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■APA北海道支部展覧会「モノクローム」、藤女子大写真部も参加! (2月11日まで)

2009年02月10日 16時42分15秒 | 展覧会の紹介-写真
 社団法人日本広告写真家協会(APA)北海道支部が毎年開いている展覧会。ことしのテーマは「モノクローム」です。
 さすがプロ集団、水準の高い作品が集まっています。

 いやあ、むかしは写真といえば、家族を撮るスナップなんかはともかく、対外的に発表するものはモノクロときまっていて、わざわざうたうほどでもなかったものですし、カラーで発表する人をあえて「ニューカラー」なんて称したものですが、考えてみればそれから40年はたっているわけで、とくに広告写真の現場ではモノクロームを撮ることはごく少なくなっているのではないかと推察されます。
 今回は、フィルムからプリントした昔ながらのモノクロ写真と、デジタルをモノクロ変換してプリントした作品の両方が出ていますが、近年のプリント技術のめざましい向上により、両者の区別はほとんどつきません。

 おもしろいなーと思ったのが、上村幸将さんの作品。薄暗い斜面に白い棒がおびただしく並んでいるのですが、これ、数年前に富士フイルムフォトサロン(まだ道庁赤レンガのそばにあったころ)でカラープリントを見て「すごいなー」と思った記憶があるのです。モノクロになっても、またべつの魅力が感じられます。このプリントの両側には、工場を被写体にした作品が展示されています。

 岩浪睦さんは、毎年の「小樽・鉄路・写真展」に、トーチカのような巨大コンクリート建造物を撮った写真を1枚出品している方です。今回は、「鉄路」にくらべるとプリントは小さめなのですが、受ける印象(一種の圧迫感)は変わりません。

 大田一彦さんは、大地の上に光る月がモティーフ。スケール感がとても感じられます。
 また、齋藤義典さんは、昔ながらの銀塩写真で、食卓や食器を端正なプリントに再現しています。水際立った描写は、モノクロームならではといえるでしょう。
 宇津木圭さんは近年、バレリーナをテーマにした作品に取り組んでいますが、しぶきと踊り子を組み合わせた今回の作品は、これまでのなかでもシャープで、写真でなければ表現できない一瞬をとらえたものだと思いました。

 ところで、会場内にモノクローム写真を自由に展示できる掲示板が設置されているのですが、半数以上を占めているのが、札幌の学生写真界でもモノクロ一直線で際立っている藤女子大写真部による作品。プリントのうまさでは、プロとそれほど遜色なく(ちょっと黒が濃いような気がするが、これはほとんど好みの問題)、さすが藤だなあと思います。東海大の学生の写真もいくらか展示されています。


2009年2月5日(木)-11日(水) 10:00-20:00
4プラホール(中央区南1西4 4丁目プラザ7階 地図B)

□社団法人 日本広告写真家協会 http://www.apa-japan.com/

□社団法人 日本広告写真家協会北海道支部 http://www.apa-japan.com/hokkaido/

広告写真家の写真展(2008年)


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