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写真とアート・補遺

2009年12月22日 22時38分51秒 | つれづれ日録
承前

 きのうアップした「写真とアート」のエントリだが、あるいは誤解されるかもしれないので、すこし補足しておく。

 「写真業界の写真」ではなく「アートとしての写真」だから美術館が取り上げるべきだ-と言っているのではない。
 ことし高梨豊展を東京の国立美術館が開催し、長崎県の美術館では東松照明展が開かれたことからも明白なように、その写真が美術手帖っぽいのかアサヒカメラっぽいのかにかかわらず、写真というのは美術館のテリトリー内っていうことなのだ。
 絵画や彫刻、インスタレーションだけが、美術館で展覧されたり収集されたりするものではないのだ。

 「アートとしての写真」は、あくまでコンセプトを実現するまでの「手段」として写真を用いているという性格の濃いもので、代表的なのは森村泰昌や、やなぎみわ。道内では鈴木涼子さん、山岸せいじさんがここに入る。
 「写真業界の写真」ときっぱり二分されているわけではないが、こちらには、東松照明や森山大道が入るだろう。そして、両者の中間地帯に、鈴木理策や佐内正史なんかが入るんだと思う。
 以前、森村泰昌には木村伊兵衛賞が与えられなかったが、その後写真界の評価軸がアート界に近づいたのか、澤田知子なんかは、写真でもありコンセプチュアル・アートでもあり、なんていう作品になっている。
 そして、広告業界の写真、鉄道写真などもあるが、それらはあまり美術館の守備範囲としては認識されていないと思われる。

 先日個展が開かれた酒井広司さん、あるいは写真集が出た露口啓二さん、1980年代に美術出版社から写真集が出版されている服部冬樹さんなどは、じゅうぶん美術館で追跡するに足る実力を持ち、アート的な作品を制作する。岡本和行さんはこの冬、帯広美術館と札幌芸術の森美術館の展覧会に出品をしている。
 このような動きは、当然のことなのである。


(知り合いは敬称を略しづらい。中途半端な文章になってしまった)


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