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冬島大二郎の油絵70点寄贈

2018年07月09日 13時20分09秒 | 新聞などのニュースから
 北海道新聞2018年7月5日朝刊の札幌市内版、6日朝刊の釧路版から。

 札幌市内に住む会社社長宮川博元ひろゆきさん(83)が4日、所蔵する絵画70点を、少年時代を過ごした釧路管内浜中町に寄贈した。札幌出身の画家、故冬島大二郎さんの油彩画で、評価額は1億円を超えるという。

 宮川さんは一時、冬島さんと同じ職場で働いたことがあり、1997年に48年ぶりに再会。以来冬島さんの作品を買い求め、冬島さんの作品を展示する私設美術館を2006年、札幌市内に開設した。現在約270点収蔵し、うち「牛太郎」(100号)などを浜中町に寄贈した。

 大阪生まれの宮川さんは戦争で被災し、親族を頼って浜中に転居し中学の3年間を過ごした。札幌に移っても町を「第二の故郷」と大切にし、「ふるさと浜中会」を創設した。

 この日は浜中町の松本賢副町長、内村定之教育長、町議会の波岡玄智げん ち 議長が私設美術館を訪ね、運び出した。宮川さんは「第二の故郷で活用してもらえれば」と話し、3人は「浜中への深い思いに感謝します」と応じた。町は2020年末に完成する役場の新庁舎に飾る予定。


 お恥ずかしいことに筆者は、冬島大二郎という洋画家を知りませんでした。札幌のギャラリーや美術館で作品を見た記憶がありません。
 記事中にある「私設美術館」というのも初めて聞きました。
 「美術館」という名ですが、どこにあり、学芸員がいたかどうかなども、いまのところわかりません。

 大あわてでネット検索してみると、札幌の小竹美術という画廊のサイトで静物画が販売されていました。
 それによると、1923年(大正12年)、札幌生まれ。
 モダンアート協会会員(のちに退会)、美術文化協会会員(のちに退会)、一水会運営委員とあり、77年には二科の会員ーということなので、ずいぶんいろいろな団体を渡り歩いています。最初から亡くなるまで一つの団体公募展に所属する画家が多い中で、4団体という人は珍しいのではないでしょうか。
 2010年歿。

 画像検索すると、線がすこしゆがんで、壁も汚れた、パリとおぼしき西洋の街角の絵がいくつも出てきます。パリ中心部の建物は7階建てが多いのですが、検索で出てくるのは4、5階建てが多く、このあたりは画家の画風というかデフォルメなのでしょう。

 あと、文中の「評価額1億円」ですが、70点で割ると、1点あたりおよそ142万8500円になります。
 70点すべてが100号とは考えにくく、100号もあれば10号の小品もあることでしょう。仮に平均20号だとすると、号あたり7万1400円ほどという計算になります。
 市場価格を載せた年鑑類では、号あたりの販売価格は4万円となっているそうです。その額で計算し直すと、作品の大きさの平均は35.7号となります。
 ただし、ネット検索すると、号2千円~5千円ぐらいで売られていることも多いようです。
 美術作品の価格というのは、なかなか難しいものがありますね。


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