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■水彩連盟北海道札幌支部展 (2013年10月28日~11月2日、札幌)

2013年11月01日 23時50分43秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 水彩画といってもいろんなタイプがあるが、英国調の明るい風景画などが、一般には聯想されるのだろうか。
 水彩連盟の作品は、北海道札幌支部展を見ていると、そういうタイプの絵よりは、油彩よりの重厚な作品が多いようだ。もっとも、日本水彩画会とそれほど際だった差異はないともいえるが…。道展の古参会員には水彩画会のメンバーが多く、もう少し若い会員や新道展出品者が水彩連盟に多いというぐらいの違いなのかもしれない。

 若手ながら高い技巧とチャレンジ精神のある石垣渉さんが水彩連盟に出すようになったのは知らなかった。
 「ただよう」(60F)は、川に遡上してきたサケを描く。晩秋になると、道内の川でふつうに見られる光景だ。そして、写真に撮ろうとすると、これほど肉眼と違って、うまく写ってくれない被写体も珍しい。水の感じと、サケの生命の感じ。この二つが同時に表現されている。
 川面を漂う紅葉が、絶妙のアクセントになっている。

 佐藤恵利子「境界」F40
 この人の絵も初めて。
 森の中、遠くから歩み寄ってくるシカ2頭を描いている。森閑とした空気感がさわやかだ。

 三村克彦「有機体へ」100F
 さびたエンジンなどの機械類の集積に、色鮮やかなチョウが1匹、という基本的なモティーフは変わっていない。ただ、機械が描かれずに背景が明るく抜けている個所があるので、画面全体に広がりが出てきているように感じられる。

 竹津昇「再生(左)」80変 
 竹津さんといえば、粘り強いリアリズムが持ち味かと思っていたが、いつの間にか、省筆が巧みになっているのではないか。家の壁の前に置かれたバケツやリヤカー、ひるがえる洗濯物、屋根や煙突…。それらは、写真のようなリアリズムとはちょっと異なる、独特の存在感があるようだ。

 坂本早枝子「ひととき」
 オホーツク美術協会の会員ではないか?
 明るい黄色を主体に、女性と猫を描いた、軽いタッチの作品。こういう絵もあると、会場がなごむ。


 それ以外の出品作は次の通り。

青坂龍子「翔・明日へ」 80F
畦原信子「卓上風景」 80F
大山栄子「MO・RI・O・KA」
河合幹夫「赤い山(昭和新山)」 80M
勘野悦子「物憂い気分」 60P
小路七穂子「夏天IV」 60F
佐藤陸雄「鎮魂歌(還らぬ調べ)」 60F
新木勝恵「ポプラ」 80F
高田みち子「樹上の母と子」 80F
武田美佐江「ロビー」 50F
西村美紀子「秋風」 60F
古田瑩子「森の楽しみ」 30F
湯浅美恵「いつか何処かで」 60F
米澤佳代「秋の入日」 60F
渡邉範子「不撓」 100F


2013年10月28日(月)~11月2日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)

□水彩連盟 http://suisai-renmei.org/
□水彩連盟北海道札幌支部 http://www.geocities.jp/madrid2002jp/suisairennmei.sapporo.TOP.html

第3回水彩連盟北海道札幌支部展 (2008)
第2回水彩連盟北海道札幌支部展 (2007)
=以上画像なし
第1回水彩連盟北海道札幌支部展




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