北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

ネット向きのアートと不向きなアート

2020年05月21日 18時02分51秒 | アートに関するインターネット・ブログなど
(承前)

 前項で、5月末までウェブで開催中の「Online Photo Exhibition  éloquence(エロカンス)」について紹介しました。
 このほか、東京・銀座の秋華洞のサイト「SHUKADO Contemporary」では、札幌拠点の日本画家とコラージュ作家の2人展を開いています。

https://www.eloquence-photo.com/
Web展覧会 Like a dream -蒼野甘夏とクスミエリカ-

 以前から考えていることですが、アートの中には、ウェブ向きの分野とそうではない分野とがあるのではないでしょうか。

 おおまかに言うと、次のようになると思います。

ビデオ・映像 > 写真 > 版画 > 絵画 > 工芸 > 彫刻・インスタレーション > 体験型アートやワークショップなど


 これは伊藤隆介氏の示唆によるものですが、映像作品にはオリジナルの大きさがありません。パソコンのディスプレイで見ても映画館の大スクリーンで見ても、体験としてはおおむね等価とされます(おおむね、ですが)。
 しかし、絵画は、複製では大きさの感覚や表面の光沢などが分かりません。これは、ネットやVRでも限界があるでしょう。
 さらに立体は、とりわけ大きなものは、インターネットやパソコンでは実物を鑑賞したことにならないだろうと思われます。

 そういうわけなので、こういう情勢で、仮想ツアーを実施したり作品をウェブ公開したりさまざまな工夫をしている博物館やギャラリー、美術館には敬意を表したいのですが、それで、鑑賞体験を100%代替できるかというと、筆者は懐疑的にならざるを得ないのです。

 早く新型コロナウイルスの影響が落ち着いて、美術館やギャラリーが再開しないかなーと願っています。
 とはいえ、以前のような、たくさんの人出を見込む大型展覧会の開催は困難でしょうが。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。