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佐々木秀明 Droplets Garden(2013年2月17日で終了、札幌)

2013年02月18日 22時53分15秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 したたり落ちる水滴と、ゆらめく光によるインスタレーション「雫を聴く」シリーズを作り続ける札幌の佐々木秀明さんの個展。
 モエレ沼公園の「ガラスのピラミッド」は、同公園で最大の建築物であり、美術展などにもちょくちょく使われていますが、今回はピラミッド内やギャラリーではなく、雪倉庫とよばれる空間が会場になっています。雪を貯蔵し、夏の間の冷房に活用するためのスペースで、以前、SNOW SCAPE MOEREでも展示に用いられたことがありました。
 ただ、今回のように、全面的に使用されたのは初めてだと思います。

 今回は、全5点(点という数え方が正しいかどうかは別として)が「雫を聴く」という題。

 出入り口に、据え置き型の小品。

 入って緩いスロープを下りて、左側に18点、ほぼ三角形に並んでいるのが、楕円形の光背のようなものがついた、昔からあるタイプの作品。
 リストにも「2002年制作 再構成2013年」とあります。

 左右の壁にすえつけてあるのは、2012年作。
 奥のほうに7点が点在しているのは、釧路芸術館の個展でもメーンになっていた、床の上に広がる丸い光がしずくによってゆらめくタイプのもの。これは、2010年作、2013年再構成です。

 というわけで、新しい方向を予感させるというよりも、これまでの集大成的な感のある個展だったというような気はします。

 「雪倉庫」という会場名からうける印象とは異なり、外界からは隔絶された空間です。
 冬の厳しい風土の中で行われている展覧会という感じはあまりしません。
 むしろ、暗い空間から外に出た瞬間の、雪原のまばゆさが強く印象に残りました。

 雪の野が広がるモエレ沼と、光と音のゆらめきからなる純粋な空間との対比。
 そう思うと、佐々木さんの作品は「ホワイトキューブ的」かつ「モダン」な要素が、「サイトスペシフィック」で「コンテンポラリー」よりも勝っているのかもしれないと、ふと考えた。

 
2013年1月12日(土)~2月17日(日)10am~5pm、月曜休み(祝日は開館し翌火曜休み)
モエレ沼公園ガラスのピラミッド雪倉庫(札幌市東区モエレ沼公園)
一般300円、学生200円

告知の記事

【告知】佐々木秀明個展(2011年11月)
共振芸術空間 佐々木秀明展+アート5<雫を聴く>5週間 (2011年8月)
半円形-ものがたり展(2011年5月)

さっぽろフォトステージ (2008年)
北の彫刻展-心の中の自由な世界(佐々木さん出品。2008年。画像なし)
佐々木秀明個展 雫を聴く2007
渡辺博史・佐々木秀明写真展(07年5-6月)

北の創造者たち2001
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