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■第24回大正館(収蔵品)展/本城義雄油絵展 (2017年4月29日~5月7日、歌志内)

2017年05月08日 19時32分21秒 | つれづれ日録
 歌志内の画家、本城義雄さんは、1996年から毎年ゴールデンウイークにあわせ、集めてきた古い生活用具や雑貨などを公開する「大正館展」を開いています。
 回数があわないのは、少なくとも96、98、99年には秋にもオープンしていたからです(それでも合わないけど…)。

 「大正館」とは、歌志内市街地の中央にある、大正期にたてられた石造りの蔵。

 今年は、和菓子を作るための木製の型やレジスターを特集していました。
 それ以外にもジュークボックス、蓄音機、そり、レジスター、看板、電話、食器、そろばん、ラジオなど、とにかくなんでもあります。

 今回いちばん筆者の印象に残ったのは、柱時計です。
 本城さんによると、およそ270個あるそうです。
 かつて訪れたときには止まっていたのですが、今回は、動かせるものは動いていました。
 古時計なので、それぞれ異なる時間を刻んでおり、その「コチコチ」という音だけでも雨降りのように響いているのに、ひっきりなしにあちこちで「ボーンボーン」と鳴りだすので、例年にもましてシュールな光景になっていました。

 札幌の酒場経営者で古い柱時計のコレクターがいて、その人は300個集めたのだそうです。
 本城さんの古物収集はもともと、写実的な静物画のモティーフにするためときいていました。それ以外にも、きっかけがあったのかもしれません。


 古い蔵に隣接して、少し新しめの建物があり、こちらの1階にも、古いノベルティーグッズなどさまざまなものが置かれています。
 壁には、これは近年の設置だと思いますが、古い商店の写真がびっしりと貼られていました。
 かつて4万6千人が暮らした街のにぎわいがしのばれます。

 2階は本城さんの絵が展示されています。
 今回は裸婦スケッチがたくさん並んでおり、衰えぬ画家の探究心を感じました。


 9年前にこのブログで
「ついに昨年秋、5000人を割った」
と書いた歌志内市の人口ですが、いま市のサイトを見ると、2017年4月30日現在で3494人となっています。

 過疎化の進み方がはやく、解体される家も多いことも、本城さんのもとに古物や骨董が多く集まってくる要因のようです。

 歌志内の中心部で、かつては空知を代表する洋食店として知られていた「十字路」。
 経営していた画家の中山教道さんが2002年に死去し、近年は廃墟となっていましたが、ついに
「建物の崩落の恐れ 歩道通行止」
という看板が立ってしまいました。


 どうもさびしい話題が多いですが、せっかく来たので、中心部より西側にある温泉「チロルの湯」に入り、温泉併設の食堂で「なんこ鍋定食」を食べました。
 これは、馬のもつを煮込んだ、歌志内独特のグルメです。


2017年4月29日(土)~5月7日(日)午前10時~午後5時
大正館(歌志内市本町1)

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歌志内で(2009)

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本城義雄個展(2007年、画像なし)
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