オホーツク管内西興部村からとなりの興部町へ移った佐藤さんが札幌で個展を開いていた。
出身は秋田県で、通った大学は岩見沢。秋田時代は知らないけれど、それ以降の彼女の絵は、どこにいてもそれほど変わらないように見える。
さまざまな色斑やかたちを背景に、架空の生き物がたたずんでいる。
それらのふしぎな生き物は、いろいろな種類があるけれど、絵によってあまり大きさが変わらない。言いかえれば、タブローが巨大な場合は相対的に小さく、小品のときは画面に占める割合が大きくなる。
そのうち、もっとも頻出する生き物の名前が「気持ちちゃん」ということを、今回、会場にあった文章で知った。
作者によると、名前は以前からついていたが公表したのは初めてという(「四面体ちゃん」と呼んでいたころもあったとか)。
なるほどなあ。
これらの生き物は、アニメのキャラクターのようなものではなくて、描く人、見る人が、いつの間にか自分の気持ちを投影しているものなのだろうか。
といいつつ、2枚目の画像の左側にある絵のゾウなどは、従来の「気持ちちゃん」などとはちょっと異なるテイストを感じる。
なんだろう。作者の成熟につれて、生き物にも落ち着きのようなものが出てきたのかもしれない。
ところで佐藤菜摘さんは、今年2月に個展を開いた創成イーストの「札幌茶譜」で、また10月に作品を発表するらしい。「中国茶がおいしいので、いらしてください」とのことでした。
2023年5月31日(水)~6月11日(日)正午~午後7時(最終日~6時)、月火休み
ギャラリー犬養(札幌市豊平区豊平3の1)
twitter □ @satto723
Instagram □ satto723
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