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■九月の旅人 経塚真代 (2014年9月1~30日、札幌)

2014年09月30日 12時12分12秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 札幌の経塚真代けいづかまさ よ さんの個展。
 28日まで開かれていた道展で、人形作家としては久しぶりの入賞を果たすなど、めざましく活動している。
 人形の世界は、桐塑や和紙による日本の伝統的なものと、関節球体、ビスクドールといった西洋由来のものなど、多くの素材、分野に分かれているが、経塚さんはそういう旧来の区切りとは関係ないところに登場したわけで、清新さを感じるのも道理だろう。

 頭にいろいろなものを載せた、かわいくて、ちょっぴり切なげで、さびしそうな人形と、オブジェの数々は、多彩な物語を紡いでくれる。
 近く本郷新記念札幌彫刻美術館で開かれる「ナインストーリーズ」展へも出品する。

 今回の会場は、六花亭という道内では有名なお菓子屋さんの、2階にある喫茶室なのだが、2階へと続く階段の壁から、もう経塚ワールドが始まっているのだ。





 これは、階段の上方の空間に広がるインスタレーション。
 こういう空間の使い方がうまい。おなじ会場を使っていた他の作家にくらべても巧みだ(この空間は、帯広の半谷学さんも大作をつるしていたが)。




 芳名帳が置かれている喫茶室の入り口にあった作品。

 リンゴをあしらった作品は、室内の北側の壁にも掛けてあった。




 テーブルとテーブルの間の壁にも、小さな作品が取りつけてある。
 窓から見える、外壁のつたが赤く色づきはじめており、良いコントラストをなしている。




 メーンステージともいえる壁面の大作。

 左側の大きな時計は、ふつうと逆回りに動いていた。
 よく見ると、いくつかのローマ数字も裏返しになっている。

 そもそも、ちょっと傾いている。

 周囲には星がちりばめられているので、天空の大時計といったところなんだろうか。
 いくつかの星は、手前の空間に、天井からつりさげられている。
 ここでも、空間を目いっぱい活用する経塚さんらしさが感じられる。

 三日月の端っこに腰掛けている彼女は、何を読んでいるんだろうか。
(新聞なら、うれしいな)



2014年9月1日(月)~30日(火)午前11時~午後5時30分(ラストオーダー 5時)
六花亭福住店2階喫茶室(豊平区福住2の5)

http://masayokeizuka.com/index.html

経塚真代 個展 昨日の出来事 (2014年4月)
経塚真代 造形作品展 「ちいさくて見えない星」 (2013)



・地下鉄東豊線・福住駅および福住駅バスターミナルから約1.07キロ、徒歩13分
・地下鉄東豊線・福住駅で中央バス「福84 羊ケ丘線」「福76 福住澄川線」「真104 真105 真駒内線」に乗り継ぎ、福住2条5丁目で降車、約200メートル、徒歩3分

・札幌駅前から中央バス「89 羊ケ丘線」に乗り、福住2条4丁目で降車、約200メートル、徒歩3分


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