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■第36回北海道抽象派作家協会展(3) =4月19日で終了

2009年04月21日 02時12分55秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前

 このエントリで最後。
 第2展示室にあった、一般出品者の作品を見てみる。

 冒頭画像は、進境著しい若手の石川潤である。
 目録には「呼吸」(F100×2枚組)とあるが、なんと14枚の大小の絵画をひとつの壁に再構成している。
 近づいてみると、色の斑点だと思われたものは、まるで草むらの中にあいた異次元世界への穴のように見えてくる。
 全体的には平滑なのに、それらの穴の部分だけ、絵画のイリュージョニスティックな性格が際立つのがおもしろいと思う。絵画の平面性、あるいは奥行きということについて、石川はかなり戦略的なのかもしれない。
 出品は2年連続2度目。北翔大を出たばかりの若手である。


           

 以下、申し訳ないが駆け足で紹介。
 甲斐野弘幸(札幌)は「跫(アシアト)09」の連作を出品。
 モノトーンで、水彩とは思えない力強さだ。
 3年連続3度目。


           

 宮本市子(札幌)は「un reve2009」と題した90×90センチの連作5点と、「silent2009」(90×120センチ)。2年連続2度目。


           

 吉田英子(札幌)のインスタレーション「being」。
 図録には300×300×250センチとなっている。
 4年ぶり3度目。




 しんがりは、7年連続出品の横山隆(札幌)。
 図録には「彼方へ」183×131センチとなっているが、実際には小品5点も陳列されている。
 シャープな線を強調した作品だが、近づいてみると、支持体のあちこちがダンボールのコラージュになっているのがわかる。

           

 いま「シャープ」と書いたけれども、じっさいの線はフリーハンドでひかれている。
 ミニマルアートとは異なる、運動性とか肉体の痕跡を印象付けているようにも見える。どこかあたたかい線なのだ。
 全体的には下のほうが、色が薄くなっている。
 額縁が無いかわりに、側面にガムテープをはっているのがおもしろい。

 筆者は横山の作品のなんだか貧しいところがかえって八方破れに感じられて、好きなのだ。



2009年4月14日(火)-19日(日)10:30-18:00(初日13:00-、最終日-17:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)

 ※石川さんが出品
All Japan Under 40 Collections(2009年2月)
北翔大学大学院・研究生6人展(2008年1月)
第5回学生STEP-なんでもアリの学生アート展(2007年)
北翔大学美術サークル米-YONE- 夏休み直前追い込み美術展(2007年)

 ※甲斐野さんが出品
第3回水彩連盟北海道札幌支部展(2008年11月)=画像なし
新道展企画 第52回展受賞者展(2007年)
第2回水彩連盟北海道札幌支部展(2006年)=画像なし

 ※吉田さんが出品
SUMMER WAVE展 13(2008年8月)
SPRING 吉田英子-旅のいろどり(2008年4月)
吉田英子展 変容(2004年、画像なし)
RELATION 夕張(2002年、画像なし)

 ※横山さんが出品
LEBENS (人生・生命)展2 (2007年)
漆山豊 横山隆 竹田博展(2007年)
LEBENS(生命・人生)展(2006年、画像なし)
寒桜忌展 -うただより・今井和義へ<没後2年>-(2006年、画像なし)
異形小空間26人展 11th(2005-06年)
くりさわ現代アート展(2002年、画像なし)


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