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■小樽写真同好会 堂堂展 vol.32 (2023年11月29日~12月3日、小樽) 12月3日その4

2023年12月07日 21時00分57秒 | 展覧会の紹介-写真
(承前)

 写真家の酒井広司さんから案内状とリーフレットを渡されて、この写真展に初めて来ました。
 展覧会タイトルからは想像できないほど見応えのある写真が数多く並んでいて、驚きました。

 二つある部屋のうち、左側はテーマ展で、今年は「DEEP 朝里・新光・新光町・朝里川温泉・望洋台」です。

 これらの地区は、小樽の中心部からちょっと札幌寄りに離れた位置にあります。
 朝里の海沿いは、昔ながらの漁村・海水浴場の面影がある町並みですが、国道5号のほうに登ると、戦前に栄えた小樽の中心街に比べると新しめの住宅街が広がっています。
 「小樽=レトロ」の一般的なイメージとは異なる地区といえます。
 朝里に住む人の人物写真と、短いインタビューも展示されていました。

 酒井さんや、神田泰行さんが、朝里を流れる小さな「柾里川まさ り がわ」をフレームに入れて撮った写真などを展示しています。酒井さんはモノクロ。
 神田さんのカラー写真は初めて見ました。隙間をあけずに多くのプリントをびっしりと壁に並べていますが、黒が引き締まってカッコいいのはモノクロ写真と共通しています。

 柾里川が興味深く見えるのは、幅が狭いまま海に流れ込む川というものが札幌に存在しないからかもしれません。札幌の小さな川はすべて、他の川に合流します。

 総じて、「新興住宅街」と言うには少し古い家が多いかもしれず、かといってレトロな建物や小路のない地区の町並みや人々を、それそれの視点で切り取っていました。
 
 右手の部屋は「DEEP―」とは別に自由に撮った写真。

 神田さんはもちろんモノクロもシャープです。

 長い年月にわたってひたすら街撮りを続けている伊藤也寸志さんが、ゲストとして、「大阪」という題でモノクロの写真を10点以上出品。
 このマチには、昭和レトロなアーケード商店街などがいくつも残っているようです。

 ピンホールカメラによるモノクロ風景写真。
 少しあいまいな画像がなつかしさを誘います。
 
 
 佐々木郁夫さん、斎藤ミノルさんといった、写真集を出版したことがあるベテランもメンバーなので、写真展の水準が高いのも当然かもしれません。

 水族館職員3人の笑顔を撮ったカラー写真、お菓子屋さんが主題の親しみやすい作品もあります。

 さらに、小樽商大写真部も参加していました。

 正直なところ、ふつうのアマチュア写真同好会展だったら遠くまで足をのばすことはないのですが、この展示は見に行って良かったです。
 来年はもうちょっと詳しく紹介していければいいな、と思います。


 受付で酒井さんと雑談していたら、札幌の「素材としての写真拡張展」のNさんとばったり会いました(写真展での遭遇率がめっちゃ高いです笑)。


2023年11月29日(水)~12月3日(日)午前10時~午後5時
市立小樽美術館市民ギャラリー(小樽市色内1)

□参考 : 小樽観光協会公式サイト「おたるぽーたる」 https://otaru.gr.jp/tourist/otarudoudouten2023-11-30



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