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札幌には10の区があるけれど、ほかにこんな展覧会をひらいている区があるのかどうか。筆者はきいたことはありません。
会場にいらした出品者のひとり、西村一夫さんにお聞きしたら、最初は区民センターのロビーという狭苦しい会場で、それを理由に出品を渋る人もいたそう。
近年は、札幌サンプラザという広くて、交通の便も良い会場で、おおむね30号が上限ということです。
(筆者の記憶が正しければ、ここはかつて、市電の車庫があった)
そういえば「アーティスト展」とうたっていますが、全員が絵画・版画で、書道や写真や彫刻の出品はありません。
冒頭の画像の、いちばん手前は西村さん「内なる風景」。
西村さん独特の、シンプルであたたかみの漂う抽象画です。
そのとなりは林玲二さん「作品」。
林さんはインスタレーション的な発表が大半なので、こうやって額装されていると、なんだか慣れない感じがします。
ひとつおいて、中橋修さん「内包」。
白い地に、赤い線が2本入っただけの、シンプルな画面。
画面左端は土井善範さん「のすたるじあ」。
土井さんは全道展の会友になったのは早かったと思います。ここ数年、独特のメルヘン路線が板についてきたように感じます。
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つぎの画像で、いちばん右端にあるのは、小林政雄さん「火力発電所」。
なんと1950年4月の作品です。
しかし、緑の粉をふいたようなコンクリートの力強い描写や、まばゆいばかりの青空など、つい先ごろ描かれたばかりのようです。
小林さんは1917年、東京生まれ。長く夕張で働いていました。50年は道展会友になった年です。
52年には会員になり、道展会員の最古参のひとりです。
出品作家は次のとおり。いちおう所属も書いてみました。
内田佳代子「静物」(日洋会委員)
鶴田昌子「未来へ<閃く>」(道展会員)
藤本登規子「薔薇のバレリーナ」(二元会委員)
大林雅「彷徨う」(新道展会員、美術文化協会会員)
土井善範「のすたるじあ」
細木博子「時の流れの中で」(新道展会員)
河合キヨ子「一本の縄」(新道展会員)
富樫貢平「DONA」(一陽会会員、道展会員)
松浦章博「MenTon」
川西勝「樹」(新道展会員)
長尾恵美子「アネモネ」
丸山惠敬「青の奏曲(トウモロコシ)」(新道展会員)
木村富秋「大きな公園の入口」(独立展会員、全道展会員)
中舘侑子「名残の夏」
村谷利一「石狩」(道展会員)
木村由紀子「風の譜」(全道展会員、独立展準会員)
中橋修「内包」
森川昭夫「手稲朝焼け」
小林政雄「火力発電所」
西澤宏生「北大秋色」(新道展会員)
山川恭子「奏」(道展会員)
佐藤武「雨あがり」
西村一夫「内なる風景」(道展会員)
山川真一「北の街(小樽)」(道展会員)
田崎敦子「はじまり I」
波田浩司「羽の舞う日」(全道展会員、独立展準会員)
山崎幸治「回帰2007」
田中進「十勝岳冠雪」(日洋会委員)
林玲二「作品」
07年11月21日(水)-27日(火)9:00-17:00
札幌サンプラザふれあい広場(北区北24西5)