旺玄展にいた岩井弥一郎らが1950年に旗揚げした団体公募展。
帝展で3年連続特選を果たした江別出身の画家上野山清貢(旺玄展、全道展の創立会員)や、紋別ゆかりの画家村瀬真治が結成に加わるなど、北海道にもかかわりが深い。毎年この時期に支部展をひらいている。
今回もさまざまな画風の油彩(一部水彩)が展示されている。一部、旧作も交じっている。例年ならひとりで2点程度のところ、3、4点出している人も多く、例年より点数が多いようだ。
昨年出品していた人のうち、川西由峰(札幌)木村好(苫小牧)長尾真規子(札幌)の3氏がことしは見当たらない。
一方、西村司さんは3年ぶりの登場。
会場に入ってまず、曳地敏行「北大研究林の朝」が目を引く。
点描に近い手法で、朝まだきの初秋の森を描いている。さしこむ光、色付き始めた木々、静かな池、すべてがすがすがしい。視線を自然と奥に導く構図にも安定感がある。
続いて登別のベテラン信岡成子さんの「イタンキ浜の初夏」。
ハマナスの咲く海岸がモティーフだが、やや傾いた水平線と、斜めのストロークが、現場の感覚というか、風を感じさせる。
西村司「白い道」。
海を遠くに望む草むらの中の小径。手前に少女が描かれ、向こうから少年が歩いてくる。晴れた夏の日の、思い出のシーンのようだ。遠い入り江には白い鳥の姿も見える。
手堅い写実力に加え、ちょっと変わった色調がこの絵を特徴づけている。たぶん、下地に朱色を塗っているので、それが透けて見えているのだろう。
子どもたちへの愛情も感じられる佳品。
中村國夫「薔薇の海」。
全体が鉛筆画のようなトーン。貝殻やバラの花、風景などが、細密に描写されている。画面下半分の土盛りらしき部分や、エビなどは着彩されているが、未完成という感じはなく、ふしぎな魅力のある1枚。
天野千恵子「ローマの街」。
ふつうの風景画だが、人がひとりもいないのが不思議。超現実的なムード。
竹津昇「光陰」。
すき起こされたばかりの畑だろうか。土の起伏と水だけの絵画。
「白い壁」は、10年ぐらい前の作だと思う。懐かしい。
河瀬陽子「マリオネット」。
ブルージーンズ、赤いパーカー、緑のターバンという姿の女性がメーンのモティーフ。マリオネットは、右側のキャビネットの上にのっている。ベテランらしく手堅い。
川上直樹「跡地」。
ドライフラワーなど、要素をぎりぎりまで削って構成した作品。静かで穏やかな画面は、まさに引き算の美学。
湯浅工「黄色いコンテナ船」。
近景の、海面に浮かんだ氷が寒々しさを伝える。斜めに傾いたブイが効果的。
「春を待つ山の主」は、湯浅さんのサイトの表紙に長く採用されていたいわば代表作。
出品作は次のとおり。特に記していないものは油彩。
天野千恵子(石狩)「ベネチア」120F 「ローマの街」50F 「日だまりの家族」50F
石山宗晏 (旭川)「緑陰」100F 「家族1919」50F 「屋上の風景」100F
遠藤雅美 (滝川)「十勝岳」50F 「駒ケ岳」100F 「十勝岳展望」100F
長内由美 (室蘭)「時」120F 「華芯」8F 「hydrangea」8F
川上直樹 (札幌)「跡地」100F 「室内……追想」30P 「跡地」50F (目録にないが「現在地-風を裂いて」も出品)
河瀬陽子 (芦別)「マリオネット」100F 「想」50F
黒澤仁博 (滝川)「らふ」50F 「らふ」700×1290
小崎侑子 (札幌)「光陰」130F 「紫陽花」80F 「灯(あかり)」50F
鈴木利枝子(札幌)「北の大地」120F 「北の大地」120F 「華」50F
竹津昇 (札幌)「光陰」100F 「白い壁」80F 「光陰」50F=いずれも水彩
田仲茂基 (札幌)「悠久の翼」130F 「未来への翼」50F 「廃墟のある風景」8F
堤千恵 (札幌) 「降臨」50F 「望郷」50F (小品「未来へ」「バーレッスン」「ジゼル」「トウシューズ」も)
中村國夫 (旭川)「鼓動『生命の在處』」130F 「薔薇の海」50F
中村美恵子(旭川)「百合と貝『生命への愛』」50S 「百合と人形『生命への愛』」50F
永田このえ(芦別) 「ブルちゃんの赤ちゃん」50F 「リムロック-雪がやんで-」100F
西村司 (北広島)「白い道」130F 「JRA入場口」100F
信岡成子 (登別)「風の路」30F 「イタンキ浜の初夏」50F
曳地敏行(苫小牧)「室蘭港」50F 「北大研究林の朝」50F
湯浅工 (札幌)「黄色いコンテナ船」130F 「春を待つ山の主」100F 「運河」50F
渡部泰子 (札幌)「休憩」50F 「三月三日」50F 「花」20F
2010年5月19日(水)-23日(日)10:00~5:00(最終日~4:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
□一線美術会 http://www9.wind.ne.jp/issen/
□アトリエかわせようこ http://www.geocities.jp/atelier_yoko_kawase/index
□TAKUMIの画室 http://www.geocities.jp/takumi7707/index.html
□竹津昇 水彩の旅 http://www.geocities.jp/madrid2002jp/
□個展deスカイ!(川上さんのブログ) http://kotendesky.exblog.jp/
■第27回一線美術会北海道支部展(2009年)
■第26回
■第25回展
■第22回展
■第21回展
■第20回展
■第19回展
(以上、第27回をのぞき画像なし)
・地下鉄東西線「バスセンター前」9番出口から330メートル、約5分
・ジェイアール北海道バス、夕鉄バス、中央バス「サッポロファクトリー前」から550メートル、約7分(ジェイアールバスと中央バスは、札幌駅、北1条から100円=ただし現金のみ)
・中央バス「豊平橋」から徒歩9分(月寒、清田、平岡方面から来る人は、これもひとつの手)
帝展で3年連続特選を果たした江別出身の画家上野山清貢(旺玄展、全道展の創立会員)や、紋別ゆかりの画家村瀬真治が結成に加わるなど、北海道にもかかわりが深い。毎年この時期に支部展をひらいている。
今回もさまざまな画風の油彩(一部水彩)が展示されている。一部、旧作も交じっている。例年ならひとりで2点程度のところ、3、4点出している人も多く、例年より点数が多いようだ。
昨年出品していた人のうち、川西由峰(札幌)木村好(苫小牧)長尾真規子(札幌)の3氏がことしは見当たらない。
一方、西村司さんは3年ぶりの登場。
会場に入ってまず、曳地敏行「北大研究林の朝」が目を引く。
点描に近い手法で、朝まだきの初秋の森を描いている。さしこむ光、色付き始めた木々、静かな池、すべてがすがすがしい。視線を自然と奥に導く構図にも安定感がある。
続いて登別のベテラン信岡成子さんの「イタンキ浜の初夏」。
ハマナスの咲く海岸がモティーフだが、やや傾いた水平線と、斜めのストロークが、現場の感覚というか、風を感じさせる。
西村司「白い道」。
海を遠くに望む草むらの中の小径。手前に少女が描かれ、向こうから少年が歩いてくる。晴れた夏の日の、思い出のシーンのようだ。遠い入り江には白い鳥の姿も見える。
手堅い写実力に加え、ちょっと変わった色調がこの絵を特徴づけている。たぶん、下地に朱色を塗っているので、それが透けて見えているのだろう。
子どもたちへの愛情も感じられる佳品。
中村國夫「薔薇の海」。
全体が鉛筆画のようなトーン。貝殻やバラの花、風景などが、細密に描写されている。画面下半分の土盛りらしき部分や、エビなどは着彩されているが、未完成という感じはなく、ふしぎな魅力のある1枚。
天野千恵子「ローマの街」。
ふつうの風景画だが、人がひとりもいないのが不思議。超現実的なムード。
竹津昇「光陰」。
すき起こされたばかりの畑だろうか。土の起伏と水だけの絵画。
「白い壁」は、10年ぐらい前の作だと思う。懐かしい。
河瀬陽子「マリオネット」。
ブルージーンズ、赤いパーカー、緑のターバンという姿の女性がメーンのモティーフ。マリオネットは、右側のキャビネットの上にのっている。ベテランらしく手堅い。
川上直樹「跡地」。
ドライフラワーなど、要素をぎりぎりまで削って構成した作品。静かで穏やかな画面は、まさに引き算の美学。
湯浅工「黄色いコンテナ船」。
近景の、海面に浮かんだ氷が寒々しさを伝える。斜めに傾いたブイが効果的。
「春を待つ山の主」は、湯浅さんのサイトの表紙に長く採用されていたいわば代表作。
出品作は次のとおり。特に記していないものは油彩。
天野千恵子(石狩)「ベネチア」120F 「ローマの街」50F 「日だまりの家族」50F
石山宗晏 (旭川)「緑陰」100F 「家族1919」50F 「屋上の風景」100F
遠藤雅美 (滝川)「十勝岳」50F 「駒ケ岳」100F 「十勝岳展望」100F
長内由美 (室蘭)「時」120F 「華芯」8F 「hydrangea」8F
川上直樹 (札幌)「跡地」100F 「室内……追想」30P 「跡地」50F (目録にないが「現在地-風を裂いて」も出品)
河瀬陽子 (芦別)「マリオネット」100F 「想」50F
黒澤仁博 (滝川)「らふ」50F 「らふ」700×1290
小崎侑子 (札幌)「光陰」130F 「紫陽花」80F 「灯(あかり)」50F
鈴木利枝子(札幌)「北の大地」120F 「北の大地」120F 「華」50F
竹津昇 (札幌)「光陰」100F 「白い壁」80F 「光陰」50F=いずれも水彩
田仲茂基 (札幌)「悠久の翼」130F 「未来への翼」50F 「廃墟のある風景」8F
堤千恵 (札幌) 「降臨」50F 「望郷」50F (小品「未来へ」「バーレッスン」「ジゼル」「トウシューズ」も)
中村國夫 (旭川)「鼓動『生命の在處』」130F 「薔薇の海」50F
中村美恵子(旭川)「百合と貝『生命への愛』」50S 「百合と人形『生命への愛』」50F
永田このえ(芦別) 「ブルちゃんの赤ちゃん」50F 「リムロック-雪がやんで-」100F
西村司 (北広島)「白い道」130F 「JRA入場口」100F
信岡成子 (登別)「風の路」30F 「イタンキ浜の初夏」50F
曳地敏行(苫小牧)「室蘭港」50F 「北大研究林の朝」50F
湯浅工 (札幌)「黄色いコンテナ船」130F 「春を待つ山の主」100F 「運河」50F
渡部泰子 (札幌)「休憩」50F 「三月三日」50F 「花」20F
2010年5月19日(水)-23日(日)10:00~5:00(最終日~4:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
□一線美術会 http://www9.wind.ne.jp/issen/
□アトリエかわせようこ http://www.geocities.jp/atelier_yoko_kawase/index
□TAKUMIの画室 http://www.geocities.jp/takumi7707/index.html
□竹津昇 水彩の旅 http://www.geocities.jp/madrid2002jp/
□個展deスカイ!(川上さんのブログ) http://kotendesky.exblog.jp/
■第27回一線美術会北海道支部展(2009年)
■第26回
■第25回展
■第22回展
■第21回展
■第20回展
■第19回展
(以上、第27回をのぞき画像なし)
・地下鉄東西線「バスセンター前」9番出口から330メートル、約5分
・ジェイアール北海道バス、夕鉄バス、中央バス「サッポロファクトリー前」から550メートル、約7分(ジェイアールバスと中央バスは、札幌駅、北1条から100円=ただし現金のみ)
・中央バス「豊平橋」から徒歩9分(月寒、清田、平岡方面から来る人は、これもひとつの手)
S50 の作品はぎりぎりで描いた未完成の作品を出展しました。今年の名古屋一線展に出品予定ですが、いろいろ問題点を解決してからとなります。
わたしはどうやってアップするのか分かりません。すごいですね。
都美術館改築のあおりで名古屋展なのでしょうか。どこも大変のようですね。