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「ニトリが旧拓銀小樽支店を取得 小樽芸術村の美術館に」という道新の記事と、小樽ペテルブルグ美術館の思い出

2017年01月05日 09時09分09秒 | 新聞などのニュースから
(1月10日、画像を追加しました)

 北海道新聞2017年1月5日朝刊2面の記事(http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0354610.html)から引用です。

 【小樽】家具・インテリア製造小売り最大手のニトリ(札幌)が小樽市中心部の宿泊施設「ホテルヴィブラントオタル」(色内1)の土地と建物を取得したことが4日、分かった。同ホテルは、旧拓銀小樽支店として建築され、現在は市の歴史的建造物に指定されている。同社は、周辺の歴史的建造物を活用した「ニトリ小樽芸術村」の美術館の一つとして活用し、今夏のオープンを目指している。

 同ホテルの建物は鉄筋コンクリート造り地下1階、地上4階建てで延べ床面積約3100平方メートル。1923年(大正12年)に旧拓銀小樽支店として建築された。小樽ゆかりのプロレタリア作家、小林多喜二が勤務した建物としても知られる。

(引用終わり)

 この書きぶりは、北海道新聞のスクープのようです。
 ニトリの正式発表はまだなく、地元ニュースに強い「小樽ジャーナル」のサイトにも見当たりません。

 すでに「ニトリ小樽芸術村」については、昨年7月23日に一部がオープンし、見応えのあるアールヌーヴォーのガラスや英国教会のステンドグラスのコレクションについてこのブログでも紹介しております。
 このほかに、隣接する旧三井銀行小樽支店(冒頭の画像で、左奥に見えている建物です)を日本近代絵画美術館として今年オープンさせる予定とのことで、期待していましたが、さらに、近い場所の施設を手中におさめていたとは驚きました。




 引用した後の部分には、ホテルの営業終了時期は未定だがその後に横山大観の日本画などを展示する―とあります。宿泊施設にはしないようです。

 記事にはありませんが、この建物は、地場百貨店の丸井今井の関連会社が1995年、
小樽ペテルブルグ美術館
としてオープンさせました。
 トゥールーズ=ロートレックの作品や資料のコレクションを所有していたのをはじめ、ロシアの美術館と提携してレーピンの名作「ボルガの船引き」などを展示したり、現代画家のヘルンヴァインの大規模な個展を開いたりして、積極的な活動を行っていました。

 しかし98年の企画展を最後に休館し、99年に閉館。施設は売却されました。
 丸井今井は経営が行き詰まり、本州の百貨店グループの傘下に入りました。

 その後、2002年にホテルとして再出発を果たし、改称して現在に至っています。

 筆者は世紀が改まってからはこの建物には入っていません。
 ペテルブルグ美術館時代に何度か足を運びましたが、ロビーが大きな吹き抜けになっており、2階は吹き抜けをめぐる回廊のようになっていました。
 ヘルンヴァイン展のときは、作品の写真を大きく引き伸ばしたものを、色内の大通側の壁面に何枚も並べて圧巻だったことを、今もなつかしく思い出します。


 ニトリの似鳥昭雄会長のコレクションが、これまで予定していた建物では収まりきれないほどたくさんあるということなのではないか―と推察されますが、くわしいことはまだわかりません。
 筆者としては、とても楽しみ! のひと言に尽きます。
 あの堅牢な、小樽の全盛期をほうふつとさせる建物にふたたび入れるというだけでもワクワクするのに、そこが美術館になると聞いて心が躍ります。


関連記事へのリンク
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「ニトリ小樽芸術村」開設のお知らせについて
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ニトリの美術館「小樽芸術村」、7月9日先行オープン
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