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第1回水彩連盟北海道札幌支部展(10月28日まで)

2006年10月25日 22時43分57秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 水彩連盟は1940年に発足した全国公募展。水彩の公募展といえば、日本水彩画会の道支部展は以前からひらかれており、出品作の大半は穏健な写実の画風が大半。これに対し、水彩連盟のほうは、もうすこし作風に幅があるようです。今回、本部から出品になった5点のうちにも抽象画がありました。また、日本水彩画会道支部のメンバーの多くが道展とだぶっているのに対し、水彩連盟のほうは道展、新道展、無所属の混成部隊です。
 北海道札幌支部は昨年の発足。じつは「北海道支部」というのが、別にあり(オホーツク地方の人が支部長の由)、こういう支部名になったみたいです。出品者のうち、古田瑩子さんと勘野悦子さんが会員、三村克彦さんが準会員です。
 古田さんは、こげ茶色の森の空間で人形たちが輪になって踊っている幻想的な作品。精緻な描写と細やかなマティエールにますます磨きがかかっています(冒頭画像の左)。
 中央は中田さんの作品。近景にコンクリート片の瓦礫が、遠景に都市が描かれ、都市の破壊を暗示する文明批評的な作品になっています。

        
 中央は勘野さんの作品。人間描写がますますたくみになっています。
 左は竹津昇さんの作品。古い家の壁と窓という、奥行きの出しづらい題材で、画面を構築しています。

        
 左は渡辺範子さんの作品。絡み合い、もつれあう枝の描写は、いい意味でのしつこさを感じさせます。
 中央は三村さん。彼は一貫してエンジンを題材にしてきました。機械の持つ重量感のようなものが表現されています。
 また、湯淺美恵さんの人物描写もリアルで、目を引きました。

 出品作は次のとおり。
畔原信子「花などのある卓上」(80F)
三村克彦「有機体へ」(100F)
渡辺範子「生きる」(80F)
加藤恵美子「白い季節」(100F)
湯淺美恵「何時か何処かで」(60F)
山平博子「寂寞」(80F)
遠藤直子「永久(とわ)に…」(80F)
甲斐野弘幸「玄い跫音2006」(120F)
中田美紀子「静寂」(80F)
古田瑩子「きかせてね森の風を」(100F)
青坂龍子「木漏れ日」(50F)
松倉文子「惜陰」(60F)
勘野悦子「列」(100F)
竹津昇「厩(窓)」(80F)

坂井敦彦「7月21日から30日までの間」
森治郎「輝遊の舞」
森相實「コルマールの雨上がり」
川村良紀「色づく山」
西山督夫「Solitude」
(以上5点は本部から)

10月23日(月)-28日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

□水彩連盟支部のページ
□水彩連盟


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