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広大な原始の姿をそのまま残している、日本最大の面積を誇っている、大雪山国立公園。
今日まで、山岳写真としては、色々な写真家達に発表されてきました。私はあえて山の中間地、森林限界から山麓までの森林地帯に目を向け、この山の奥深さと、憧れ、象徴的なイメージを重ね、この素晴らしい大地を見つめ、思いをこめながら、フイルムに写り込ませています。
(富士フォトサロンのウェブサイトより)
近江さんの写真はネイチャーフォトですが、野生動物はまったく登場せず、大雪山といえば定番の高山植物もほとんど出てきません。しかし、木々や川などが織り成すさりげない様相が、見る人にしずかな感動をあたえます。カラー約30枚。
とりわけ筆者の心にのこったのは「咲くミズバショウ」という1枚です。
「咲く」といっても、ふつうのミズバショウの群落の写真はよくありますが、これは、いったん咲いた後に雪が降りつもり、ミズバショウがシャーベット状の雪の中で花開いている様子を撮ったものです。
発想の類型的な人なら、雪の積もった群落を見て残念がり、シャッターを押さずに回れ右をしたかもしれません。しかし、こんどの個展には、ありのままを撮った作品が展示されています。
案内状につかわれているのは、川の写真です。
冬の川は、余計なものをいっさいそぎ落として、抽象画のような表情を見せています。
筆者がおもしろいと思ったのは「水影」という1枚で、水面に反射したこまかな光を、ややスローシャッターでとらえたもの。いっぱいにちらばる光の線条がおもしろい文様を描いています。
劇的な一瞬の写真もあります。
「朝霧に昇る」は、望遠でとらえた日の出の写真。白い霧がたちこめ、太陽以外に何も見えませんが、その丸い太陽の表面に、稜線の木々のシルエットがくっきりと刻印されています。
富士フォトサロンのウェブサイトで紹介されているうち、右下の写真は「朝焼け雲」ですが、この上のほうには、ごく細い下弦の月が輝いています。
2月9日(金)-14日(水)10:00-18:30
富士フォトサロン(中央区北2西4、札幌三井ビル別館 地図A)
とるためにブローニーを一巻使い切ってしまうことも
あるとかおっしゃってました。
そうやって選び抜いたワンショットなのですね。
いつも的確なコメントありがとうございます。
お話のカタクリは、ミズバショウの横にありましたね。
「力を入れずに撮ることはむずかしい」。含蓄のある言葉ですね。
>パセリさん
貴重なコメントありがとうございます。
ブローニー1巻ですか。プロは、やはりこだわりがすごいんですね。