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■北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術科卒業制作展(2月17日で終了)

2007年03月06日 22時08分06秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 アップが遅れてすいません。他意はないんですけど…。

 ただ、単純な感想として、どうして「油展」があんなにおもしろかったのに、卒展はぱっとしないんだろう、って思う。
 もちろん、油展は油彩研究室の全学年だし、そもそも、くらべるのがまちがっているのかもしれないが。
 絵画も彫刻も工芸も、既存の公募展的な作品におさまっているものが多いのは、どうしてなんだろう。
 公募展的だからだめだとは言えないが、あの油展でみせた実験精神や、「絵画とは何か」という問題意識はどこに行ったんだろうと思ってしまう。

 そんななかで、独自の世界をつくっていると感じられた作品も、ないではない。
 西田卓司さんは、巨大なスペースシャトルと、規則的なドットの組み合わせで、人工的な世界をつくりだしている。プラモデルの設計図みたいな絵画。
 三森彩美さんの絵は、少女マンガ的なかわいらしさに対する批評になっている。
 佐々木彩さんの金工は、メルヘン調を貫いている。
 細野さんのは、どうやって写真を板の上に転写したんだろう。

 彫刻がぜんぶ具象なのも、びっくり。
 担当教官がかわると、こうも違うのか。

 見終わってから気がついたのだけど、今回の出品者の中に、じぶんの知り合いがひとりもいない。
 いま札幌で活躍中の20代半ばから30ぐらいの美術作家のうち、教育大に在学中から知っていた人は十指にあまる。
 直接の知り合いでなくても、作品が印象的で、名前をよくおぼえていたという人もいる。
 そういう人が、今回は皆無だ。
 誰も知らない、というのは、筆者の個人的な問題なのか。それとも、今回の卒業生たちが、あまり学外に出ることなく4年間を過ごしてきたためなのか。
 個人的な問題なのかもしれないけど、ちょっとさびしいと思う。

 出品作は次のとおり。
・油彩研究室
今泉東子「黎明に舞う」(キャンバスに油彩)
大崎紗代「小さな声」(同)
駒野道子「優しい朝」(同)
中田絵美「ROUTE 334」(同)
西田卓司「LA-5FN」「Columbia」(木製パネルに紙、アクリル絵の具)
平田雅子「祈り」(キャンバスに油彩)
三森彩美「melt dreams」(パネルに油彩)
簗部亜侑美「gogh」(キャンバスに油彩)
和田萌「もえの青」(同)

・視覚映像デザイン研究室
春日真弓「部屋」(video/sound)
舘内美久「季節を旅する」(紙、インク)
細野まき子「記憶」(シナ、ピールアパートフィルム、他)
溝口真理「私が思う心地の良い形」(布、綿)

・情報デザイン研究室
青山奈津子「mix」(PC)
東佳奈「Pattern_B」(PC、布)
阿波加真那「ろぉすと」(video/sound)
内田彩「あたしというフィルター」(PC)
鎌田美智子「SING FOREST」(キャンバスロール、半光沢紙、木)
津田裕「SPHERE SHOSE」(紙、PC)
山口悠「ソルドソウル」(PC)

・彫刻研究室
板本伸雄「鼓動」(石膏、着色、鉄)
及川靖子「のうぜんかずら」(テラコッタ、タモ)
岡田綾子「人体/解体-構築」(石膏、着色、鉄)
高橋幸太郎「かぜをうける」(石膏、着色)
土田拓磨「Venus of Mine」(硬質石膏、着色)

・金属造形研究室
稲荷山翔太「廻帰線」(鉄)
神成望「花鳥風月」(鉄、綿)
佐々木彩「まわりみち」(銅、真鍮、鉄、アルミ)
菱田明日香「Re:」(鉄)

・木材造形研究室
氏家菜々恵「しろくま紀行」(クルミ、タモ、他)
長嶺智美「森の時間」(セン、クルミ、タモ、ウォールナット、他)
山口翔「あぐらチェアー」(タモ、ウレタン、布)

2月12日(月)-17日(土)10:00-18:00
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A


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