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■黒川絵里奈 切り絵展「遠い記憶の物語」 (2013年7月18日~8月11日、札幌)

2013年08月13日 01時01分01秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 切り絵の展覧会はちょくちょく開かれているようだが、このブログで紹介したいと思うものはそれほど多くない。
 この黒川絵里奈さんの個展が目を引いたのは、切り絵でなければ表現できない世界が広がっていると感じられたからだ。

 作者の言葉。

「遠い記憶の物語」

子供の頃、絵本で出会った物語。
いつかの夢の中で出会った、誰も知らない物語。
誰もがきっと心の中にそんな物語を持っているのではないでしょうか。
遠い記憶の扉の向こうは、もうひとつの世界につながっています。

一枚の紙から生まれる切り絵の展覧会を楽しんでいただければ幸いです。


 シリウス通信によると
「黒川さんは、1983年生まれ。2009年から札幌市教育文化会館主催「FAT!S(フィギュア・アート・シアタ!札幌)」(沢則行講師)に参加し、人形制作、操演、影絵制作を経験」
とのこと。現在は札幌在住。

 彼女の切り絵は、もっぱら西洋の神話や物語に材を得ている。
 奥行きを出しづらい切り絵の特徴を逆手にとって、はなやかな舞台の登場人物のような雰囲気をかもし出している。また、中央の人物は、チョウの化身のように羽根を生やしていることも多く、舞台背景のような画面周辺の草木模様とあいまって、ロマンチックな情緒が漂う。
 ここには、幼い頃に絵本の中で見た、遠い国へのあこがれのような感情が、たしかに息づいているのだと思う。

 冒頭の画像は「フェアリー・リンク」。
 左右対称の、端正で装飾的な構図だ。
 

 主な出品作は次のとおり。
青い月夜の物語(アーサー王伝説 湖の乙女より)
ラプンツェル (※右側の画像)
ハーメルンの夜
氷の宮殿
ウンディーネ
ガラティアのめざめ
世紀末のサロメ
黒海の女王
エーティンの変身(ケルト神話より)
THE MOON PRINNCESS
真珠とりの歌 オペラ真珠とりより
森の歌声
青いバルコニー
森のささやき


2013年7月18日(木)~8月11日(日)正午~午前0時(日祝 ~午後9時)、水曜定休 ※8月12日(月)・13日(火)・14日(水)はお盆休み
CAFE ESQUISSE(カフェ エスキス=札幌市中央区北1西23)


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