモデル事業2

2018年09月18日 09時23分06秒 | イベント

三連休をはさんでブログの再会です。
小学生の体験見学の続きをご紹介します。
クイズで盛り上がった小学生たちは航海実習棟に移動。
私より有名なおなじみの実習担当の先生がロープワークを教えます。
でも、小学生で60人近い人数。
いくらベテランの先生でも一人では大変。
そこで小学生3人あたりに一人の生徒が張り付く形にしました。
学園の実習でも、職員が総出で始動することが多いですが、
手作業は手取、足取りで教えないと分からないんですよ。


もやい結び、巻き結び、垣根結び、命綱(いのちづな)結びなどを行いました。
命綱結びは一瞬でいくつものコブができるので、ちょっとしたマジック。
子供には人気です。


生徒もていねいに教えてくれました。


そして、カツオの一本釣り体験。
カツオに見立てた砂袋を釣りあげます。
この砂袋はそんなに重くないんですが、なにせ竿の先についてます。
なかには手伝わないと上がらない子もいます。
時間の関係で、そんなにできませんでしたが、みんな楽しそうでした。


さて、これだけで終わりではありませんよ。
続きは明日!


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 園長のつぶやき
今年初めて実施するAO入試まで一ヶ月を切りました。
まだ願書の受付は始まっていませんが、何人集まるのか、私は心配で夜も眠れません。
これは冗談で夜は寝ていますが、心配しているのは本当。
なんせ、私が園長になって定員割れが続いていますから。
そして、なぜか学園は県庁内でも注目度がアップしています。
(水産業局長が宣伝してくれているおかげですけど...)
だから余計にプレッシャーがかかります。

学園が漁師の学校として知名度が低いのはオンリーワンであることが理由の一つ。
世の中では珍しい存在で、よもや漁師の学校があることを世間の人は知りません。
 でもオンリーワンであるために、生徒が集めやすいんじゃないの?
 全国から生徒来るんでしょ?
と思う人もいるかも。

そうかも知れません。
しかし本来は、漁師の学校が全国にできて、学園はそのナンバーワンを目指すのが一番いいんです。
学園で育成できる漁師はせいぜい20人。
これで県内の必要人数を満たしていません。

そして、日本の漁業を考えたら静岡県だけ漁師がいてもダメです。
業界が衰弱し、国際競争力も低下します。
そして最近の災害多発。
いざというときのために、食料獲得手段は多い方が良いに決まっています。
ですから日本全体で漁師が育つことが必要です。

水産高校も○○海洋高校に名称が変わり、さらに統廃合で××総合高校になっています。
名前が変わっても、本来は漁業、あるいは水産業に就くための実業を学ぶのが目的のハズ。
それも、水産高校の看板がなくなれば、入学する人は分からなくなります。
残念ですが、これも時代の流れです。
でも漁業がある限り、その育成機関は必要です。
だから学園以外でも漁師の学校が増えて欲しい...と思います。

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仕事を学ぶモデル事業1

2018年09月14日 09時10分09秒 | 学園紹介

「生きる道」としての仕事を学ぶ環境づくり
 次代を担う子どもたちの職業観や郷土を愛する心を育むため、教育委員会と協力し、本物の産業現場やプロの職業人からの学びを得て、「技芸を磨く実学」の大切さを知る「生きる道」としての仕事を学ぶ環境づくりを進める。

・・・と言う県の事業の難しい背景があるんですが、早い話、小学生の体験見学です。
掛川市立城北小学校5年生112人が午前と午後に分かれて学園に来ました。
分かれても一度に60人ですよ!学園生徒の3倍です。
その人数を相手にするのは学園でも未曾有(みぞう)のイベントです。
もう、職員だけはムリ!
生徒も総動員でやりました。


今回、学園の役割は漁師の仕事の紹介と体験です。
最初に、私がカツオ一本釣りを例にして、漁師がどんな仕事をするかを説明。
魚を釣り上げる以外に、たくさん仕事があることをお話ししました。
もう、研修室もいっぱいいっぱいです。


そして、飽きさせないことと、盛り上げることを狙ってクイズ!
これは盛り上がりすぎて、正解、不正解ではしゃぐ小学生を鎮(しず)めるのが大変でした。
みなさんは全問分かりますか。
Q1 船酔いする人は漁師になれますか?
Q2 シラスって、どんな魚?
Q3 キンメダイは深海魚?
Q4 海に落ちた時、助かるのは泳ぎがうまい人?
Q5 シーチキンの原料になる魚は?
Q6 漁師は男しかなれない?
Q7 港でロープを固定する結び方は?


Q8 カツオがつくジンベイザメは

どっち?
Q9 船長と機関長では、どちらがえらい?
Q10 インドマグロはなんで「インド」?
回答は二択。間違いの多かったのはQ1、Q7でした。
ジンベイザメも名前だけ知っている子が多かったです。


さて、この後は体験です。
ロープワーク、カツオ一本釣り、船の操縦です。
続きは来週。

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 園長のつぶやき
ここのところ、研修生が来たり、このイベントだったりと疲れている私です。
特に今回のような新規イベントは準備が多いし、とにかく気疲れです。

今回のクイズも、始めに作ったものを下見に来た先生方に試したら、ほぼ全滅
我々の常識は、一般の方は大人でもご存じないことを思い知りました。
全面的に作り替えですが、ちょっと易しすぎたかも?

職員の準備も大変。
中でも実習の先生は、小学生の人数分のロープを時間をかけて用意してくれました

ただし、今回は思った以上に生徒が大活躍してくれました
なんだ、子供の面倒見が良いじゃん!
職員一同、感心した次第です。
生徒も、小学生と意気投合、と言うか打ち解けてお友達になっていました。
しょんないTVでは「やんちゃ坊主」と紹介された生徒も、すっかり小学生のアニキでした!
なにごとも、やってみないと分からないところがありますね。

小学生手強い。簡単に指示を聞いてくれません。
そんな状況で、私より生徒の方が上手に対応していました...

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無線講習

2018年09月13日 09時16分47秒 | 研修・見学

第二級海上特殊無線技士講習が始まりました。
外部講師はお二人。
法規と工学の先生です。
ちょっと難しい内容ですが、事前に無線局の見学や現役無線長の講義で予習済み。
先生の方も、ポイントを一つ一つ指摘しながら講義をしていただいています


第二級海上特殊無線技士、通称「二海特」ですが海上特殊無線技士は
一海特、三海特、その下のレーダー級があります。
「海上特殊無線」の意味は、扱う無線の種類を海上で使うものに限定し、免許を取りやすくしてあります。
クルマのAT限定免許みたいなもんですね。
ちなみに、陸上特殊無線技士もあります。


この講習ですが、三日目の修了試験に合格しないと免許がもらえません。
今年は全員合格できるでしょうか?

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 園長のつぶやき
昨日のつぶやきに間違いがありました。
「授業料なし」が「授業なし」
となっていました!
私の性格を反映して、誤字は多いです。でも、これは洒落(しゃれ)になりません...
ブログにコメントをいただいたので、すぐに訂正させていただきました!
コメントが入力されると、私にメールが届くようになっているんですよ。
自慢じゃないですが、コメントをもらうことはめったにないので、すぐ気づく訳です。
ご指摘、ありがとうございました。
お孫さん、昨日の小学生の体験教室では超人気者でしたよ!

ところで、この「園長のつぶやき」ですが本文と分離している理由があります。
生徒のご家族や、学園の様子を知りたい人には写真と短い文でご紹介するスタンスです。
なるべく生徒写っている写真を主体に、簡単な説明分を添える感じです。
レギュラー閲覧者にご負担を欠けない配慮(はいりょ)ですね。

つぶやき部分は、私の思いや漁師をとりまく状況を気まぐれで綴っています。
私の駄文を読む人はめったにない
・・・ハズなんですが、けっこう読んでいただいているみたいです。
なんか、すいません。

言い訳がましいですが、自分で作った文は修正が難しいです。
でも、別の人が読むと簡単に変な箇所(かしょ)を簡単に気づいたりします。
学園は漁師の仕事を知る職員が、本人と違う視点でアドバイスをします。
漁師になる適性も、良い部分も、悪い部分も、自分のことは分かりにくいです。
アドバイザーがいるのはすばらしいことですよ。

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