「50歳の節目の個展です」
という意味のことが案内状に書いてあった。
人物の後ろ姿のドローイングにカラフルな色班を組み合わせるなどして、時にはギャラリーの壁に直接ペインティングする試みも交えるなど、コンスタントな活動を続けてきた齋藤周さんもそんな年齢になったのかと、うたた感慨を禁じ得ない。
この数年、齋藤周さんは、家族への思いや記憶などごく個人的な感情をベースにした絵画が多くなっている。
やはり画家・高校教師であった父親(全道展会員の斎藤洪人さん)が亡くなるなど自身にとって大きな節目が訪れているからだろう。
展示されているのは37点。
たとえば、いちばん大きな絵が、札幌市白石区南郷にあって20年ほど前に取り壊したアトリエ兼住宅であるとか、絵に登場するニセコアンヌプリはかつて父親と行ったスキー場のある山だとか、作品の背景にある画家の個人史を知っていれば、より理解が深まるかもしれない。羊蹄山の絵も、ニセコから見たものだという。
しかし、そういう事情がわからないと鑑賞できない絵ではないだろう。
齋藤さんの絵は、単なる種明かしで終わってしまう絵画ではなく、なにも事情を知らない人が見てもおそらく、なにかしら感情の震えのようなものがつたわってくる絵ではないかと思う。
斎藤洪人さんは、ニセコの山などを大まかな筆遣いで描き、風景と抽象の中間を行く絵を描く人だった。
「親父が風景画家だったから(自分は)風景を描かなかった。50歳になって、やっと素直になったんですよ」
と齋藤周さんは話す。
ただ、筆者は、2003年に石狩のArt Warm で開いた個展「横移動の座標軸」あたりから、彼の絵に風景画的なものを感じていた。
その個展自体が、横に細長い絵がつなげて展示されるパノラマ的なものだったということもあるが…。
2階スペースにあった、書物を重ねた様子を描いた絵。
「継ぎ」というテーマに、本はふさわしいモチーフといえるかもしれない。知の入れ物として、後世に引き継いでいくものだから。
まとまりを欠く文章でごめんなさい。
2018年8月15日~26日(日)午前11時~午後7時、月曜休み、
TEMPORARY SPACE(札幌市北区北16西5)
□ http://shusaito.com/
関連記事へのリンク
■齋藤周個展「片鱗」 (2017)
■JRタワー・アートプラネッツ2012 楽しい現代美術入門 アルタイルの庭 (2012、画像なし)
■齋藤周「ひろいよみ」 ハルカヤマ藝術要塞 (2011)
【告知】これから下りていこう/齋藤周(2011年、画像なし)
【告知】Pistol 3 (2011年2月26日~3月13日)
■PLUS ONE THIS PLACE(2010年9月)
■第7回北海道高等学校文化連盟石狩支部顧問展 (2010年1月)
■水脈の肖像09-日本と韓国、二つの今日 (2009年12月)
■いすのゆめ (2009年11月)
■PLUS 1 Groove(2009年8月)
■PLUS 1 +柴橋伴夫企画 千代明 秋山一郎 齋藤周 (2009年8月)
■第6回北海道高等学校文化連盟石狩支部美術部顧問展 (2009年1月)=画像なし
■ART BOX 札幌芸術の森・野外ステージ(2008年)
■はしご展(2008年)
■齋藤周展 おおらかなリズム(2008年)
■FROM PIECE TO PIECE ・齋藤周「あたらしくまえにすすむ」(2008年)
■久野志乃と齋藤周展 かるいからだ(08年1月)
■PLUS One Groove(07年8月)
■齋藤 周 個展「いろんなことが想いにたりない」
■齋藤周「3月の次から」(07年3月)
■PISTOL 2-SHU SAITO & HIROSHI TAKEDA a.k.a. Azkenpanphan Exhibition=武田・齋藤2人展
■06年6月の個展
■齋藤周「かかわり」(06年2月)
■絵画の場合2005アーティストトーク
■札幌の美術2004(画像なし)
■個展「横移動の座標軸」(03年)
■個展「細かい情感のイメージ」(03年)
■個展「NEXT STEP」(02年、画像なし)
■個展「多面に存在していくこと」(02年、画像なし)
■01年の個展(画像なし)
・地下鉄南北線「北18条」駅から約450メートル、徒歩6分
・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「北18条西4丁目」から約300メートル、徒歩4分
・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「北大病院前」から約400メートル、徒歩5分
・中央バス「北15条東1丁目」から約700メートル、徒歩9分
という意味のことが案内状に書いてあった。
人物の後ろ姿のドローイングにカラフルな色班を組み合わせるなどして、時にはギャラリーの壁に直接ペインティングする試みも交えるなど、コンスタントな活動を続けてきた齋藤周さんもそんな年齢になったのかと、うたた感慨を禁じ得ない。
この数年、齋藤周さんは、家族への思いや記憶などごく個人的な感情をベースにした絵画が多くなっている。
やはり画家・高校教師であった父親(全道展会員の斎藤洪人さん)が亡くなるなど自身にとって大きな節目が訪れているからだろう。
展示されているのは37点。
たとえば、いちばん大きな絵が、札幌市白石区南郷にあって20年ほど前に取り壊したアトリエ兼住宅であるとか、絵に登場するニセコアンヌプリはかつて父親と行ったスキー場のある山だとか、作品の背景にある画家の個人史を知っていれば、より理解が深まるかもしれない。羊蹄山の絵も、ニセコから見たものだという。
しかし、そういう事情がわからないと鑑賞できない絵ではないだろう。
齋藤さんの絵は、単なる種明かしで終わってしまう絵画ではなく、なにも事情を知らない人が見てもおそらく、なにかしら感情の震えのようなものがつたわってくる絵ではないかと思う。
斎藤洪人さんは、ニセコの山などを大まかな筆遣いで描き、風景と抽象の中間を行く絵を描く人だった。
「親父が風景画家だったから(自分は)風景を描かなかった。50歳になって、やっと素直になったんですよ」
と齋藤周さんは話す。
ただ、筆者は、2003年に石狩のArt Warm で開いた個展「横移動の座標軸」あたりから、彼の絵に風景画的なものを感じていた。
その個展自体が、横に細長い絵がつなげて展示されるパノラマ的なものだったということもあるが…。
2階スペースにあった、書物を重ねた様子を描いた絵。
「継ぎ」というテーマに、本はふさわしいモチーフといえるかもしれない。知の入れ物として、後世に引き継いでいくものだから。
まとまりを欠く文章でごめんなさい。
2018年8月15日~26日(日)午前11時~午後7時、月曜休み、
TEMPORARY SPACE(札幌市北区北16西5)
□ http://shusaito.com/
関連記事へのリンク
■齋藤周個展「片鱗」 (2017)
■JRタワー・アートプラネッツ2012 楽しい現代美術入門 アルタイルの庭 (2012、画像なし)
■齋藤周「ひろいよみ」 ハルカヤマ藝術要塞 (2011)
【告知】これから下りていこう/齋藤周(2011年、画像なし)
【告知】Pistol 3 (2011年2月26日~3月13日)
■PLUS ONE THIS PLACE(2010年9月)
■第7回北海道高等学校文化連盟石狩支部顧問展 (2010年1月)
■水脈の肖像09-日本と韓国、二つの今日 (2009年12月)
■いすのゆめ (2009年11月)
■PLUS 1 Groove(2009年8月)
■PLUS 1 +柴橋伴夫企画 千代明 秋山一郎 齋藤周 (2009年8月)
■第6回北海道高等学校文化連盟石狩支部美術部顧問展 (2009年1月)=画像なし
■ART BOX 札幌芸術の森・野外ステージ(2008年)
■はしご展(2008年)
■齋藤周展 おおらかなリズム(2008年)
■FROM PIECE TO PIECE ・齋藤周「あたらしくまえにすすむ」(2008年)
■久野志乃と齋藤周展 かるいからだ(08年1月)
■PLUS One Groove(07年8月)
■齋藤 周 個展「いろんなことが想いにたりない」
■齋藤周「3月の次から」(07年3月)
■PISTOL 2-SHU SAITO & HIROSHI TAKEDA a.k.a. Azkenpanphan Exhibition=武田・齋藤2人展
■06年6月の個展
■齋藤周「かかわり」(06年2月)
■絵画の場合2005アーティストトーク
■札幌の美術2004(画像なし)
■個展「横移動の座標軸」(03年)
■個展「細かい情感のイメージ」(03年)
■個展「NEXT STEP」(02年、画像なし)
■個展「多面に存在していくこと」(02年、画像なし)
■01年の個展(画像なし)
・地下鉄南北線「北18条」駅から約450メートル、徒歩6分
・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「北18条西4丁目」から約300メートル、徒歩4分
・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「北大病院前」から約400メートル、徒歩5分
・中央バス「北15条東1丁目」から約700メートル、徒歩9分