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■竹田博遺作展 (11月29日まで)

2008年11月29日 01時01分52秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 昨年11月に亡くなったグラフィックデザイナーでギャラリーたぴおの主宰者だった竹田博さんの遺作展第2弾。
 ちょうど、このエントリをアップする28日が1周忌となる。

 前回、7月の遺作展では、カラーフィールドペインティングやデザイン的な絵画、リアルな人物画など多彩な作品が並んでいたが、今回は、おもに、晩年に取り組んでいた、抽象一歩手前まで対象を単純化して構成した小品が陳列されている。ざっと120点はあろうか。

 朝から深夜までかかって展示作業に取り組んだ、「たぴお」の現主宰者で美術作家の林教司さんによると、これらの絵は、「たぴお」のある道特会館の上のフロアにあったたぴおデザイン事務所に保管されていたもの。
 「事務所は近く引き払い、売れ残った絵は遺族に引き渡す予定です。遺作展はこれが最後になるんじゃないかな」
と林さん。


           

 会場の中央に遺影を飾り、同系統の色合いの絵をまとめて並べたのは、林さんの“労作”。
 会場の色合いを優先しており、年代順に並べているのではない。

 竹田さんは北大植物園のそばの高層住宅を借りて住んでいたので、植物園や道庁前庭に材を得た作品が多い。
 といっても、多くの作品では、木々は大胆に抽象化され、黄色や緑、茶系の矩形に近い形状が、画面に整理されて配されている。


           


 毎年2月、自分のギャラリーで個展をひらいていた竹田さん。
 たぶん、本心では、絵描きになりたかったんだと思う。

 しかし、絵描きでは食べていくことはできない。だからデザイナーとして生計を立てつつも、心の中では、おれはほんとうは絵描きなのだ-という思いで、誕生日のころに自作を発表していたんじゃないだろうか。

 いまとなっては、真意を確かめることはできない。
 ずらりと並ぶ竹田さんの絵を見るのも、これが最後の機会だろう。




 この画像の中央附近にある、あざやかな黄色の地に、ビリジャンの低木が両サイドに描かれている作品について、林さんは
「左に行こうか右に行こうか、悩んでいる竹田さんの心境を表しているみたいだなあ」
とつぶやいていた。

 なお、展示作はすべて販売している。
 具体的な値段は書かないが、かなり安めだ。


2008年11月24日(月)-29日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2 道特会館 地図A

2008年7月の遺作展
竹田博さん、さようなら
漆山豊・横山隆・竹田博展(07年5月)
下町のコレクション展2 (07年3月)
竹田博展-叫びのバラード(07年2-3月)
BOX ART展4 閉塞形状展(07年1-2月)
LEBENS(生命・人生)展(06年6月)
竹田博展「雑事のバラード」(06年)
竹田博展「原色のバラード」(04年)
竹田博展(03年)
竹田博展(02年)
キャバレーたぴお(01年、画像なし)
竹田博展(01年)


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