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伊藤ガビン「モダンファート 創刊号 特集 没入感とアート あるいはプロジェクションマッピングへの異常な愛情」 あいちトリエンナーレ : 2019年秋の旅(46)

2019年11月17日 19時18分03秒 | 道外の国際芸術祭
(承前

 これは単純におもしろかった。
 四角形の部屋に、人数を制限されて入れられ、十何分か(正確な時間を覚えていない。ごめんなさい)六つの面に展開する映像と音声を見るというもの。
 作者本人が「雑誌のようなもの」というだけに、いくつかのコンテンツがあり、それぞれ独立した内容で続いていく。

 西洋絵画史における没入感の講義めいたコーナーも興味深かったが、個人的に笑えたのは、金魚を会場全体に散らそうというのを、まるで広告代理店のオヤジみたいな口調で師事するところ。
 こういう「業界」ノリって、とんねるずとかホイチョイプロダクションとかの時代の感覚かもな~と思ってたら、ガビンさんは世代的にどんぴしゃなのだった。
 この金魚への偏愛(?)は、もしかしたら、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのアート集団チームラボへの皮肉も交じっているような気がしないでもないが、とくだん明示されているものがあるわけでもないので、この話はこれ以上進めない。

 このほか、銭湯をマンガのように描いたコーナーなどもあり、プロジェクションマッピングのブーム(もう終わりなのかな?)を批判的・シニカルにとらえつつも、けっこう好きなんだと思えたりもする、多角的な楽しみ方のできる作品だった。


http://www.modernfartmag.com/



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