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■第12回伝統工芸北海道展 日本工芸会東日本支部北海道研究会 北海道在住作家による (2024年11月5~11日、札幌)

2024年11月08日 19時52分01秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 三越ギャラリーの両室を使って今年も開かれています。
 伝統にのっとりつつ、現代の暮らしに合った要素をも取り入れた質の高い工芸作品が並んでいます。

 出品している作家は次の通り。

 陶芸 
北川智浩(江別)
小山七郎(札幌)
高井秀樹(函館)
中村裕 (札幌)
西村和 (札幌)
三上慶耀(十勝管内鹿追町)
 木竹工
島田晶夫(石狩管内当別町)
村木昭彦(札幌)
 諸工芸
長谷川房代(函館)
降籏ゆみ(江別)

 長谷川さんは七宝です。今回は壁掛けが「よろこびの日」「白い花」など4点で、香合が3点ほどでした。
 降籏さんはガラス。銀彩色被グラディール花器など精緻な文様の器が美しいです。金赤や銅赤、紫のロックグラスなど、色も多彩です。

 村木さんは先日の銀座での3人展で発表していた白樺の箱(同じ作品かどうかは自信ないです…)のほか、神代楢の香合が野趣に富んだ作品として目を引きました。
 島田さんは楡による木箱などで、お二人ともに、北海道の材を活用しようという姿勢に感服します。

 北川さんは白磁と桃白磁の清楚な器の二刀流です。一部、志野や鼠志野の茶碗があって、珍しいと思いました。
 高井さんも近年は白磁の器に取り組んでいます。ほかに灰釉もありました。

 三上さんは「青瓷漣紋鉢」などのほかに、特徴である線の模様(かいらぎに似ているが、ちょっと違う)がないあっさりしたデザインの器もあります。
 中村さんは「月山文皿」「風雪文花器」など、北国の風土を生かしたシャープなデザインが特徴です。

 小山さんの透かし技法はますます精緻の度が高まっているようです。制作中や焼成時にひびが入ったりしないのだろうかと心配になります。筆者が心配してもしかたないんですけど。
 西村さんは先日、同じ会場での個展を終えたばかり。陶漆網代文台皿など、淡く渋い色調の皿もあります。


 「ギャラリートーク」が11月9日(土)、10日(日)の午後2時からあり、出品作家がる作品や技法を解説します。

 また、会場では「作家による呈茶:作家の茶道具を使った呈茶」も行われています。こちらは、9日と10日の各日午前11時からです(5日午後2時は終了済み)。


2024年11月5日(火)~11日(月)午前10時~午後7時(最終日~4時)
三越本館9階ギャラリー(中央区南1西3)


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